著者
平尾 彰子 柴田 重信
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 = Microscopy (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.83-86, 2012-06-30
参考文献数
12

<p>我々の体内に存在する体内時計は約24時間の周期で毎日時を刻んでおり,体内時計は疾病の発症リズムや投薬治療に影響を与える.体内時計と薬の関係を調べる時間薬理学と同様に,体内時計と栄養・食の関係を調べる"時間栄養学"の重要性について解説した.栄養物の吸収・消化・代謝に関わる酵素のほとんどは体内時計の支配下にあるので,食事のタイミングで肥満が予防できうる.一方,規則正しい食餌のタイミングがマウスの時遺伝子発現リズムをリセットできた.食事の間隔では長い絶食後の給餌でインスリン上昇に伴って体内時計の食餌性のリセットが起こることを見出した.また,食事内容では消化しやすいデンプンの重要性を見出した.現代人の抱える病気の多くが,食事療法を必要としているのが現状であるため,我々はより,臨床応用が可能なモデルマウス作りを目指している.体内時計にやさしい食事パターンが健康維持,改善に役立つと考えている.</p>
著者
柴田 重信 平尾 彰子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.137, no.3, pp.110-114, 2011-03-01
参考文献数
14
被引用文献数
1

哺乳類の体内時計遺伝子<I>Clock</I>,<I>Per1</I>が発見されて以来,体内時計の発振,同調,出力の分子機構が明らかになってきた.時計遺伝子発現は生体の至る所で見られ,視交差上核を主時計,視交差上核以外の脳に発現する時計を脳時計とよび,肝臓や肺,消化器官などに発現する時計を末梢時計と呼ぶようになった.これらの事実は,生体の働きに時間情報が深く関わっている可能性を強く示唆するものである.種々の疾病の症状には日内リズムが見られ,たとえば喘息の症状は朝方悪化しやすく,虚血性心疾患は早朝から午前中にかけて起こりやすいことも知られている.また,コレステロールの合成酵素のHMG-CoA reductaseの活性は夜間に高まることから,スタチン系の薬物は夕方処方が推奨されている.このように,疾病治療における薬の作用を効果的にするために,発症時刻に合わせて,薬を与えるというような治療法が考案されてきた.いわゆる時間薬理学という学問領域である.一方で,最近時間栄養学の研究領域が台頭してきた.食物や栄養などの吸収や働きを考えると,栄養の摂取時刻により,栄養の働きが異なる可能性が考えられる.実際,同じ食物でも夜間に食べると太りやすいと言われており,これはエネルギー代謝に日内リズムがあることに起因する.また,薬物の吸収,分布,代謝,排泄に体内時計が関わるように,栄養の吸収,代謝などには体内時計が深く関わる可能性がある.体内時計の同調刺激に規則正しい食生活リズムが重要であることが指摘されて以来,同調刺激になりやすい機能性食品の開発が試みられている.このことは,たとえばメタボリックシンドロームの治療や予防に,時間薬理と時間栄養の両学問の知識や研究成果の集約が,効果的である可能性を示唆する.
著者
平尾 彰子
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2013

制度:新 ; 報告番号:甲3941号 ; 学位の種類:博士(理学) ; 授与年月日:2013/3/15 ; 主論文の冊数:1 ; 早大学位記番号:新6313
著者
田原 優 平尾 彰子 坪井 琢磨 田中 麻貴 吉田 晶子 柴田 重信
出版者
日本生理学会
雑誌
日本生理学会大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.90, 2008

