著者
水野 直樹 藤永 壮 宮本 正明 河 かおる 松田 利彦 LEE Sung Yup 庵逧 由香 洪 宗郁 金 慶南
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日中戦争・アジア太平洋戦争期の植民地朝鮮の政治や社会・文化を理解するために必要な資料を国内外の図書館・文書館で調査・収集し、そのうち重要と認められる資料を選んでWEB上の資料集を作成した。これらのほとんどは、文書資料として残されているだけで、印刷されることがなかったため、一般市民のみならず研究者も閲覧・利用に不便をきたしていたものである。WEB上の資料集は、今後の歴史研究に利用でき、また広く歴史認識の共有にも役立つものとなっている。また植民地期とその直後に朝鮮に在住していた日本人の回想記・手記類についても、目次・著者略歴などのデータを整理してWEB上で提供することとした。
著者
庵逧 由香
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

朝鮮の「総動員体制」は、日本のそれの一部として構想・準備・構築された。朝鮮の「総動員体制」の運営は、一連の総動員計画に基づいて、体系化された動員関連法と、個々の朝鮮人を末端に組み込む動員機構を通じて実施された。朝鮮においては、被支配民族から「自発的」な戦争協力を引き出すために、朝鮮人の「皇国臣民化」が大きな課題とならざるをえなかった。しかし「体制」自体が日本の戦争遂行を排他的究極目標としていたため、その運営は戦況に大きく左右され、最終的には戦局の行き詰まりによって計画さえも破綻し、崩壊に至った。