著者
野中 朋美 新村 猛 藤井 信忠
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1F3OS2a04, 2020 (Released:2020-06-19)

本稿では,レストランサービスにおける配膳ロボット導入による従業員満足と生産計画に関する基礎的分析を行う.和食レストランに導入された配膳ロボットを事例として,配膳スタッフ,調理場スタッフ,接客スタッフのオペレーションおよび個々の従業員が暗黙的に頭の中で計画,更新する生産計画に着目する.この配膳ロボットは,調理場で出来上がった料理を接客フロアに運ぶものであり,作業者が行き先を指定し,店舗内を巡回しながら料理を運搬する.また,下げ膳の食器類を洗い場まで運ぶ役割も担う.ロボット導入前後における生産性と従業員満足を,配膳,調理場,接客の職種別に分析することにより,人と機械の仕事の切り分けや協調,工程設計の変化に対して,従業員がどのように適応しているのか,また,ロボット導入に伴い自身の仕事やオペレーション改善をどのように捉え対応しているのかを考察する.2019年12月から2020年1月にかけて,ある導入店舗を対象に実施した従業員アンケートおよびインタビューの結果をもとに分析を行う.
著者
新村 猛 赤松 幹之
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 = The Japanese journal of ergonomics (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.208-214, 2010-06-15
被引用文献数
1

従来,外食産業は調理コストと味はトレードオフにあると考えられてきた.本研究は,商品の製造原価低減と味覚品質向上との両立を目指して,調理プロセスの最適化を見出すための実験を行った.最初の実験では,従来の生産方式である店舗調理,工場調理方式に加え,調理プロセス最適化を試みた工程組換方式で煮穴子を調理し,各方式の製造原価を計算するとともに,成人30人を被験者として各方式で調理された煮穴子の官能検査を実施した.続く実験では,各調理方式の調理条件と味覚品質との関係を把握するため,K値(素材の鮮度・熟成指標)を計測した.これらの実験の結果,1)工場での集中調理と調理師による店舗調理を組み合わせることによって,店舗調理よりも味覚品質を高めるとともに製造原価が削減できること,2)素材の輸送時間と熟成時間を制御することにより,店舗消費時点での味覚品質を高めることができることがわかった.
著者
新村 猛
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6070号)
著者
竹中 毅 新村 猛 石垣 司 本村 陽一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

労働集約型産業の一つである外食産業の生産性向上に向けては,提供プロセスの効率化とともに,多様化する顧客価値の理解や廃棄率の低減,従業員のスキル向上を支援する教育システムの開発など多くの課題がある.本研究では外食POSシステムを発展させた提供プロセスの効率化や,顧客のレストランでのメニュー選択行動や食事行動の分析,行動分析による従業員の暗黙的なスキルの理解など,これまでの研究成果を報告する.