Glycine is now used as a chemical for promotion of sleep in humans. It has been demonstrated that glycine administration up to 2g/kg causes the increase of NREM sleep in sleep disturbed rat and hypothermia (0.6 C decrease) in rat. The administration of benzodiazepine not only caused the sleep but affected the circadian rhythm; it blocked the light-induced phase advance of activity rhythm and elevation of Per1 gene expression in the suprachiasmatic nucleus (SCN) in hamsters. In the present experiment, we examined the possibility whether glycine affect light-induced phase shift and c-fos expression in the SCN and retina of mice. Glycine dose-dependently decreased the body temperature of mice (1C decrease with 2 g/kg). After extended light exposure for 2 hrs in the night under LD cycle mouse was kept under constant dark condition. Glycine (0.5-2 g/kg) pretreatment before light exposure dose-dependently attenuated light-induced phase delay. Glycine (2g/kg) pretreatment slightly attenuated light-induced increase of Fos immunoreactivity in the mouse SCN. Further experiment should elucidate whether glycine administration itself causes the phase shift or not. The present results suggest that high dose of glycine may attenuate the light-induced phase shift of circadian clock. <b>[J Physiol Sci. 2008;58 Suppl:S90]</b>
著者
平尾 彰子 田原 優 井筒 裕之 本間 さと 本間 研一 柴田 重信
出版者
日本生理学会
雑誌
日本生理学会大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.198, 2008

Daily restricted feeding (RF) with fixed time during daytime causes an advance of circadian rhythm of mouse liver clock gene expression. However, the mechanism of entrainment signal is poorly understood. Here, we examine whether daily administration of various type of nutrition caused entrainment of liver clock gene expression rhythm using Bmal1-luciferase transgenic mouse. Circadian rhythm change of liver bioluminescence was recorded through Lumicycle after 1-6 days of administration of various nutrients. We administered the corn carbon dehydrate, egg albumin or soybean oil after adjustment of each calorie. Among these nutrients soybean oil has most strong effect on phase-shift of gene expression rhythm. Administration of glucose through oral or intraperitoneal caused the phase advance, however the value of change was small. Thus, slow supply of calorie may be important to cause phase shift. We still examine the other nutrients such as amino acids, dextrin and sugar. We also try to find the effect of combination of nutrients on phase-shift of liver clock. <b>[J Physiol Sci. 2008;58 Suppl:S198]</b>
著者
柴田 重信 平尾 彰子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.137, no.3, pp.110-114, 2011 (Released:2011-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

哺乳類の体内時計遺伝子Clock,Per1が発見されて以来,体内時計の発振,同調,出力の分子機構が明らかになってきた.時計遺伝子発現は生体の至る所で見られ,視交差上核を主時計,視交差上核以外の脳に発現する時計を脳時計とよび,肝臓や肺,消化器官などに発現する時計を末梢時計と呼ぶようになった.これらの事実は,生体の働きに時間情報が深く関わっている可能性を強く示唆するものである.種々の疾病の症状には日内リズムが見られ,たとえば喘息の症状は朝方悪化しやすく,虚血性心疾患は早朝から午前中にかけて起こりやすいことも知られている.また,コレステロールの合成酵素のHMG-CoA reductaseの活性は夜間に高まることから,スタチン系の薬物は夕方処方が推奨されている.このように,疾病治療における薬の作用を効果的にするために,発症時刻に合わせて,薬を与えるというような治療法が考案されてきた.いわゆる時間薬理学という学問領域である.一方で,最近時間栄養学の研究領域が台頭してきた.食物や栄養などの吸収や働きを考えると,栄養の摂取時刻により,栄養の働きが異なる可能性が考えられる.実際,同じ食物でも夜間に食べると太りやすいと言われており,これはエネルギー代謝に日内リズムがあることに起因する.また,薬物の吸収,分布,代謝,排泄に体内時計が関わるように,栄養の吸収,代謝などには体内時計が深く関わる可能性がある.体内時計の同調刺激に規則正しい食生活リズムが重要であることが指摘されて以来,同調刺激になりやすい機能性食品の開発が試みられている.このことは,たとえばメタボリックシンドロームの治療や予防に,時間薬理と時間栄養の両学問の知識や研究成果の集約が,効果的である可能性を示唆する.
著者
平尾 彰子
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2013-02

制度:新 ; 報告番号:甲3941号 ; 学位の種類:博士(理学) ; 授与年月日:2013/3/15 ; 主論文の冊数:1 ; 早大学位記番号:新6313