著者
井上 千鶴 原島 省 渡辺 正孝 池辺 八州彦 市川 哲彦 佐藤 浩史 藤代 一成
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.365-366, 1994-03-07

鞭毛藻などの数種の水生微生物の培養液の表面に、微生物を多く含む部分が筋状に垂れ下がることが知られている。Plattは、これをBenard型対流との相似性から生物対流と名付けた。この対流現象は、微生物の反重走性によって培養液に密度不安定が生じ、それが原因となって起こると考えられるため、生物系と非生物系との間の相互作用を扱っている点で非常にユニークである。80年代に著者の一部により、流体力学的アプローチによる生物対流の鉛直2次元数値シミュレーションが行なわれた。本研究の目的は、同様のアプローチに基づいた数値シミュレーションを3次元化し、さらに効果的な可視化によって現象を解析することにある。現在、この問題をとり上げる理由は大きく二点ある。一点は、この現象の同アプローチによる解析が2次元までしか行なわれていなかったこと、もう一点は、この現象がボリュームレイキャスティングと呼ばれるボリュームビジュアライゼーション手法によって効果的な可視化が可能となる典型的な例であることである。本稿では生物対流現象を概説したあと、可視化手法を紹介しその結果を考察する。そして最後にまとめと今後の展望を述べる。
著者
喜多村 晶子 竹島 由里子 市川 哲彦 藤代 一成 佐藤 浩史
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.261-262, 1994-03-07

本研究は、純粋な関数型算譜言語(pure FP)とデータベース(DB)の操作体系との統合を目的としている。関数型データベース算譜言語(DBPL)の研究・開発が行われる一方で、pure FPは種々の参照透過な入出力機構を備えてきた。従って、Nikhilに指摘されたような、順次実行制御機構の欠落に起因する更新操作記述の困難さは解消可能である。関数型のDBPLではDBは記号束縛の環境で与えられ、更新は記号束縛の変更/生成、または記億域に束 縛された変数への代入により行われる。一方、pure FPでは実行時にトップレベルの束縛環境変更はできないため、なんらかの形で変数操作に対応する操作体系を持ち込む必要がある。本研究では、関数型算譜言語Haskell上に、モナド(Monad)による順次実行制御と、多重定義関数によるDB操作体系の導入を行った。多重定義はクラス(class)機構によって制御されているが、言語仕様の若干の変更が必要であったため、Glasgow Haskell Compilerに手を加える形で、これを実現した。簡単な操作例を図に示す。これは"university" DB中の学生データを更新する例であり、findStudentは名前で学生データを検索するためのユーザ定義関数である。以下、想定したデータモデルの簡単な説明に続いて、モナドの利用とDB操作体系の実現について順に説明をし、最後にまとめを行う。
著者
市川 哲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.175, pp.45-50, 1996-07-24
参考文献数
6

非正格な関数型プログラミング言語Haskellを対象としたデータベース操作インターフェースの永続性モデルについて報告する。先行研究[3]では、状態遷移による参照透過なデータベース操作、クラス機構による永続性と例外処理の指定、内部版管理によるon-the-flyデータベースアクセス、といった特徴を有しているが、永続性モデルとしては型外延モデルを用いていたため、モデリング能力やプログラミングの面での柔軟性に欠けていた。そこで、本研究では、より柔軟な永続性モデルである到達可能性モデルの先に提案した手法への適用を試みた。提案手法では、永続変数は用いず、型によって永続ルートの識別をしており、これにより静的な型づけと参照透過性の維持を可能にしている。また、型クラスの機能を用いることにより、型外延モデルと同様の永続性管理が行なえると同時に、ビューに相当する永続ルートの利用も可能である。
著者
市川 哲 三浦 敏弘
出版者
明治鍼灸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

京都府中部に位置する船井郡6町(八木町、園部町、日吉町、丹波町、和知町、瑞穂町)の生涯スポーツ事業の行政評価と参加者による評価について調査を行った(「生涯スポーツ事業に関する行政担当者の意識」調査:平成9年度実施。「生涯スポーツの実施とその評価に関する住民意識調査」:平成10年度実施)。これらの調査とその分析によって得られたいくつかの知見には以下のようなものがある。1. 6町で生涯スポーツ事業として56事業が実施されていた。そのうち53事業が継続事業、2事業が新規事業、1事業が単年度事業であり、8割近い44事業が行政担当者により「問題がなかった」と評価されていた。2. 行政担当者はこれらの事業を行政評価する必要を自覚していたが、その客観的な評価基準をもっていなかった。3. したがって、行政評価は担当者の主観にゆだねられているが、こうした状況のもとでは、参加者や関係団体の声を聴くことがその客観性を保証していると考えられる。4. 生涯スポーツを(1)一人で行うスポーツ、(2)少人数で行うスポーツ、(3)地域の運動会、(4)町や体育振興会等が行う事業、の4種に区別したが、それらのスポーツに参加する住民は参加しない住民よりも生涯スポーツを地域づくりとの関係でとらえる傾向が強かった。5. 運動会参加者と事業参加者の90%以上がそれらのスポーツに満足しており、また80%以上がそれらのスポーツが近隣の人々との親睦を深める上で有効であると考えていた。
著者
市川 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.141, pp.107-114, 2001-06-21

離散フーリエ変換においては時間領域と周波数領域間での順逆変換対の演算の間にはDFT,IDFTによる1対1に対応した関係が理論的に確立されている。本論文では数値ラプラス変換法についてもこれを順逆変換対としてとらえ、その解析方法やいくつかの問題点についての再考を行う。