著者
桑田 知宣 徳原 哲也
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.483-487, 2011-09-20 (Released:2012-10-08)
参考文献数
23

長良川の1支流において22床のサツキマスの産卵床を調査し,その特性(形成位置,大きさ,水深,流速,使用されていた基質の粒径サイズ)を調査した。産卵床の多くは淵尻に形成されていた。産卵床の長径は129.5±44.9 cm(平均±標準偏差,以下同様),短径は85.0±28.9 cmであった。形成された産卵床の平均水深は61.5±16.1 cm。表層の平均流速は42.0±15.5 cm/sec,底層の平均流速は25.9±10.7 cm/sec であった。産卵床の基質は16-63 mm の礫の割合が高かった。観察された産卵床の特性は過去の研究で報告されている河川残留型も含むサクラマス類の産卵床の特性と類似していることが明らかとなった。長良川におけるサツキマスの自然個体群維持のためにはこのような環境を産卵場所として保全維持していくことが重要であると考えられる。
著者
徳原 哲也 岸 大弼 熊崎 隆夫
出版者
岐阜県河川環境研究所
雑誌
岐阜県河川環境研究所研究報告 (ISSN:18807437)
巻号頁・発行日
no.55, pp.1-4, 2010-03
被引用文献数
1

岐阜県内の渓流漁場のある漁業協同組合では、放流時点で漁獲制限体長を上回るアマゴ(Oncorhynchus masou ishikawae)やヤマメ(O. m. masou)を放流し、ただちに遊漁者に釣らせる、いわゆる成魚放流が行われている。この放流形態は、稚魚放流による増殖効果のみでは増加する遊漁者を満足させることができないことから、1970年代の一時期に岐阜県を含めいくつかの県で研究が行われ、在来マスの養殖技術の確立とともに普及していった。岐阜県の漁業統計上は1981年(昭和56年)の記録がもっとも古いものであり、本県の成魚放流はこの年から始まったと見なされる。成魚放流は放流量の割に漁期が短いことや、放流場所付近に魚が留まらないという問題があることが、遊漁者・漁業協同組合双方の経験から指摘されてきた。過去に行われた研究においては主に放流魚の回収率に主眼がおかれ、釣獲特性や漁期、放流魚の移動といった、総合的な成魚放流の特性そのものに対しての研究は行われてこなかった。これは、成魚放流が稚魚放流による増殖効果を上回る分を補填する補助的役割であったことや、自然河川の生産力を利用しない釣り堀的手法であり増殖事業とは言い難く、研究対象になりにくかったことが関係しているのかもしれない。しかし、本放流法は他の増殖法では遊漁者の要望を満せない現状では必要なものであり、放流告知場所に集まる遊漁者の数を実際に目の当たりにすれば、本放流方法の需要が高いことがよくわかる。このような実情から当所は効率的な成魚放流について方法論についての研究を進め一通りの成果を得ることができた。本報では、それ以外当所で行った成魚放流調査であるヤマメの成魚放流調査について、放流日や系統差が釣獲率におよぼす影響や、他魚種(ニジマス;O. mykiss)との混合放流を行った釣獲特性の結果について報告する。
著者
米倉 竜次 苅谷 哲治 藤井 亮吏 熊崎 博 斉藤 薫 熊崎 隆夫 桑田 知宣 原 徹 徳原 哲也 景山 哲史
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.839-843, 2007 (Released:2007-10-03)
参考文献数
20
被引用文献数
4 5

岐阜県の椛の湖に定着した外来魚ブルーギルの生息個体数が,釣りによる駆除により抑制されるかを検討した。調査期間中,総計 15966 個体を駆除した。標識再捕法による個体数推定の結果,ブルーギルの生息数は 24231 個体から 10092 個体まで減少した。また,体サイズ分布の変化から,繁殖に寄与するであろう大型個体が減少することや新規加入が抑制されていることが示唆された。これらの結果から,釣りによる駆除はブルーギルの個体群を抑制するうえで有効であると考えられた。
著者
米倉 竜次 苅谷 哲治 藤井 亮吏 熊崎 博 斉藤 薫 熊崎 隆夫 桑田 知宣 原 徹 徳原 哲也 景山 哲史 RYUJI YONEKURA TETSUJI KARIYA RYOUJI FUJII HIROSHI KUMAZAKI KAORU SAITO TAKAO KUMAZAKI TOMONORI KUWADA TORU HARA TETSUYA TOKUHARA TETSUJI KAGEYAMA 岐阜県河川環境研究所 岐阜県河川環境研究所 岐阜県河川環境研究所 岐阜県河川環境研究所 岐阜県河川環境研究所 岐阜県河川環境研究所 岐阜県河川環境研究所 岐阜県河川環境研究所 岐阜県河川環境研究所 岐阜県河川環境研究所 Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments Gifu Prefectural Research Institute for Freshwater Fish and Aquatic Environments
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.839-843, 2007-09-15
参考文献数
20
被引用文献数
1 5

We examined the effectiveness of removal by angling in order to control the population size of the invasive exotic bluegill in Hananoko Lake, Gifu, Japan. A total of 15, 966 individuals were caught by angling. Estimates based on a mark-recapture method revealed that the population size was reduced from 24, 231 to 10, 092 individuals over 15 months of population control. The change in the size distribution suggested that removal by angling not only reduced the number of potentially mature individuals but also decreased the recruitment of juvenile fish. This evidence indicates that removal by angling could control the population size of the bluegill, although a complete extermination by angling alone may be difficult.