著者
廣瀬 正幸 平川 昭彦 丹羽 若菜 東口 貴彦 田島 康介 加藤 貴大 山田 成樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.141, no.12, pp.1389-1392, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
13
被引用文献数
4

We discuss the current status of, and possible countermeasures for, acute drug poisoning among adolescents using OTC drugs. In the last 10 years, 36 patients aged <20 years who overdosed on OTC drugs were examined for the type of drug ingested, its active ingredients in cases of lethal dose intake, and the relevant place of purchase. Patients aged <20 years accounted for 30% of all the cases. The ingestion of multi-ingredient common-cold medication was the highest at 23%, and no ingestion of any first-class OTC drugs was observed. Caffeine accounted for 54% of the cases of lethal dose intake. At 80%, the most common method of drug purchase was from drugstores and other OTC vendors. In recent years, the number of adolescents patients who take lethal doses of OTC drugs has been increasing, and new measures are needed to avoid such cases. School pharmacists and vendors play a major role in reducing the incidences of drug poisoning. As drugs can be easily purchased over the counter, increasing the vendors' awareness of the problem throughout society may be the quickest way to reduce the incidences of acute drug poisoning among adolescents.
著者
廣瀬 正幸 平川 昭彦 中野 裕子 田島 康介 山田 成樹
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.702-706, 2020-10-31 (Released:2020-10-31)
参考文献数
17

目的:一般用医薬品による急性薬物中毒の現状と地域の薬剤師や薬局の問題点を検討する。方法:過去8年間に一般用医薬品を過量服薬した86例を対象に,年齢・性別,製剤の種類,患者数の推移,致死量摂取例の成分について検討した。また,販売者である地域の薬剤師50 名にアンケート調査を行い,薬剤師や薬局の問題点について調査した。結果:患者数の割合は年々増加傾向であり,総合感冒薬の摂取が29%ともっとも多く,致死量に達した成分別ではカフェインが46%であった。アンケート調査では「流行している中毒やその対応方法などの情報を入手する機会がない」と回答した薬剤師は78%であった。結論:一般用医薬品による薬物中毒患者は増加傾向であり,さまざまな対策が必要である。救急常駐薬剤師と地域の薬剤師との連携は,過量服薬の防止につながると考えられ,中毒患者への対応・対策が病院の救急領域だけでなく,地域社会にも広がることを期待したい。
著者
廣瀬 正幸 棚村 壽三 山本 健 光田 恵
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-7, 2016 (Released:2018-01-10)
参考文献数
8

食品を用いた官能評価のパネルを選定するための味の識別試験の呈味物質濃度に関しては、約40年前から研究がなされているが、約40年前から食の多様化による変化によって、若者の味覚が変化している可能性がある。そこで、本研究では、既往の研究濃度を参考に、三点識別試験法を用いて大学生の味の識別能について検討を行った。得られた知見は以下のとおりである。1)味の検知率は、甘味が47.9%、塩味が98.6%、酸味が47.9%、苦味が49.3%、うま味が91.8%であった。味の認知率は、甘味が39.7%、塩味が68.5%、酸味が34.2%、苦味が35.6%、うま味が60.3%であった。2)既往の配偶法と今回の三点識別試験法の認知率を比較すると、塩味とうま味はほぼ同じ値であったが、甘味や酸味、苦味は三点識別試験法の方が約20~30%程度低い値であった。
著者
廣瀬 正幸 田島 康介 平川 昭彦 山田 成樹
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.939-944, 2020-08-25

緒言:高齢者に対するアセトアミノフェンの安全性を評価するため,本剤を投与した大腿骨近位部骨折患者250例を対象に,患者背景や1日投与量などから肝酵素上昇の発現頻度とそのリスク因子を検討した. 結果:97例(39%)が正常値上限以上の肝酵素上昇を認めた.しかしながら肝酵素上昇群と非上昇群との間で,患者背景に明らかな差は認められなかった. まとめ:高齢者に対する肝酵素上昇は,過去の一般成人での報告より高頻度に認められたものの,これを予測する事は困難であると考えられた.長期処方時はとくに留意されるべきである.