- 著者
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長谷川 孝子
中島 早苗
沼沢 忠祐
- 出版者
- 名古屋文理大学短期大学部
- 雑誌
- 名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, pp.1-6, 1989-04-01
パンの副材料の配合差が及ぼす影響を調製パン5種と市販食パン1種についてレオメーターによる弾性率,応力緩和率の物性値と水分量及び水分活性を測定し,パンにおける物性値と水分の関係を明らかにした.1)調製パンの水分量は45.8〜48.4%の範囲で,生地中の水分量の高いパンでは焙焼後のパンの水分量も高かった.2)パンの水分活性は市販食パン及び乳化剤添加のパンでは0.905〜0.920と低く,砂糖半分量のもの,バターの入っていない水分量の多いパンの水分活性が高かった.3)パンの応力緩和率は乳化剤,バターの入ったパン及び市販食パンは高く,脱脂粉乳,バターの入っていないパンは低かった.4)パンの弾性率は乳化剤,バターの入ったパンは高く,脱脂粉乳,バターの入っていないパンは低かった.5)パンの水分量と水分活性と物性の関係では水分量と応力緩和率と弾性値に有意の相関があり水分量の高いパンは応力緩和率が低く,ねばりのあるパンであり,さらに弾性率も低く柔らかいパンである.一方水分量の少ないパンはバサバサし砕けやすく,かたいパンであることがみとめられた.終わりに本研究はエリザベス・アーノルド富士財団の研究費助成によった.また本研究に対し,ご好意を賜わったフジパン株式会社ならびに同財団及びご指導頂いた諸先生に深く感謝の意を表します.