著者
市村亮太 野口敦弘 納富一宏 斎藤恵一
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.567-568, 2013-03-06

近年,iPhoneやAndroid搭載携帯端末の登場により,スマートフォンが急速に普及してきている.しかしスマートフォンは,入力デバイスと表示デバイスが一体化しており,第三者による覗き見攻撃によって入力情報を読み取られやすいことがいえる.そういった問題点から,本研究では,タッチスクリーンに表示されたキャンバス上をタップし,その特徴を用いて認証を行うリズム認証手法の提案を行っている.本稿では,スマートフォンを用いたリズム認証手法において,指定した楽曲の主旋律により作成されるリズムを個人の特徴量としたリズム認証実験を行う.分析にはニューラルネットワークの一種である自己組織化マップ(SOM)を用い,その結果について考察する.
著者
齋藤 大輔 斎藤 恵一 納富 一宏 東 吉彦 斎藤 正男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.91-96, 2014-04-25

ウェブのアクセシビリティは,インターネットのユーザにとって必要であり,特に視覚要素は非常に重要な要因である.我々は,健常若年者およびシミュレーションフィルタを用いた模擬高齢者および模擬色覚障碍者について,無彩色における視認性評価を行った.さらに,RGB値を用いた明度差および色差を用いて重回帰分析による視認性予測を行ってきた.そこで本論文では,これまでに得た白色背景と黒色背景の視認性予測結果を総合的に評価した.その結果,明度差および色差により視認性判定は明確に分類でき,明度差(L)がL<152.7のとき色差(E)がE≦65.8L-9593,明度差が152.7≦L<153.0とき色差がE≦16.0L-1989,明度差がL≧153.0のとき色差がE≦8.77L-883.1を満たす背景色と文字色の明度差および色差で無彩色背景においては背景色に関係なく視認性が高いと判定できることが示された.
著者
斎藤 恵一 星 裕之 川澄 正史 斎藤 正男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.93-98, 2006
参考文献数
10
被引用文献数
1

ジャンルの異なる3種類のテレビゲームをしているときの脳活動を,機能的MRIを用いて計測し比較した.被験者(10名)にプリズム眼鏡を装着させ仰臥して足元先のスクリーンに映し出された画面を見ながらゲームを行わせた.ゲーム中の脳活動を計測し,統計処理により有意な賦活反応を標準脳に描出した.前頭前野に着目すると,複雑なプランニングが必要なマージャンでは左右両側が,リアルタイム応答が必要なカーレースでは右側だけが賦活した.一方,プランニングがほとんど必要ない単純な条件反射に近いリズムアクションゲームでは前頭前野の賦活はみられなかった.必要なスキルの違いによってゲームごとに賦活部位に違いがあることが示された.
著者
中山 亮介 納富 一宏 斎藤 恵一
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.29-34, 2011-06-30

近年,インターネット利用者やサービス数の増加により,さまざまなサービスにおいて個人認証が用いられるようになった.IDとパスワードによって認証を行う方式が主流であるが,パスワードを他人に知られた場合に安全性を失ってしまう.個人情報をはじめとしたセキュリティ確保のため,より安全性の高い認証方法が求められている.そこで,本稿では,行動的特徴量を用いたバイオメトリクス認証のひとつであるジェスチャー認証手法を提案する.本手法は,加速度センサにより計測されたジェスチャーにおける個人の癖を自己組織化マップにより学習することで認証を行う方式である.また,実験では,複数マップによる多人数対応と認証精度の変化について検証を行った.その結果,90%以上の認証精度が得られたが,1マップあたりの登録ユーザ数が適切でない場合,精度の低下がみられた.しかし,マップサイズや人数を調整することで精度の改善が期待できる.今後は,さまざまなマップサイズや登録人数,経年変化についてさらに検証していく予定である.
著者
山田 健一朗 納富 一宏 斎藤 恵一
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.41-48, 2014-04-25 (Released:2017-09-02)
被引用文献数
1

