著者
村上 修一 平原 徹 松田 巌
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.840-848, 2010-11-05
参考文献数
94
被引用文献数
1

トポロジカル絶縁体は量子スピンホール相とも呼ばれ,最近"新しい物質状態(a new state of matter)"として量子伝導,場の理論,表面物理などを中心に物性物理の研究分野全体に話題を提供している.この相は2次元及び3次元系で実現されるもので,バルクが非磁性絶縁体であるのに対して,そのエッジ状態(2次元の場合)や表面状態(3次元の場合)はギャップレスである.このエッジ/表面状態はスピン流を運び,しかもこのエッジ/表面状態は非磁性不純物等による散乱からトポロジカルに保護されているなど新奇な物性が理論的に提唱されているが,ごく最近になってその実験的観測が報告された.本記事ではトポロジカル絶縁体の理論を解説するとともに,最近の実験研究の話題を紹介する.
著者
久保田 雄也 荒木 実穂子 山本 達 宮脇 淳 藤澤 正美 原田 慈久 角田 匡清 和達 大樹 辛 埴 松田 巌 田口 宗孝 平田 靖透 保原 麗 山本 真吾 染谷 隆史 横山 優一 山本 航平 田久保 耕
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.1273, 2016

<p>SPring-8 BL07LSUにて分割型クロスアンジュレータと電磁石位相器を組み合わせ、唯一の軟X線高速連続偏光変調光源を実現した。さらにその光源を用いた軟X線領域における光学遅延変調法を世界で初めて開発した。この手法は磁性体の磁気円二色性(MCD)と旋光性を同時にかつ高精度に測定できる。本講演では新規光源と手法の詳細を述べると共に、それを用いた鉄系磁性体のMCD及び磁気光学カー効果(MOKE)測定の結果を報告する。</p>
著者
秋久保 一馬 山本 達 湯川 龍 ダンジェロ マリー 松田 巌
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学学術講演会要旨集
巻号頁・発行日
vol.34, 2014

SrTiO3(STO)は3.2eVの大きさのバンドギャップを持つ遷移金属酸化物半導体である。2次元電子ガスや超伝導など様々な物性が現れ、また金属/STO界面は光触媒などの実用的な観点からも詳細な研究が進められている。本研究では、X線光電子分光を用いて金属/STO界面の電子状態を調べた。金属吸着前後でバンド曲がりの様子が変化した。バンド構造の変化のメカニズムについて述べる。
著者
宮田 伸弘 松田 巌 守川 春雲 平原 徹 ダンジェロ マリー 長谷川 修司
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学講演大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.21-21, 2005

Si表面上のAgは、理想的な界面構造として基礎物理特性の研究が数多く進められてきた。しかしその中で、Si(111)表面に1/3原子層ほど吸着させたSi(111)-3x1/6x1-Ag表面はまだ十分な研究がされているとは言い難い。最近になって、この表面は100K以下の温度でc(12x2)相に相転移することが報告された。今発表では、このc(12x2)相の初めてのSTM観察の報告を行い、その実験結果から、3x1-6x1-c(12x2)相転移の機構に関する考察を行う。
著者
齋藤 孝晶 小谷野 憲一 松田 巌
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.474-478, 2003-02-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
23
被引用文献数
3 1

症例は12歳,男児.右下腹部痛を主訴に1996年5月30日当院外科外来を受診した.腹部US, CTで回盲部に3×5cmの腫瘤を認め, WBC 15, 300, CRP 10.1と高値であった.全麻下に腫大した虫垂とこれに癒着していた腫瘤状の大網を切除し, 7病日目に退院となった.しかしその翌日,発熱と下腹部痛のために再入院し, CTで左腸腰筋前面に膿瘍を認め,手術時の摘出標本の病理組織検査では大網の炎症性肉芽腫の中に放線菌のコロニーが認められた.以後放線菌症の診断にて保存的加療を行い軽快した.小児の腹部放線菌症は稀な疾患であるが,炎症を伴う腹部腫瘤の鑑別疾患として念頭に置くべきである.
著者
長谷川 修司 松田 巌
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

1. 極低温4探針型STM(グルーン関数STM)装置システムの開発・建設これは次のような性能を持つ:(a)超高真空中で稼動し、走査電子顕微鏡と結合して4探針の配置をナノメータスケールで観察できる。(b)試料および探針を7Kまで冷却でき、その温度を20時間維持できる。(c)それぞれの探針で原子分解能のSTM像観察が可能。(d)統合型コントローラによって1台のPCで4本の探針を有機的に駆動・制御できる。(e)多機能プリアンプによって、3つの測定モード(それぞれの探針による通常のSTM/STS測定モード、4探針法による電気伝導測定モード、および2探針によるトランスコンダクタンス(グリーン関数)測定モード)を切り替えできる。このような装置は世界的にみても類例が無い。2. カーボンナノチューブ探針の開発直径10nm程度の多層カーボンナノチューブを金属探針の先端に接続して、それ全体をPtIr被覆した導電性探針を開発することに成功した。これによって、探針間隔を最小で20nm程度まで小さくすることが可能となった。PtIrの代わりにパーマロイ(NiFe)の薄膜で被覆すると、強磁性体探針となることもわかった。3. 応用計測建設した装置を用いて、さまざまな計測に応用した。直径40nm程度のCoSi_2ナノワイヤの電気抵抗は、室温において、探針間隔が20nmで測定しても拡散伝導であることがわかった。Si(111)-4×1-In表面超構造の電気抵抗の温度依存性を測定した結果、In原子鎖の沿う方向とそれに垂直方向で伝導のメカニズムが異なることがわかった。
著者
奥田 太一 松田 巌 柿崎 明人 松田 巌 柿崎 明人
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

スピンを分離して電子状態を測定するスピン分解光電子分光法は従来のスピン分析法が非常に非効率であったため,測定に長時間かかるにも関わらずエネルギー、角度分解能を落として測定せざるを得なかった。そのためこれを用いた物質の磁性研究は必ずしも十分行えていなかった。本研究では新しく高効率のスピン分析器を開発し、その検出効率は従来の100倍に向上し、エネルギー角度分解能を格段に上げたスピン・角度分解光電子分光測定が可能となった。