著者
佐々木 俊一郎 山根 承子 マルデワ グレグ 布施 匡章 藤本 和則
出版者
日本テスト学会
雑誌
日本テスト学会誌 (ISSN:18809618)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.57-71, 2022 (Released:2022-06-30)
参考文献数
19

本稿では、大学生を対象としたアンケート調査によるデータと大学から提供を受けた学生の学業データを紐づけることによってパネルデータを構築し、大学生の学業成績の規定因について分析した。固定効果モデルによる分析結果では、取得単位数は交友関係に正の影響を受けるが、学習姿勢から受ける影響は限定的であることが確認された。一方、履修科目の平均点は交友関係には負の影響を受けるが、意欲的な学習姿勢には正の影響を受けることが確認された。こうした結果は、履修科目の平均点は意欲的な学習姿勢に裏付けられているものの、取得単位数は必ずしもそうではないことを示唆しており、大学生の知識・技能の総量を正確に評価する場合には、取得単位数よりも平均点を使用する方がより適切であると考えられる。
著者
布施 匡章
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.114-117, 2015 (Released:2016-05-07)

本研究では,内閣府が実施した,神戸,名古屋,仙台の3都市アンケートデータを用いて,地域コミュニティの代理変数としてのソーシャル・キャピタルが,防災活動における自助・共助意識に与える影響について分析した.地域別,あるいは震災経験別による分析の結果,自助の防災意識は,ソーシャル・キャピタルだけでなく,年齢,学歴,年収等によって高まることが示唆されたが,共助の防災意識は,ソーシャル・キャピタルのみが影響し,特にネットワーク,互酬性の規範と呼ばれる地域行事や地域活動が影響する可能性があるとされた.また,震災を経験した住民は経験していない住民よりも,共助意識とソーシャル・キャピタルを高める活動との相関が高いことが分かった.地域行事や地域活動への参加を促す政策が,自助のみならず共助による防災につながると考える.
著者
布施 匡章 三松 孝嘉
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.101-109, 2018-07-31

[Abstract]本稿ではサービスデザインの考えを用いて,世界的な問題である食品ロスを減らす方法のひとつとして,コンビニエンスストアにおけるおにぎりの新しい販売方法を提案した。意識啓発や企業努力によらず,簡単な手法で実行可能である点が社会的な貢献である。約一週間の実店舗における販売実証実験の結果,おにぎりの食品ロスを大幅に減少することができたことに加えて,仕掛けを施していない棚への波及効果も確認した。また,実施に当たっての課題についてもまとめた。[Abstract] In this paper, as a method to reduce food loss, which is a worldwide problem, we proposed a new way to sell rice balls at convenience stores using the idea of service design. The fact that this can be executed with a simple method that is independent from raising awareness or the company’s efforts, is what contributes to society. As a result of sales demonstration experiments in real stores for about a week, in addition to being able to drastically reduce the food loss of rice balls, we also confirmed a ripple effect on the shelves that weren’t manipulated. We also summarized the issues we faced in implementing.
著者
布施 匡章 宗平 順己
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.29-32, 2015

クラウドコンピューティング等のIT技術の進展と、スマートデバイスやソーシャルメディア利用の広がりに伴って、企業では、ITシステムの管理・運用を外部委託し、IT部門にはITを活用したビジネス創造を求める風潮が強まっている。そこで必要なスキルが「顧客価値」の実現である。本稿では、サービスデザインの手法を適用したワークショップ形式のビジネス創造セミナーを通じて、参加者の意識とサービスデザイン手法の有用性、セミナー実施によって得られた知見等について報告する。