著者
梶原 拓史 白石 和博 市坪 信一
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.412, 2011

本研究室では無線通信の研究を行っている。実験は主に屋外で行われているが、研究に使用する機材の一つである標準信号発生器(SG)は大きくて重いため、持ち運びが不便である。そこで、研究室が電波免許を収得している902.85MHzの電波を出力する、小型軽量の発振器を製作する。高周波の発振器は主にPLL周波数シンセサイザが使われている。実験で使用するために、出力パワー10dBm、出力周波数902.85MHz、周波数安定度1ppmのPLL周波数シンセサイザを設計した。
著者
市坪 信一 秦 正治 冨里 繁 西 正博 新 浩一
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

携帯電話システムの無線回線設計のためにマイクロセル内にある傾斜地での伝搬損失の推定方法を検討した。基礎データを取得するために、岡山市内の2地区、広島市内の3地区、北九州市内の4地区で傾斜地の伝搬損失を測定した。送受信の角度をパラメータとした4つの推定法を提案した。測定データを用いて提案方法の有効性を検証し、大まかな推定ができることを明らかにした。今後の推定精度向上のためには実際の傾斜地の状況をさらに推定法に反映させることが必要であることも明らかになった。
著者
市坪 信一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J93-B, no.9, pp.1140-1149, 2010-09-01

移動通信で使われる電波の周波数は様々で,同じサービスでも世代ごとに周波数は変わる.電波伝搬の周波数特性が広い帯域にわたって解明されれば,周波数ごとの研究は必要なくなり,自システムの回線設計だけでなく他システムとの干渉設計にも有益である.本論文ではこれまでに報告されてきた移動伝搬の周波数特性をまとめて全体像を明らかにする.対象とした伝搬特性は,屋外のマイクロセル環境や屋内環境における伝搬損と建物侵入損,伝搬遅延,到来波の角度広がりである.その結果,ほとんどの環境で周波数による伝搬特性の差が小さいことを示す.むしろ周波数に依存する伝搬特性やその環境を指摘する方が困難である.また,周波数の影響が小さくなる原因についての検討結果も示す.