著者
宮野 廣 中村 隆夫 成宮 祥介
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.447-451, 2012-07-01
参考文献数
3
被引用文献数
1

<p> 2007年7月に中越沖地震が発生し,更にその3年半後に東日本大震災が日本を襲った。いずれの場合にも震源近傍の原子力発電所は大きな地震動に見舞われたが,その後に大津波が発生したかどうかにより事故の明暗が大きく分かれることとなった。今,私達は今回の福島第一原子力発電所事故の未曽有の過酷さの前に,4年半前に起きた中越沖地震のことをともすると忘れがちになるが,2つの地震の共通点は,原子力発電所が設計の想定を大きく超えた地震動に見舞われたことにある。日本原子力学会は,中越沖地震の後,「原子力発電所地震安全特別専門委員会」を設置し,設計想定を超える地震に対してどのように安全を確保すべきかを検討してきた。そして東日本大震災が発生した昨年初めには,ほぼその検討結果が報告書としてまとまりつつある状況にあった。福島第一原子力発電所事故後の緊急事態からようやく立ち直りつつある現在,今回取りまとめた地震安全ロードマップに関する報告書の意味するところ,すなわち「原子力発電所の安全をいかに確保すべきか」を改めて問い直してみることが重要である。日本原子力学会は,この報告書の提言しているところを原点とし,引き続き「原子力安全」の確保のあり方について検討していくことが求められている。</p><p> 今回,4回のシリーズで,本委員会の活動に参加した日本原子力学会の委員,及びその検討に協力した日本地震工学会,日本機械学会の委員により,本委員会が取りまとめた地震安全ロードマップ報告書の内容と,中越沖地震及び東日本大震災を踏まえた原子力安全確保のあるべき方向について解説する。</p>
著者
成宮 祥介 大橋 弘忠 宮田 浩一 渡辺 憲夫 楠木 貴世志
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.354, 2011

原子力発電所地震安全特別専門委員会の活動として作成した地震安全の論理について発表する。
著者
大橋 弘忠 成宮 祥介 宮田 浩一 渡邉 憲夫
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.402-405, 2010-12-15

<p>原子力の安全確保は,実際に起こるかも知れない不具合に備える現実的な側面と,防護の考え方として,代表性と包括性をもって評価・確認の手段と方法を定めておくという論理構造の側面をもっている.地震に関しては,これまで後者の原子力安全の論理における位置づけがあいまいだった.このたび,地震時の安全性について,原子力安全の論理に対応させて検討し,基本的な考え方の明確化と,これに伴う課題の整理を行った.</p>
著者
大橋 弘忠 成宮 祥介 宮田 浩一 渡邉 憲夫
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.402-405, 2010-12-15 (Released:2016-09-30)

原子力の安全確保は,実際に起こるかも知れない不具合に備える現実的な側面と,防護の考え方として,代表性と包括性をもって評価・確認の手段と方法を定めておくという論理構造の側面をもっている.地震に関しては,これまで後者の原子力安全の論理における位置づけがあいまいだった.このたび,地震時の安全性について,原子力安全の論理に対応させて検討し,基本的な考え方の明確化と,これに伴う課題の整理を行った.