著者
三好 康之 亀田 雅博 上利 崇 菊池 陽一郎
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012

視床下核などに対する深部脳電気刺激療法(DBS)は、パーキンソン病(PD)患者のwearing-offを改善し、ADL、QOLの向上をもたらすことが可能なため、重度のPD患者に対する有用な治療手段として確立している。近年、諸外国より、認知行動療法、薬物療法などのいかなる治療によっても十分な効果を得られなかった重度のうつ病患者に対してDBSが有効だったという報告が相次いで寄せられている。しかし、我々日本の脳外科医の立場からすると、動物実験に基づくscientificなデータの乏しさゆえ、DBSでうつ病を治療することが、医学的にも倫理的にも妥当なのか判断できないのが現状である。このような背景から、本研究ではうつ病に対するDBSの効果について、動物実験によるscientificな評価を行うことを目標として、今年度はうつ病モデルとしてどのモデルを利用するか検討した。これまでの報告では、うつ病モデルとしては、Tail suspension model、Forced swim model、Learned helplessness modelといったものがあり、これらはすでに抗うつ薬の評価などで用いられており、うつ病モデルとしてすでに十分に確立されているが、検討を重ねた結果、モデル作成から治療効果の評価といった一連の過程において安定した実験結果を得るためにはForced swimならびに,learned helplessnessを利用した市販システムを用いて実験を組むのがベストという結論を得た。
著者
広島県食文化研究グループ 三好 康之 岡本 洋子 前田 ひろみ 井川 佳子 大下 市子 奥田 弘枝 奥山 清美 亀井 文 上村 芳枝 倉田 美恵 土屋 房江 三谷 璋子 吉永 美和子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.369-377, 2006-12-20
被引用文献数
1

広島県で摂取されている魚料理を把握する目的で,広島県在住者171名を対象として質問紙を用いた聞き取り調査を実施した。回答数は4,551件であった。魚料理にはあじ,いか,ぶり,あさり,さばがよく用いられ,広島県で漁獲量の多い牡蠣,ちぬ,たちうお,こいわし,なまこはこれらより少なかった。また,島嶼地域では,自給の魚介類で調理する魚料理が他の地域よりも多かった。調理法は,焼き物が最も多く,なま物,煮物,揚げ物の4つの調理方法で総回答数の75.1%を占めていた。和風調理が多く,焼き物の64.4%を塩焼きが,煮物の75.2%を煮付けが占めていた。対照的に,こしょう,バターなどを用いた洋風調理は少なかった。広島県特有の魚介類であるこいわしは,天ぷらや刺身として,ちぬは塩焼きとして,えびじゃこは汁物や塩茹でとして料理されていた。
著者
岡本 洋子 土屋 房江 前田 ひろみ 三谷 璋子 三好 康之 吉永 美和子 井川 佳子 大下 市子 奥田 弘枝 奥山 清美 上村 芳枝 亀井 文 倉田 美恵 杉山 寿美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.160, 2005

<br>【目的】日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学:魚介類」の一環として、広島県において調査を行った。今回は、あなご、かき、まだこ(食品成分表の食品番号10015:10292:10361)の利用実態について調べることを目的とした。<BR>【方法】広島県内の14地域で、質問紙調査を実施した。14地域を島嶼部、都市沿岸部、都市内陸部、中国山地に4区分した。調査項目は、魚介類の種類、入手方法、手作り・購入、調理法、日常食・行事食度等である。調査対象者は20歳代から70歳代の171名である。調査時期は2003年10月_から_2004年2月。<BR>【結果】(1) 記載魚介類は212種類(食品成分表)、総記載料理数は4,684であった。(2) 調査者数に対するあなごの出現比率では、島嶼部83.5%、都市沿岸部80.6%、都市内陸部45.9%、中国山地18.8%であった。調理法では、焼き物と飯料理が多くみられ、照り焼き、ちらしずし、あなご飯、巻きずし、刺身(島嶼部)、雑煮、茶碗蒸し等に調理された。(3) かきの出現比率では、島嶼部63.1%、都市沿岸部91.2%、都市内陸部89.5%、中国山地73.0%であった。調理法では、4地域いずれにおいても、フライ、鍋物、酢がきが多くみられた。殻付き素焼きやグラタン料理もみられた。(4) まだこの出現比率では、島嶼部69.9%、都市沿岸部63.1%、都市内陸部36.3%、中国山地75.3%であった。調理法では、4地域いずれにおいてもなま物(刺身、酢の物)や茹で物(ゆでだこ、ぬた)が多くみられ、揚げ物(島嶼部ではたこ天)、たこの煮物やたこ飯(都市沿岸部)、にぎり寿司、たこ焼き等に調理された。
著者
伊達 勲 三好 康之 杉生 憲志 徳永 浩司 小野 成紀 市川 智継 亀田 雅博
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

I型コラーゲンによる足場を形成して、神経幹細胞をカプセル化したところ、カプセル内での幹細胞の生存を確認できた。また、腫瘍形成は認めなかった。カプセル化した神経幹細胞を中大脳動脈閉塞モデルへ移植したところ、行動学的改善を認め、組織学的には、脳梗塞体積の縮小を認めた。また、移植操作に伴う、ドナー細胞への虚血負荷を減らすには、Glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF)による前処置が有効であることを確認した。