著者
日比 亮太 高橋 規一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.377, pp.1-6, 2012-01-12

Nonnegative Matrix Factorization(NMF)とは与えられた大規模非負行列を二つの小規模非負行列の積で近似することである.NMFの効率的計算法としてLeeとSeungによって提案された乗法型更新アルゴリズムが広く利用されているが,このアルゴリズムには大域的収束性が保証されていないという問題がある.そこで著者らは最近,行列間距離にユークリッド距離を用いる場合のNMFについて考察し,大域的収束性が保証された修正乗法型更新アルゴリズムを提案した.本報告では,行列間距離にダイバージェンスを用いる場合の修正乗法型更新アルゴリズムを提案し,その大域的収束性を理論的に証明する.また,終了条件を加えたアルゴリズムを提案し,それが有限回の反復で終了することを示す.
著者
山越 健弘 田中 直登 山越 康弘 松村 健太 ROLFE Peter 廣瀬 元 高橋 規一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.494-504, 2010-10-10 (Released:2011-05-27)
参考文献数
19
被引用文献数
1

Motor racing athletes in the closed-cockpit category are always facing life-threatening situations caused by heat stroke, especially in hot weather. We report here the development of a novel infrared-radiation-type eardrum thermometer, with a built-in earphone, which can be used for continuous measurement in GT car racing. We examined the accuracy of the system for core body temperature monitoring in 10 healthy volunteers (21.8 ± 1.0 (S.D.) yrs) using a temperature controlled water bath. In addition, we assessed the usefulness of the system under real racing conditions with 2 professional drivers in the practice session of 2010 SUPER GT International Series Round 4 MALAYSIA being held at the Sepang International Circuit. To examine accuracy two thermistor probes, one inserted into the ear canal and the other beneath the tongue, were used for measurements of eardrum and sublingual temperatures respectively. An infrared eardrum thermometer was inserted into the contra-lateral ear canal. The measured temperatures were recorded at 30-s intervals. The results showed good correlation between the infrared eardrum temperature and both the direct eardrumtem temperature (r = 0.994, n = 1119, p < 0.001) and the sublingual temperature (r = 0.972, n = 1119, p < 0.001). The mean difference between these temperatures was + 0.09 °C, - 0.08 °C, and 1.96 S.D. was 0.21 °C, 0.44 °C, respectively. As for the field test, the system functioned satisfactorily during real racing conditions performed on the racing circuit. These results suggest that our new system can be used in a race setting as a reliable core temperature monitor and could help to improve safety of motor sports.
著者
竹内 純一 高橋 規一 實松 豊 川端 勉 川喜田 雅則 香田 徹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

機械学習,情報理論,およびそれらの応用に関する諸課題について,記述長最小原理に基づく統一的視点のもとに研究を行った.特に,Markovモデルの幾何学的構造と確率的複雑度の関係,通信路容量と確率的複雑度の関係について考察し新たな知見を得た.また,アンサンブル学習等に関して考察し,効率的アルゴリズムや推定法を提案した.さらに,これら基礎的知見に基づき,ネットワークセキュリティにおけるインシデント検知,ポートフォリオ(分散投資戦略),超解像などについて,新たな学習手法を提案し,その有効性を示した.
著者
西 哲生 緒方 将人 高橋 規一 NISHI Tetsuo 佐藤 秀則 實松 豊
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究課題では、解の個数に関する一つの結果を与えるとともに、トランジスタ回路を含むより一般の能動回路、すなわち、ニューラルネットワークやCNNのシステム方程式の安定性について検討し、特に安定性に関しては種々の安定条件を求めることが出来た。結果の概要は次の通りである。(以下で発表論文の番号は成果報告書の文献番号を示す)1.トランジスタ回路の解の個数に関しては、トランジスタの中の非線形抵抗特性である単調増加な指数関数及び線形項からなる2元(2変数)の非線形方程式に対して、解の上限がちょうど5個であることを証明している。この結果は、解の個数が高々2の次元数乗ではないかという予想が正しくないことを示したことになる。さらに一般の場合に関して、解の個数の上界を与えている(発表論文4,22)。2.トランジスタを含む能動RC回路に対して、浮遊素子により生じる分母多項式の高次項が負とならないための回路構造上の条件を与えた(発表論文1,12,21)。3.ニューラルネットワークのうち、1次元離散時間CNN(Cellular Neural Network)の安定性を定義し、このもとで、安定であるための必要十分条件を与えた(発表論文2,5,6,9,13,15,16,19)。4.微分方程式で与えられた2次元CNNが大域安定であるための必要十分条件を与えた(発表論文3,8,10,11,13,18,20,23)。