著者
宮崎 百代 小林 憲太郎 山本 真貴子 松田 航 廣瀬 恵佳 植村 樹 佐々木 亮 木村 昭夫
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.392-395, 2020-12-28 (Released:2020-12-28)
参考文献数
7

脂肪吸引術は, 体形の美容的改善を目的とした保険外診療である。手術は全身麻酔下で小さな切開孔から盲目的に広範囲の脂肪吸引を行う。外来手術で行われる症例が多いが, 時に術後当日に救急搬送を要する患者が発生し, 救急部門でその合併症治療に迫られることがある。今回われわれは, そのような患者の実態調査と他院保険外診療による合併症患者の診療請求のあり方を後方視的に検討した。2年半の間に該当症例は4症例であり, 全患者が入院診療を必要とした。半数は輸血を要するほどの貧血を呈していた。また併発した合併症に対し手術療法が必要となった症例もあった。当院当科では, 事務部門と協議し, 東京保険医協会のコメントをもとに保険診療としたが, 診療費は多額になる症例もあり, 保険診療とすることで公的医療費の負担が増すことを考えると, 手術した施設に支払いを請求するなど他の対策も講じる必要がある。
著者
廣瀬 恵 増山 素道 堀部 達也 岩本 卓水 廣瀬 昇 猪飼 哲夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.BbPI2125, 2011

