著者
長谷川 修司 平原 徹
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.216-225, 2011-04-10 (Released:2011-04-19)
参考文献数
44
被引用文献数
2 1

By comparing topologically trivial materials (Au, Bi, graphene) and topological insulators (Bi1-xSbx, Bi2Se3), we discuss what the features unique to topological surface states are. The properties reported so far for topological insulators are all explained by Rashba effect due to strong spin-orbit interaction and break down of space-inversion symmetry at surfaces. Topological arguments are not needed. Spin-split surface states with spin-texture Fermi surfaces, however, are very attractive play grounds for exploring spin-flow physics.
著者
村上 修一 平原 徹 松田 巌
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.840-848, 2010-11-05
参考文献数
94
被引用文献数
1

トポロジカル絶縁体は量子スピンホール相とも呼ばれ,最近"新しい物質状態(a new state of matter)"として量子伝導,場の理論,表面物理などを中心に物性物理の研究分野全体に話題を提供している.この相は2次元及び3次元系で実現されるもので,バルクが非磁性絶縁体であるのに対して,そのエッジ状態(2次元の場合)や表面状態(3次元の場合)はギャップレスである.このエッジ/表面状態はスピン流を運び,しかもこのエッジ/表面状態は非磁性不純物等による散乱からトポロジカルに保護されているなど新奇な物性が理論的に提唱されているが,ごく最近になってその実験的観測が報告された.本記事ではトポロジカル絶縁体の理論を解説するとともに,最近の実験研究の話題を紹介する.
著者
長谷川 修司 平原 徹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

今まで我々は10年以上にわたって,マイクロ4端子プローブ法という新しい実験手法を開発し,それらを用いて表面・モノレイヤー(単原子層)の伝導物性の研究を展開してきた。本研究では,さらにその装置性能を向上させ、ミリケルビンの超低温(0.4K)および7Tまでの強磁場中でのマイクロ4端子プローブ測定を可能とし、モノレーヤー(単原子層)超伝導の探索やモノレーヤー磁気輸送の研究に発展させる。
著者
宮田 伸弘 松田 巌 守川 春雲 平原 徹 ダンジェロ マリー 長谷川 修司
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学講演大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.21-21, 2005

Si表面上のAgは、理想的な界面構造として基礎物理特性の研究が数多く進められてきた。しかしその中で、Si(111)表面に1/3原子層ほど吸着させたSi(111)-3x1/6x1-Ag表面はまだ十分な研究がされているとは言い難い。最近になって、この表面は100K以下の温度でc(12x2)相に相転移することが報告された。今発表では、このc(12x2)相の初めてのSTM観察の報告を行い、その実験結果から、3x1-6x1-c(12x2)相転移の機構に関する考察を行う。