- 著者
-
市川 哲
三浦 敏弘
- 出版者
- 明治鍼灸大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1997
京都府中部に位置する船井郡6町(八木町、園部町、日吉町、丹波町、和知町、瑞穂町)の生涯スポーツ事業の行政評価と参加者による評価について調査を行った(「生涯スポーツ事業に関する行政担当者の意識」調査:平成9年度実施。「生涯スポーツの実施とその評価に関する住民意識調査」:平成10年度実施)。これらの調査とその分析によって得られたいくつかの知見には以下のようなものがある。1. 6町で生涯スポーツ事業として56事業が実施されていた。そのうち53事業が継続事業、2事業が新規事業、1事業が単年度事業であり、8割近い44事業が行政担当者により「問題がなかった」と評価されていた。2. 行政担当者はこれらの事業を行政評価する必要を自覚していたが、その客観的な評価基準をもっていなかった。3. したがって、行政評価は担当者の主観にゆだねられているが、こうした状況のもとでは、参加者や関係団体の声を聴くことがその客観性を保証していると考えられる。4. 生涯スポーツを(1)一人で行うスポーツ、(2)少人数で行うスポーツ、(3)地域の運動会、(4)町や体育振興会等が行う事業、の4種に区別したが、それらのスポーツに参加する住民は参加しない住民よりも生涯スポーツを地域づくりとの関係でとらえる傾向が強かった。5. 運動会参加者と事業参加者の90%以上がそれらのスポーツに満足しており、また80%以上がそれらのスポーツが近隣の人々との親睦を深める上で有効であると考えていた。