近年,スマートフォンやタブレット端末が急速的に普及しており,今後もさらに増え続けると予測されている.スマートフォンやタブレット端末は,携帯電話では持ち運ぶことが困難であった高度な情報を手軽に持ち運ぶことが可能となっているため,セキュリティ対策は重要となっているが,覗き見攻撃等によってパスワードが解除されてしまう危険性がある.一度パスワードを解除することができれば,その後は誰でも自由に操作可能になるため,重要情報が盗まれてしまう危険性がある.そこで,本稿では,パスワード解除後の個人識別手法として,フリック操作やタッチジェスチャー時の行動的特徴量を用いた個人識別手法を提案する.本手法は,スマートフォン操作時の加速度や画面操作の癖を自己組織化マップにより学習することで認証を行う手法である.実験では,フリック操作とタッチジェスチャーを用いて認証精度の検証を行った.その結果,最高98.01%の認証精度が確認された.認証精度の向上には,操作の再現性が重要であること分かった.今後は,本手法の実装に向けて,実環境を想定した検証実験を行う予定である.
著者
齋藤 大輔 斎藤 恵一 納富 一宏 斎藤 正男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.59-65, 2005-10-20 (Released:2017-09-04)
参考文献数
13
被引用文献数
2

インターネットの急速な普及により,Webアクセシビリティの実現が重要課題となった.特に,Webサイトでの情報提供は,文字情報が中心であることから,前景色と背景色の視認性が重要である.これまで,白色背景においてWebセーフカラーの視認性を検討したところ,Blue系色が年代に関係なく視認性が高いことがわかった.このBlueは未訪問の標準リンク色に使用されており,Webユーザビリティの観点からはリンクの色と下線の組合せは変えないように推奨している.そこで本論文では,この標準リンク色がどのような背景色で有効であるかを124色の背景色について一対比較法を用いて検討した.その結果,標準リンク色と背景色のコントラストが1.37以上になると視認性が高くなることがわかった.
著者
齋藤 大輔 斎藤 恵一 納富 一宏 東 吉彦 犬井 正男 斎藤 正男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.53-58, 2012-05-30 (Released:2017-09-02)
参考文献数
13

我々はWebアクセシビリティを考慮するために,視認性予測を行ってきた.これまでは,若年者,高齢者および色覚障碍者それぞれの群についての検討であった.しかし,Webアクセシビリティを考慮するためには,視認性予測式を一つにする必要がある.そこで今回は,一つの予測式で視認性を予測するために,色覚モデルの変換を用いて色覚障碍者の視認性予測を試みた.その結果,P型色覚障碍者およびD型色覚障碍者の視認性予測結果と実測値との間に大きな差は確認されなかった.しかし,D型色覚障碍者の視認性予測結果は赤成分を多く含む色で視認性が低く判定される傾向がみられた.以上のことから,本手法を用いて視認性予測を行える可能性が示された.
著者
野口敦弘 高橋雅隆 納富一宏 斎藤恵一
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.641-642, 2012-03-06

近年,暗証番号やパスワードの不正利用による犯罪が横行している.特に,普及が著しいスマートフォンやタブレットPCなどのロック解除を行う際に,覗き見によるパスワードの盗難に遭うことから,暗証番号での認証はセキュリティ上,問題があるといえる.そこで,本研究では,暗証番号をなくし,タッチスクリーンを用いたバイオメトリクス認証手法について提案する.利点として,タッチするだけで認証が行える点であり,ユーザの煩わしさを軽減できると考える.また,番号がないため,背後から覗き見されても入力情報が盗難されづらくなると推測する.本稿では,静電容量タッチスクリーンを用いたリズム認証手法の有用性について考察する.
著者
野口 敦弘 納富 一宏 斎藤 恵一
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.31-39, 2013-06-28 (Released:2017-09-04)
参考文献数
13

現代社会において,暗証番号やパスワードの不正利用による被害が大きな社会問題となっている.被害の代表例として,銀行ATM操作時における背後からの覗き見による暗証番号の盗難が挙げられる.そこで,本研究では,背後からの覗き見対策として,タッチスクリーン押下時に取得可能な特徴を自己組織化マップにより学習・分類し,その類似度から本人の識別を行うリズム認証手法について提案する.リズム認証は,ボタンがないため,入力情報が読み取られにくいことが利点として挙げられる.また,銀行ATMと同様に,タブレットPCやスマートフォンもタッチスクリーン上で入力を行うため,本手法により,覗き見攻撃耐性ができると考える.本稿では,リズム認証におけるタッチスクリーンデバイスを用いた本人認証手法の適用性について検証することを目的として,ピアノ経験者,本学情報学部または情報工学専攻の学生,その他の人に対して実験を行った.その結果,ピアノ経験者が最も高い99.2%の平均認証精度を得た.
著者
齋藤 大輔 斎藤 恵一 納富 一宏 東 吉彦 斎藤 正男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.91-96, 2014-04-25 (Released:2017-09-02)

