著者
村山 英晶 影山 和郎 成瀬 央 島田 明佳
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.883-886, 2002-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
6

構造の状態を正確に把握することができれば,構造物の安全性を保証することが可能になる.さまざまな環境下で使用される実構造物のひずみや振動をモニタリングするためには,正確な測定ができるだけではなく,耐久性にも優れたセンサーが必要となる.酎久性に優れる光ファイバーセンサーは,近年,発展が著しく,既存のセンサーにはない優れた特駐を兼ね備えている.本稿では,世界的なヨットレースに出場した笈さ25mの競技用ヨットに光ファイバーを張り巡らせ,船体のひずみを測定した結果を示す.これにより,船体が設計どおりの剛性をもつことが確認され,また経時的な剛性の変化を評価することが可能となった.
著者
高橋 淳 影山 和郎 金田 重裕 大澤 勇
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

プラスチックス製(ポリエステル等)の柔軟なシートまたは袋による海上輸送技術(シール材またはコンテナとしての利用)が、低コストで低環境負荷型な輸送手段として注目されている。本研究では、このウォーターバッグに関して、疲労メカニズム解明と損傷(すなわち内容物流出のリアルタイム)検知システム開発の2つの検討を行った。すなわち、まず、ウォーターバッグの損傷の主要因と考えられている(内容物輸送後の)リールへの巻き取り時等における疲労損傷発生に関し、室内実験として「巻き取り模擬試験」を行い、それに基づき「損傷発生メカニズム解明」ならびに「疲労プロセス解明」を行った。この際に、万能試験機制御装置を導入し、既存設備である万能試験機(島津UH-500KNI)を本研究用途に改造してデータの収集を行った。その結果に基づき、繰り返しによる疲労損傷プロセスの解明が行なわれ、より長寿命で信頼性の高いウォーターバッグ設計への提言を行うと共に、モニタリングによる損傷検出のための方針を策定した。一方、上記の検討を通して明らかとなった損傷の形態や大きさの情報をもとに、過剰な設計を避けて最適なライフサイクルコストを実現することを目的として、ウォーターバッグ内外の電位差変化に着目した低コストな損傷検知システムの開発を行った。具体的には、「巻き取り模擬試験」のデータと考察をふまえた実際の損傷形態と大きさにもとづき、電位差変化により損傷の有無と場所を検知するための理論構築を行い、検知システムを開発した。
著者
村山 英晶 影山 和郎 成瀬 央 島田 明佳 鵜沢 潔
出版者
日本複合材料学会
雑誌
日本複合材料学会誌 (ISSN:03852563)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.176-188, 2002-09-15 (Released:2009-08-11)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

The purpose of structural health monitoring (SHM) is to lead a structure to be safer at a lower cost. In SHM, it is important to evaluate the actual state of the structure. Recently, fiber-optic sensors have been developed actively, and one can measure nearly all of the physical measurands of interest by them. Since they also have excellent characteristics such as high sensitivity, immunity from electromagnetic interference, good mechanical characteristics and distributed configuration, they have been applied to “smart structures.” Capability of quasi or fully distributed sensing is especially the significant advantage compared to conventional sensors. We have applied the fiberoptic distributed sensors to SHM in the field and we developed the integrated systems with the fiberoptic sensors and CAD/CAE for two large composite structures. These systems could give us useful information on the structural state, such as deformation and temperature during/after manufacture.
著者
影山 和郎 村山 英晶 大澤 勇 鵜沢 潔 村山 英晶 大澤 勇 鵜沢 潔
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は潮流発電用複合材料製タービンブレードの実現を目標に、高せん断強度を持つ複合材料・構造の研究、複合材料ブレードのスマートストラクチャー化の研究、複合材料ブレードの成形技術の研究をすすめ、スケールモデルの評価試験を実施し、その結果から、日本近海への設置が検討されている潮流発電設備に適用可能な大型・実大タービンブレードを複合材料にて製造するための設計技術、製造技術について検討・評価し、その成立性と技術課題を明らかにした。