著者
川瀬 正樹 カワセ マサキ Kawase Masaki
雑誌
修道商学
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.165-187, 2003-02-28

The purpose of this study is to review gender studies in Japanese human geography, focusing mainly on studies of women's employment and commuting. First, I examine gender differences and regional differences in employment. I point out that, while women's employment rates are high in urban region compared with rural region, the white-collar worker's ratio are high in urban region. In other words, two variables show negative coefficients. Regional differences in men's employment rates, however, originate in regional characteristics or regional culture. Next, I explain that women's employment has been approached through analysis of regional labor markets in Japanese economic geography. Moreover, while referencing Anglophone literatures, I argue that gender difference in life actions has been mentioned in commuting studies and time geography. I point out that the average commuting time of unmarried women is longer than unmarried men in urban regions. Finally, I predict how the future of gender studies will progress in Japanese human geography, considering the development of feminist geography and the increase of gender studies outside of the field of employment in recent years. In the future I expect that the notion of gender will establish itself as an important issue and will be discussed more frequently within the discipline of Japanese human geography.
著者
市原 利彦 川瀬 正樹 長谷川 隆一 中島 義仁 丹羽 雄大 佐々木 通雄 西村 正士
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.448-452, 2013-07-15 (Released:2013-10-16)
参考文献数
10

ナイフによる穿通性外傷の中で内胸動脈損傷は鋭的損傷の多い欧米では少なくないが,国内の報告は少ない。今回受傷機転が刺創の21歳の男性が独歩で来院し,救急外来(emergency room: ER)でショックとなり,primary surveyのみでCT等の検査を施行することなく手術に踏み切った。肺損傷を伴った内胸動脈損傷(完全断裂)による左側の大量血胸であり,胸骨正中切開のアプローチにて緊急手術を行い,救命できた症例を経験した。内胸動脈損傷によるショックに対する治療法は種々なものがあり,手術治療,血管内治療(塞栓術),保存的など施設により対応は異なる。本症例に対し,二次救急医療施設における外傷対応の一貫として,JATECの概念の導入により適切な初期治療を行い,preventable trauma deathを回避できたことからその意義は大きいと考えられる。
著者
川瀬 正樹
出版者
The Japan Association of Economic Geography
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.291-302, 2018-12-30 (Released:2019-12-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本報告では,1985年以降の広島,特に近年の広島の動向について,人口移動,通勤・通学,商圏調査等の人口流動データの分析に加え,交通網の整備,近年の各施設の開発状況について報告し,広域中心都市・広島の変容について考察した.    1985年以降,広島市の人口は,特に丘陵地を切り崩して住宅開発が行われてきた郊外の区で増加し,周辺県からの転入と大都市圏への転出が大幅に減少した.また,商業面では中心市街地の中心性が2004年以降著しく低下した.代わって郊外のショッピングセンターに客足を奪われ,もはや中心-郊外の対立から郊外同士の競合に変化してきている.広島駅前の再開発エリアでも,オフィスビルではなくタワーマンションが増えており,現段階で業務機能が集積したと言えない.     あらゆる観点からみて郊外化が進んできた一方で,広域中心都市としての広島の地位は低下しつつある.支店の統廃合が進んだことなどにより東京一極集中が進む一方で,近年発展を遂げる福岡よりも東京・大阪寄りに位置する広島の「支店経済都市」としての性格は弱まっていると言わざるを得ない.一方で,広島では最近,ホテル建設が増えており,広島の都市としての性格が変容しつつある.今後,広島が広域中心都市としての地位を維持し続けられるかどうかの岐路に立たされていると言える.
著者
川瀬 正樹
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.291-302, 2018

<p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;本報告では,1985年以降の広島,特に近年の広島の動向について,人口移動,通勤・通学,商圏調査等の人口流動データの分析に加え,交通網の整備,近年の各施設の開発状況について報告し,広域中心都市・広島の変容について考察した.<BR>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;1985年以降,広島市の人口は,特に丘陵地を切り崩して住宅開発が行われてきた郊外の区で増加し,周辺県からの転入と大都市圏への転出が大幅に減少した.また,商業面では中心市街地の中心性が2004年以降著しく低下した.代わって郊外のショッピングセンターに客足を奪われ,もはや中心-郊外の対立から郊外同士の競合に変化してきている.広島駅前の再開発エリアでも,オフィスビルではなくタワーマンションが増えており,現段階で業務機能が集積したと言えない. <BR>&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;あらゆる観点からみて郊外化が進んできた一方で,広域中心都市としての広島の地位は低下しつつある.支店の統廃合が進んだことなどにより東京一極集中が進む一方で,近年発展を遂げる福岡よりも東京・大阪寄りに位置する広島の「支店経済都市」としての性格は弱まっていると言わざるを得ない.一方で,広島では最近,ホテル建設が増えており,広島の都市としての性格が変容しつつある.今後,広島が広域中心都市としての地位を維持し続けられるかどうかの岐路に立たされていると言える.</p>