ウェブのアクセシビリティは,インターネットのユーザにとって必要であり,特に視覚要素は非常に重要な要因である.我々は,健常若年者およびシミュレーションフィルタを用いた模擬高齢者および模擬色覚障碍者について,無彩色における視認性評価を行った.さらに,RGB値を用いた明度差および色差を用いて重回帰分析による視認性予測を行ってきた.そこで本論文では,これまでに得た白色背景と黒色背景の視認性予測結果を総合的に評価した.その結果,明度差および色差により視認性判定は明確に分類でき,明度差(L)がL<152.7のとき色差(E)がE≦65.8L-9593,明度差が152.7≦L<153.0とき色差がE≦16.0L-1989,明度差がL≧153.0のとき色差がE≦8.77L-883.1を満たす背景色と文字色の明度差および色差で無彩色背景においては背景色に関係なく視認性が高いと判定できることが示された.
著者
平松 明希子 納富 一宏 山口 俊光 斎藤 恵一
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 : BMFSA
巻号頁・発行日
no.16, pp.79-82, 2003-10-18
被引用文献数
2 1

In this article, we described a paired comparison test of foreground (character) and background colors. The color sets were selected from chromatic colors (magenta-series and yellow-series) of the Web Safe Color, which is a de facto standard for the HTML color representation. We will apply the result of the test to automatic color correction of Web browsing for improving visibility and individual personal usability at the next step.
著者
湯浅 将英 斎藤 恵一 武川 直樹
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.127, no.11, pp.1865-1870, 2007-11-01 (Released:2007-11-01)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

In this paper, we describe that brain activities associated with emoticons by using fMRI. In communication over a computer network, we use abstract faces such as computer graphics (CG) avatars and emoticons. These faces convey users' emotions and enrich their communications. However, the manner in which these faces influence the mental process is as yet unknown. The human brain may perceive the abstract face in an entirely different manner, depending on its level of reality. We conducted an experiment using fMRI in order to investigate the effects of emoticons. The results show that right inferior frontal gyrus, which associated with nonverbal communication, is activated by emoticons. Since the emoticons were created to reflect the real human facial expressions as accurately as possible, we believed that they would activate the right fusiform gyrus. However, this region was not found to be activated during the experiment. This finding is useful in understanding how abstract faces affect our behaviors and decision-making in communication over a computer network.
著者
納富 一宏 谷口 望美 斎藤 恵一
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.99-105, 2006-10-20
被引用文献数
1

Webの視認性を高めるための自動色補正方式について検討を進めている.Webの視認性とは,一般的なインターネットブラウザで表示される文字色と背景色の組合せ(カラーセット;Color Set)のうち,「文字の見易さ」や「目の疲れにくさ」を基準に,各ユーザがカラーセットを個別に比較し判断した結果から順位付けられるものであると捉える.視認性を高め,利用者にとって快適な閲覧環境を提供するために,自動的な色補正をシステムが行う場合,色の組み合わせに対する個人の好みや特性を基準データとして与えなければならない.これまでの研究で有彩色背景における無彩色文字の視認性について検討した.また,Webカラーセットの一部からまだ存在しない基準データを予測する手法として「カラーセット予測方式」を我々はすでに提案した.そこで,本稿では,白色背景における文字色をWeb Safe Colorから7系統21色を選択し,これらの組合せを一対比較法により順位付けを行なった上で,自己組織化マップ(SOM:Self-Organizing Maps)による分析を行なった結果について述べた.特に,白色背景における有彩色文字の場合についてのカラーセット予測が予測バリエーション9種類において,0.77(±0.07)〜0.88(±0.07)の予測正解率を得た.このことから,提案手法の有効性が確認された.