著者
平井 廣一
出版者
北海道大学經濟學部
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.80-99, 1999-01
著者
平井 廣一 足立 清人
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.103-113, 2018-06-14

近代日本経済史の分野では,明治初期の地租改正を契機に成立する地主的土地所有の歴史的性格をめぐって,地租を「近代的租税」と規定するか,あるいは絶対主義下の「半封建的貢租」とするかで見解が分かれている。また地主的土地所有についても,「近代的土地所有」であるか,あるいは「半封建的土地所有」と規定するかで見解の対立が見られる。本稿は,「半封建的土地所有論」が立論の根拠とする「近代的土地所有権の未成熟」論を,民法における土地法ないしは借地借家法の視点から再検討を加える。すなわち,「近代的土地所有権」がイギリスをモデルとして成立したことをもってその典型といえるのか,また「土地用益権の物権構成」は果たして近代的土地所有権が確立するための必須の条件なのかを法理論的に再検討する。
著者
平井 廣一
出版者
北星学園大学
雑誌
北星学園大学経済学部北星論集 (ISSN:02893398)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.89-100, 2002-09
著者
平井 廣一
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.91-108, 2010-03-11

満鉄は, 1906年の設立時に出された逓信・大蔵・外務の三大臣命令書によって, 鉄道や港湾, 炭鉱事業を経営するための事業用地や駅周辺の市街地を鉄道附属地として位置づけ, 土木(道路・上下水道等), 衛生(病院), 教育事業(初等・中等教育), さらには不動産事業を行なうことになった。 満鉄は, これらの附属地経営(地方経営ともよばれた)にかかわるインフラ整備に多額の投資を行ない, その総資産額は, 1937年に附属地が満鉄の手を離れて満州国に移管される際には, 本業の鉄道や炭鉱などを含んだ総額の20%を超えていた。 こうした巨額の投資に支えられた満鉄の附属地経営は, 事業としては当然のごとく赤字を生み出さざるを得ず, 唯一の黒字経営であった不動産事業も, 附属地経営全体の赤字を補填できるものではなかった。その赤字を埋め合わせ, しかも満鉄全体の収支を黒字化したのが鉄道事業だったのである。