- 著者
-
徳永 浩司
- 出版者
- 日本脳神経外科コングレス
- 雑誌
- 脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.10, pp.827-833, 2016 (Released:2016-10-25)
- 参考文献数
- 50
- 被引用文献数
-
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頚動脈狭窄症に対しては, 1990年代以降の大規模ランダム化試験によりCEAの有効性が確立され, その後CASが導入され, CEAとの比較試験が行われた. 現在も各試験の長期的追跡と, 最良内科的治療を含む新たな試験が進行中である. 実際の臨床現場では, 患者の年齢, 症候, 治療時期, 基礎疾患, 過灌流リスクなどの背景, および大動脈弓形状やプラーク性状, 対側閉塞などの解剖学的特徴と術者の技量を勘案して治療手段を選択している. 最近はMRI, CTA, エコーなどの頚動脈イメージングで脳卒中リスクを層別化する動きが盛んである. 本稿ではCEAかCASかの治療手段選択にあたって理解すべき, 上記の項目に関する知見について概説する.