著者
石川 裕一 宮城 匡彦 松本 知子 渡邊 奈津子 東條 靖 廣井 直樹 久保木 幸司 芳野 原 坪田 貴也 吉原 克則
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.10, pp.2552-2554, 2008-10-10
参考文献数
4
被引用文献数
1

34歳,女性,7月に起立困難で入院.心エコーにて著明な右心不全を認め,急激に呼吸状態の増悪を来たした.スワンガンツカテーテルにて全身血管抵抗低下を伴った高心拍出性心不全の所見を呈し衝心脚気と診断.フルスルチアミン投与したところ24時間以内に循環動態の改善が認められた.衝心脚気の原因として本人が2月から始めた健康食品ダイエットが原因と考えられた.現在では稀な疾患ではあるが,短期間で重症化し致命的な経過を辿る事がある為,注意が必要であると考える.<br>
著者
廣井 直樹 宮崎 保匡 寺井 秀樹 中島 早苗 斉藤 早代子 金子 幸代 山室 渡 比嘉 眞理子
出版者
東邦大学
雑誌
東邦醫學會雜誌 (ISSN:00408670)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.341-346, 2005-09-01
参考文献数
11

食欲不振・嘔吐・嘔気を主訴に入院した70歳の女性。心拍数は72回/分・整であり,動悸や手指振戦はみられなかった。入院後も自覚症状は改善せず,徐々に気力の減退が著明となり食事摂取不能・全身の疼痛も出現した。TSH 0.1μIU/ml以下,FT3 20.0pg/ml以上,FT4 12.0ng/dl以上,TRAb 5.6IU/Lでありバセドウ病による無欲性甲状腺機能亢進症と診断した。Thiamazol 30mg/dayにて内服治療を開始したが精神症状の改善はみられず,さらに抗精神病薬を開始するが内服すら不可能な状況となった。高Ca血症を認めたため血清Caの補正を行ったところ,血清Caの低下に伴いうつ症状は改善した。本症例では一般的な甲状腺機能亢進症患者にみられるようなイライラや不眠,振戦,動悸や頻脈などの活動性亢進に伴う種々の症状は認めなかった。高齢者の場合,食欲不振や嘔気・嘔吐,無動,抑うつ傾向など比較的衰弱した印象が前面に出ることがあり,このような病態を無欲性甲状腺機能亢進症と呼ぶ。バセドウ病における精神症状発症の原因はいまだ明らかではないが,高Ca血症が影響しているとの報告もある。今回われわれは高Ca血症がうつ症状の進展に関与したと思われる無欲性甲状腺機能亢進症の1例を経験したので報告する。
著者
石川 裕一 宮城 匡彦 松本 知子 渡邊 奈津子 東條 靖 廣井 直樹 久保木 幸司 芳野 原 坪田 貴也 吉原 克則
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.10, pp.2552-2554, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1

34歳,女性,7月に起立困難で入院.心エコーにて著明な右心不全を認め,急激に呼吸状態の増悪を来たした.スワンガンツカテーテルにて全身血管抵抗低下を伴った高心拍出性心不全の所見を呈し衝心脚気と診断.フルスルチアミン投与したところ24時間以内に循環動態の改善が認められた.衝心脚気の原因として本人が2月から始めた健康食品ダイエットが原因と考えられた.現在では稀な疾患ではあるが,短期間で重症化し致命的な経過を辿る事がある為,注意が必要であると考える.