著者
市原 利彦 川瀬 正樹 長谷川 隆一 中島 義仁 丹羽 雄大 佐々木 通雄 西村 正士
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.7, pp.448-452, 2013-07-15 (Released:2013-10-16)
参考文献数
10

ナイフによる穿通性外傷の中で内胸動脈損傷は鋭的損傷の多い欧米では少なくないが,国内の報告は少ない。今回受傷機転が刺創の21歳の男性が独歩で来院し,救急外来(emergency room: ER)でショックとなり,primary surveyのみでCT等の検査を施行することなく手術に踏み切った。肺損傷を伴った内胸動脈損傷(完全断裂)による左側の大量血胸であり,胸骨正中切開のアプローチにて緊急手術を行い,救命できた症例を経験した。内胸動脈損傷によるショックに対する治療法は種々なものがあり,手術治療,血管内治療(塞栓術),保存的など施設により対応は異なる。本症例に対し,二次救急医療施設における外傷対応の一貫として,JATECの概念の導入により適切な初期治療を行い,preventable trauma deathを回避できたことからその意義は大きいと考えられる。
著者
細木 高志 木村 大輔 長谷川 隆一 長廻 智美 西本 香織 太田 勝巳 杉山 万里 春木 和久
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.393-400, 1997-09-15
被引用文献数
5 5

RAPD法により14のボタン (<I>Paeonia suffruticosa</I>)品種, キボタン (<I>P. lutea</I>) およびシャクヤク (<I>P. lac-tiflora</I>) 品種および種間交雑5品種の識別を試みた.40種の10merのプライマーを試験した結果, 11種で多型マーカーとして有効な108本のDNAバンドを増幅した. これらのマーカーにより21種•品種が区別でき相互間の類似値が求められた.<BR>その結果, ボタン品種はシャクヤク品種やキボタンと明らかに区別できた. またボタンとキボタンとの種間交雑品種である'金閣', '金鶏', '金晃'およびシャクヤク×'金晃'の'オリエンタルゴールド'の類似値はボタン品種との中間の値を示した. ボタン品種の内, 江戸時代に静岡県から島根県に導入された獅子頭は, 明治時代に大阪府を起源とする他の品種と比べて類似値が低かった. 親子関係にあるボタン品種は両親または片親と高い類似値を示した. RAPDによる品種の類似関係は形態による分類と部分的に一致したが, 花弁のアントシアニジンによる分類とは一致しなかった.