著者
渡辺 慶一郎 苗村 育郎 水田 一郎 佐々木 司 丸田 伯子 金子 稔 布施 泰子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

複数大学で一般的な学生を対象に,発達障害のスクリーニングである質問紙調査を実施した.質問紙にはAQ-J(Autism-Spectrum Quotient Japanese version)を中心に3種類を採用した.調査結果を発達障害学生のデータと比較し,カットオフ値を検討したところ,先行研究とは異なる結果であった.同様に複数大学の協力を得て一般的な大学生を対象に認知機能検査であるWAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence Scale 3rd)を実施した.この結果を,修学支援や就労支援を受けた発達障害学生と比較したところ,両者のプロフィールが異なることが示された.
著者
河野 美江 執行 三佳 武田 美輪子 折橋 洋介 大草 亘孝 川島 渉 布施 泰子
出版者
全国大学メンタルヘルス学会
雑誌
大学のメンタルヘルス (ISSN:24332615)
巻号頁・発行日
no.2, pp.82-89, 2018-10

近年、大学生の性暴力事件が報道されているが、実際は大学相談機関に被害者が相談に来ることは少なく、被害者が安心して支援を求められる体制整備は喫緊の課題である。今回我々は、大学における性暴力被害者に対する支援や性暴力に対する予防教育の必要性を明らかにすることを目的に、大学生における性暴力被害の実態と性暴力に関連する知識を調査し、性暴力被害経験と精神健康度との関連について検討した。 対象と方法:機縁法にて協力の得られた10大学20歳以上の大学生3,357人に無記名・自記式のアンケート調査を実施、有効回答の得られた643部を分析対象とした(回収率19.6%)。結果:レイプ未遂は7.8%(男子3.1%、女子9.7%)、レイプ既遂は2.6%(男子1.6%、女子3.1%)、何らかの性暴力被害経験は42.5%にあった。緊急避妊ピルについての知識は60.0%にあったものの、性暴力救援センターについては13.7%であった。また、性暴力被害経験のある学生のGHQ 得点は4.2±3.2点と被害経験のない学生に比べ有意に高く(p<0.001)、被害強度、被害重複数と弱い相関が認められ(p<0.001)、重度の被害ではメンタルヘルスに深刻な影響をもたらすことがわかった。 以上より、大学生に対して、性暴力に対する予防教育を行うと共に、大学の相談機関における性暴力被害者に対する支援方法の確立が急務と考えられた。