- 著者
-
吉田 拓也
彌冨 仁
- 出版者
- 日本知能情報ファジィ学会
- 雑誌
- 日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第31回ファジィシステムシンポジウム
- 巻号頁・発行日
- pp.379-382, 2015 (Released:2016-02-26)
メラノーマは悪性度の高い皮膚癌であり,見た目が母斑に酷似していることから,熟練した専門医でも診断精度は75~84%にとどまる.こうした背景から,メラノーマの自動診断に関する研究が進められてきたが,識別のために有効な特徴量を設計・抽出すること,及びその前処理となる腫瘍領域の抽出は非常に困難な処理である.本研究では深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)と呼ばれる機械学習手法を採用することで,特徴量の抽出を学習の一環で行い,腫瘍領域の抽出処理を不要とした.319例の症例(良性244例,悪性75例)を用いて構築され,効果的な学習が行えるように工夫されたDCNNによるメラノーマ識別器は,5-分割交差検定において感度82.8%,特異度90.4%を達成した.