著者
坂口 浩章 川端 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.2155-2163, 1997-12-25
被引用文献数
16

Willems らにより提案された文脈木重みづけ(CTW)法は, データ圧縮の標準的モデルである木情報源を計算効率良く, パラメータ未知モデル未知の条件下において2次の意味で最適に圧縮する確率推定法である. 本論文では CTW 法をこれまで未考察であった非定常情報源へ適用することを目的とし有限窓を用いた忘却機構を有する圧縮アルゴリズム(FWCTW 法)を提案する. まずCTW 法一般についてその多様な実現問題への鍵となる劣確率性の保存に関する一補題を与え, それを用いて FWCTW 法の実現の正当性を示す. 次に, 定常無記憶情報源の場合について, 冗長度は窓の長さに関し漸近最適性をもつことを示す.ー般の区分一定な非定常木情報源への適用に対する有効性を実験により示す.
著者
竹内 純一 高橋 規一 實松 豊 川端 勉 川喜田 雅則 香田 徹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

機械学習,情報理論,およびそれらの応用に関する諸課題について,記述長最小原理に基づく統一的視点のもとに研究を行った.特に,Markovモデルの幾何学的構造と確率的複雑度の関係,通信路容量と確率的複雑度の関係について考察し新たな知見を得た.また,アンサンブル学習等に関して考察し,効率的アルゴリズムや推定法を提案した.さらに,これら基礎的知見に基づき,ネットワークセキュリティにおけるインシデント検知,ポートフォリオ(分散投資戦略),超解像などについて,新たな学習手法を提案し,その有効性を示した.