【目的】<BR> 今回対象となった脳動静脈奇形(以下、AVM)による広範な右脳内出血患者は、重度意識障害と著明な四肢の痙縮、さらに妊娠(妊娠28週)が合併していることから様々な制限を受け、痙縮コントロールに難渋した。そこで、術前、全身麻酔下、及び術後鎮静期間、立位訓練開始時にわたり痙縮評価を実施し、本症例を通じて、痙縮コントロールの治療手段を検討し、臨床推論モデルの一助となるシングルケーススタディーとして報告する。<BR>【対象】<BR> 脳動静脈奇形による脳内出血発症の女性患者(発症時正常妊娠28週)。<BR>搬送時Japan coma scale(以下JCS)は200、瞳孔散大でCT上右前頭頭頂部に7センチ前後の血腫を認めた。入院当日にAVM摘出術、血腫除去術、外減圧手術施行した。<BR>【説明と同意】<BR>ヘルシンキ宣言に基づき、患者および家人に対し、症例報告する旨を十分に説明し、同意を得た。<BR>【理学療法経過】<BR> 第2病日目より、理学療法開始。初期評価時JCSは30、右上肢にわずかな随意運動を認めるが、除皮質硬直様姿勢を呈していた。Modified Ashworth scale(以下MAS)は、右上下肢3~4、左上下肢 3、足関節背屈可動域は右-50°左-40°で両側の重度内反尖足位を示していた。故に、可動域改善を目的とした早期介入を実施。脳浮腫最大期(第7病日目)は四肢浮腫が著明に出現。看護治療計画にも体位交換毎の可動域訓練とポジショニングを試みるが、右上下肢優位の痙縮は改善されなかった。右足趾には持続的不随意運動も観察されるが、MAS 4と著明な痙縮が持続される。第16病日、JCS I-10、時に瞬きなどでコミュニケーションが可能、バイタルサインが安定したため、車椅子訓練開始。右足部をフットレストに載せることが難しく、内反尖足改善のアプローチは困難な状況であった。第30病日、帝王切開及び残存異常血管摘出術施行。術前評価は、足関節背屈可動域が右-50°、左-40°、両上下肢MAS 3~4であったが、術前徒手矯正時は右-45°左-30°MASは3であった。理学療法士が開頭術中マニピュレーションを実施し、筋弛緩剤を併用する全身麻酔(TIVA)下ではMAS 1、足関節背屈可動域は右-30°左-20°で腓腹筋筋短縮の関節拘縮傾向が認められた。さらに、術中最大背屈位を参考とし、ナイトブレースを目的としたシーネによる装具作成をした。しかし、手術直後のドルミカム、プレセデックスの沈静のみでは強い痙縮が出現し、内反尖足位を認めた。第31病日、前足部に発赤、水疱形成が認められた為、シーネ固定を抜去し床上での可動域訓練・ポジショニング訓練を徹底した。第36病日、水疱除圧・足位修正のため足底板を作成し、車椅子訓練再開。第40病日、足関節背屈可動域は、右-50、左-35、坐位での下肢荷重が開始後、わずかに可動域改善が確認された。第52病日、徐々に座位から立位訓練へ理学療法プログラムを進め装具検討会を実施した。装具は立位訓練の効率化を目的としたもので、支柱付き前開きの短下肢装具を左右に作製予定であったが、転院の運びとなり作成を転院先に申し送った。現在は左SLB+四点杖で監視歩行が可能となっている。<BR>【考察】<BR> 本症例は、脳圧亢進と錐体路障害による重度な痙縮が早期より出現し、切迫流産を回避するため、立位訓練などの自重を利用した積極的な足関節可動域のアプローチが実施できず、徒手的な関節可動域訓練とポジショニングのみを継続したため、足関節可動域維持、改善に難渋したケースであった。臨床所見経過では、MAS・足関節可動域に画期的変化はみられず、痙縮治療のガイドラインから認められるような、持続的伸張法としてとらえるポジショニングや、装具療法を目的としたシーネ固定も、本症例のような強い痙縮筋に対して、効果を持続することは難しく、痙縮の持続的コントロールについては、あまり望ましい治療効果が得られなかった。<BR> 本症例において、MASと足関節可動域の変化として、最も痙縮に対し治療効果が認められたのは全身麻酔下(TIVA)であり、ドルミカム、プレセデックスなどの沈静中も痙縮が増強する臨床所見から、沈静ではなく筋弛緩剤の効果は確実であったと考えられる。<BR> 近年、筋弛緩薬に対する痙縮のコントロールには否定的な報告もあるが、筋緊張緩解に関して、服薬状況と理学療法の併用が痙縮コントロールにおいて治療効果が高いことを推察させた。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 理学療法実施と並行して投薬による筋緊張コントロールは、関連身体症状への汎化も含め理学療法プランを円滑に進める手段として有効であり、重症症例に対する筋緊張亢進のメカニズムの推論と筋弛緩剤の薬理作用に対する検討が、筋緊張亢進に伴う障害の改善を目的とした理学療法施行に重要であると考えられた。
著者
城戸 克己 廣瀬 恵美 片岡 裕美 増田 寿伸 田鶴谷(村山) 惠子
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.68-76, 2019 (Released:2019-04-26)
参考文献数
18

Many crude drug products elicit a bitter taste, because there are a variety of bitter components in them. However, there are no good methods of masking their bitter taste. Therefore, new masking methods are widely required. As a general method to administer crude drug products to patients, they are dissolved in hot water or mixed in food or juice. However, there is a risk that patients may not want to eat the food if the crude drug products alter the taste of the food. In this study, we conducted a sensory evaluation including a questionnaire in order to examine the improvement effect on swallowing a crude drug product in food. The screening tests were carried out to reveal what kinds of foods could improve the taste and texture of the crude drug product by mixing them with 30 kinds of foods. In the screening test, a statistically significant effect was observed on masking bitter taste. Based on this screening test, the bitterness masking tests were carried out with 6 kinds of foods. As a result, a commercially available swallowing aid jelly, vanilla ice cream, chocolate ice cream, condensed milk, peanut cream, and seaweed tsukudani significantly reduced the bitterness of the crude drug product. The tastes of these foods are strong, so it is necessary for patients with sugar and salinity limitations to consider the usage of these foods. These foods are relatively inexpensive and easy to obtain. Therefore, they might be useful for patients to take medicines such as bitter crude drug products following the instructions of a physician.
著者
廣瀬 恵子 金山 彰宏
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衞生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, 1994-06-15
被引用文献数
1