著者
清水 健司 川邊 浩史 海塚 敏郎
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.350-362, 2008-04-01 (Released:2008-07-15)
参考文献数
39
被引用文献数
3 2 10

本研究は,青年期における対人恐怖心性–自己愛傾向2次元モデルにおける性格特性と精神的健康(心理的ストレス反応)の関連を検討することを目的としている。大学生595名を対象として対人恐怖心性–自己愛傾向2次元モデル尺度短縮版(以下,TSNS-S),心理的ストレス反応尺度,性格特性を測定する尺度であるFFPQ尺度の質問紙調査を施行した。分析1では,TSNS-Sにおける信頼性と妥当性を検討し,分析2では,対人恐怖心性と自己愛傾向の相互関係の観点から分類された5類型における性格特性と精神的健康の関連を検討した。その結果,分析1ではTSNS-Sにおけるα係数,再検査法の各信頼性係数が高い値を示し,FFPQとの相関分析の結果においても一定の構成概念妥当性を持つことが確認された。また,分析2では5類型の性格特性と精神的健康の関連性の検討から,各々の類型が持つ特徴の基礎的部分が明らかにされた。
著者
川邊 浩史 柿木 昇治
出版者
広島修道大学
雑誌
広島修大論集. 人文編 (ISSN:03875873)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-17, 1998-09-30

本研究では,α波バイオフィードバックと音楽の趣向について3つの実験を行った。第1実験では,α波のピーク周波数を測定した。音楽を聴いている状態でピーク周波数が高くなる傾向が見られたが,個人差が大きいために全体の傾向を把握するのは困難であった。第2実験では5秒間累積積分法を用いたα波バイオフィードバック訓練を行った。ここでは「好きな音楽」が呈示されたときのα波振幅は「嫌いな音楽」,「無音」よりも有意に増加した。しかし,全体的に見るとフィードバック訓練の効果は現れていなかった。これは次々と変わる音響条件が被験者の実験への集中力に何らかの影響を与え,結果としてα波阻止が生じたためと思われる。第3実験では「好きな曲」,「嫌いな曲」を事前に調査することで,被験者の音楽への態度を明確にし,第2実験と同様に5秒間累積積分法を用いてα波バイオフィードバック訓練を行った。条件間では開眼安静期2 (フィードバック訓練後の安静期)でのみしか有意差は認められなかったものの試行間でのフィードバック訓練の効果が認められた。また,一貫して「好きな曲」条件におけるα波振幅が他の条件よりも上回っていた。この結果より,α波の増強・リラクセーションの促進には,音楽の好み,つまり音楽に対する態度が重要な要因になることが明らかになった。
著者
清水 健司 川邊 浩史 海塚 敏郎
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.67-70, 2006 (Released:2006-10-07)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

The purpose of this study was to construct a short form for young adults that measured their social phobic tendency and narcissistic personality in the two dimensional model. The scale consisted of ten items each for the two dimensions, which made it easy to classify them into personality subtypes. Analyses of the data from 305 students showed that the factor structure of the scale was sound, and that the two subscales had sufficiently high internal consistency. We would need next to study correlational data with other psychological scales.
著者
平田 孝治 岡嶋 一郎 福元 裕二 辻 裕一 和田 佳奈美 松田 佐智子 モハメッド ノル・ アンワー 尾道 香奈恵 津上 佳奈美 春原 淑雄 赤坂 久子 高元 宗一郎 溝田 今日子 小川 智子 立川 かおり 占部 尊士 西田 明史 川邊 浩史 吉村 浩美 馬場 由美子 武富 和美 田中 知恵 西岡 征子 野口 美乃里 牛丸 和人 米倉 慶子 桑原 雅臣
出版者
西九州大学短期大学部
雑誌
永原学園西九州大学短期大学部紀要 = Journal of Nisikyusyu university junior college (ISSN:24347833)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.15-28, 2019-03-18

In the learning outcomes, the relationship between objective and subjective measures is an issue of educational measurement. In this paper, we clarified the correlation derived from the semester-linkage of academic achievements and self-evaluations based on the competency model in NUJC. In the principal component analysis, it was suggested that the self-evaluations include roughly two directions of general ability and professional ability, and that the academic achievements depend on the curriculum and the methods of learning and evaluation, basically. The interpenetration of academic achievements and self-evaluations depend on intermediate factors that rule their linkage. The factors are supposed to be formed by two components: the faculties’ factors such as curriculum, methods of learning and evaluation including cognitive learning and the environment of “learning- background” (e.g., Hidden curriculum and Student support); the student's factors such as acquired abilities including motivation, personality and self-consciousness.