著者
長沼 宏 小河原 忠彦 後藤 振一郎 松本 由朗 須田 耕一 茂垣 雅俊 鈴木 範美
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.509-514, 1990

イレウスの原因となった胆石が,きわめてまれな性状であった症例について,胆石の形成過程を考察し報告する. 症例は78歳女性. 突然の悪心, 嘔吐に続いてイレウス状態となり緊急に開腹したところ,4.5×3×3cmの胆石塊による回腸の閉塞で,胆嚢十二指腸瘻から消化管に逸脱したものであった. この胆石塊は直径1~1.5cm の混合石10個が胆石構成成分と同様の成分物質で接合され,gallstones in a giant gallstoneの状態となったものであった,成分分析の結果,小結石は多量のコレステロールと少量のビリルビンカルシウムから構成されている混合石であり,接合物質は,混合石よりは色素成分が多いがほぼ同じ構成成分からなるものであった.この胆石の形成機序は患者の生活史と密接に関係しているものと考えられ,興味ある症例と思われた.
著者
吉森 明 木村 明洋 鳥飼 正志 後藤 振一郎
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.357-390, 2004-06-20

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著者
吾郷 祐子 廻 京子 脇地 一生 梶原 佑子 今城 沙都 宮井 貴之 後藤 振一郎 井上 勝
出版者
岡山赤十字病院
雑誌
岡山赤十字病院医学雑誌 = The Okayama Red Cross Hospital Journal of Medicine (ISSN:09158073)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.20-24, 2021-11-30

先天性甲状腺機能低下症(Congenital hypothyroidism,以下CH)は,新生児マス・スクリーニングの中で患者数は最多であり,早期介入で身長や知能予後を改善することができる.また,CH は様々な病型が存在し,予後も異なるがその予測は容易ではない.今回我々は,マス・スクリーニングを契機にCH と診断された患者を対象とし,予後について,診療録を用いて後方視的に検討した. 3 歳まで診療継続していた症例では,一過性CH と永続性CHに分類し,精密検査時データや臨床経過を比較検討した.結果は,一過性CH が15人,永続性CH 9 人,一過性高TSH 血症6 人だった.一過性CH と永続性CH では,精密検査時のTSH,大腿骨遠位端骨端核の出現の有無, 3 歳までのレボチロキシン投薬量増量の有無,休薬前の投薬量で有意差を認め,精密検査時のTSH 高値,大腿骨遠位端骨端核の出現無,および加療中に投薬量増量を要した症例は,永続性CH への移行を予測できることが示唆された.