著者
廣田 啓一 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.823-828, 2005-10-01
被引用文献数
8

近年, 個人によるコンテンツの不正利用として, 音楽や映画などのネット上での交換, 雑誌やコミック, アイドルの写真集などのインターネット上への無断公開など, 著作権を侵害する行為がカジュアル化し, 大きな問題となっている.本稿では, コンテンツ流通における不正利用防止技術の現状, 技術的な課題, 将来展望について解説する.
著者
正木 彰伍 五十嵐 大 菊池 亮 齋藤 恆和 千田 浩司 廣田 啓一
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21888655)
巻号頁・発行日
vol.2015-CSEC-69, no.28, pp.1-6, 2015-05-14

パーソナルデータの安全な利活用には,データの安全性と有用性の両立が必要である.安全性については代表的な k-匿名性や,k-匿名性を確率的な指標に拡張した Pk-匿名性が提案されるなど,匿名化技術が広く研究されている.一方で,匿名化データの有用性についての議論は未だ限定的である.特に,レコード数などのデータの特徴と有用性の関係性を明らかにすることは,実用上非常に有益である.しかし,これまで行われてきた,ウェブ上で公開されている実データなどを用いた実験では,用いるデータの特徴が限定的になり,議論が困難となっていた.そこで本稿では,多くのデータを包含する一般的な模擬データモデルを利用した評価法を提案し,この模擬データに,Pk-匿名化を適用した実験を行う.さらに実験結果から,有用性と模擬データモデルのパラメーターの関係について調べ,特定のパラメーターから有用性を予測できることがわかった.
著者
佐藤 亮太 廣田 啓一 山本 太郎 谷本 茂明 塩野入 理 金井 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.140, pp.87-94, 2007-07-12

インターネット社会における匿名性に関する問題の一解決策として,我々は分散アイデンティティエスクロー(DECIDE : DECentralized IDentity Escrow)を提案している.DECIDEは,ユーザの匿名性を担保する管理者が複数存在する仕組みで,一定数以上の管理者が合意するとユーザの匿名性がユーザ間や管理者に対して剥奪される特徴をもつ.本稿では,この仕組みの適用先として,匿名性に由来する誹謗中傷などの問題が多発している電子掲示板に着目し,掲示板上でのユーザの振る舞いについてモデル化を行い,シミュレーション実験やその検証,補足をする被験者実験の結果を示すことで,インターネット社会における匿名のあり方についての基礎的な検討を行う.

1 0 0 0 F値

著者
廣田 啓一 佐々木 裕
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, 2000-06-15
著者
佐々木 裕 磯崎 秀樹 平 博順 廣田 啓一 賀沢 秀人 平尾 努 中島 浩之 加藤 恒昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.401, pp.17-24, 2000-10-20
被引用文献数
16

本稿では, いくつかの質問応答システムを独立に作成し, 50問の質問文に対する性能評価を行なった結果を報告する.質問応答システムは1999年のTREC-8のQAタスクの開催以降注目を集めており, 次のような点で従来の情報検索や情報抽出と異なっている.従来の情報検索では, 質問に対する答えを文書の単位で列挙していたが, 質問応答システムは質問の答えを記述した部分を返す.また, 従来の情報抽出は対象分野と抽出項目があらかじめ限定されていたが, 質問応答では, 抽出する項目が質問文により自由に決まる点で異なっている.本稿は, 今後の質問応答システム研究の参考とするため, 日本語QAシステムの性能のベースラインを探るとともに, 日本語QAシステムの比較・評価法を紹介するものである.