著者
石垣 司 竹中 毅 本村 陽一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.461, pp.425-430, 2010-03-02
被引用文献数
2

小売サービス業では顧客のライフスタイルやパーソナリティを考慮した生活者視点での商品分類が必要となってきている.そこで本報告では,大規模ID-POSデータと顧客アンケートデータを統合的に利用することで,顧客のパーソナリティやライフスタイルを考慮した顧客と商品の同時カテゴリ分類法について述べる.流通量販店の1年間のID-POSデータに対し確率的潜在意味解析(PLSI))により顧客と商品を同時にクラスタリングする.また4000人規模の顧客アンケートデータから顧客の消費・生活因子を抽出し,PLSIの結果と統合することで,顧客パーソナリティやライフスタイルを考慮した顧客と商品の同時カテゴリ分類を実行する.
著者
麻生 英樹 高崎 晴夫 小野 智弘 土生 由希子 竹中 毅 本村 陽一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.4, pp.846-854, 2012-04-01

推薦などの個人化サービスでは,ユーザの購買履歴やWeb閲覧履歴等のライフログ情報を利用してユーザの嗜好等を推定し,個々のユーザに適応したサービスを実現している.システムが自分の購買履歴等の情報を収集・利用することについて,漠然とした懸念を感じているユーザも多く,米国を中心とした調査では,インターネット上のプライバシーに関する懸念がサービスの利用意向に負の影響を与えることが示されている.我々は,ライフログ等のパーソナルな情報を利用する個人化情報サービスの利用意向とパーソナル情報の二次利用の受容性に関する大規模なインターネット調査を実施した.調査においては,様々な属性をもつ模擬サービスを60種類構築し,4,000名を超える被験者に対してサービスを体験してもらった後にアンケートを行った.本論文では,そこで得られたデータに構造方程式モデリングを適用して,推薦サービスの利用意向に影響を与える因子の分析を行った結果について報告する.
著者
小柴 等 石垣 司 竹中 毅 櫻井 瑛一 本村 陽一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and Systems Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.133, no.9, pp.1787-1795, 2013-09-01

It becomes increasingly important for service industries to understand customer behavior using large-scale data such as POS data. However, limitations exist in a customer model constructed on the basis of such behavioral data alone. This paper presents how we can construct a customer model on the basis of both large-scale purchase data and lifestyle survey data. It proposes a method that reveals the connection between lifestyle and behavior by deducing lifestyle from behavioral data using Random Forests, a machine learning algorithm. Then, It applies the proposed method to an actual mass merchandizers using questionnaires on lifestyle collected and the customer behavioral data (ID-POS Data). It thereby demonstrates the effectiveness of the proposed method and its possible use in supporting managerial decision-making on critical issues such as product selection.
著者
石垣 司 竹中 毅 本村 陽一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.670-681, 2011 (Released:2011-10-12)
参考文献数
48
被引用文献数
8 13

This paper describes a computational customer behavior modeling by Bayesian network with an appropriate category. Categories are generated by a heterogeneous data fusion using an ID-POS data and customer's questionnaire responses with respect to their lifestyle. We propose a latent class model that is an extension of PLSI model. In the proposed model, customers and items are classified probabilistically into some latent lifestyle categories and latent item category. We show that the performance of the proposed model is superior to that of the k-means and PLSI in terms of category mining. We produce a Bayesian network model including the customer and item categories, situations and conditions of purchases. Based on that network structure, we can systematically identify useful knowledge for use in sustainable services. In the retail service, knowledge management with point of sales data mining is integral to maintaining and improving productivity. This method provides useful knowledge based on the ID-POS data for efficient customer relationship management and can be applicable for other service industries. This method is applicable for marketing support, service modeling, and decision making in various business fields, including retail services.
著者
竹中 毅 新村 猛 石垣 司 本村 陽一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

労働集約型産業の一つである外食産業の生産性向上に向けては,提供プロセスの効率化とともに,多様化する顧客価値の理解や廃棄率の低減,従業員のスキル向上を支援する教育システムの開発など多くの課題がある.本研究では外食POSシステムを発展させた提供プロセスの効率化や,顧客のレストランでのメニュー選択行動や食事行動の分析,行動分析による従業員の暗黙的なスキルの理解など,これまでの研究成果を報告する.
著者
竹中 毅 相澤 祐一 鈴木 晋太郎
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.570-575, 2009-09-01

音楽の設計は,他の人工物の設計と比べて,環境条件や目的を明示化することが極めて困難である.そのため,音楽の設計理論に対する科学的,工学的なアプローチは少なく,作曲行為は人間の暗黙知に大きく依存している.一方で,既存の音楽には時代や地域を超えた共通性が見られることから,音楽的秩序には人間の認知的・身体的特性に基づく必然性があると思われる.筆者らは,人間の認知的特性に基づいて,創発的に楽曲断片を生成することで,音楽の発生学的な根拠を理解することを目的としてきた.本稿では,筆者らの研究例を紹介するとともに,新たな音楽設計理論の可能性について議論したい.
著者
末次 晃 竹中 毅 喜多 伸一 松嶋 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.613, pp.61-68, 2001-01-27

本研究では, 前庭刺激が身体座標系に及ぼす影響を検討した.実験では, 等速回転(72deg/s)を急停止する方法で前庭刺激を与え, 停止目を閉じた被験者に主観的正面をポインティングする課題を行わせた.結果, 前庭刺激による系統的なポインティング誤差が観察された.誤差の方向は, 回転停止時に加わる角加速度と同じ方向であった.誤差の時間的変化は, 回転停止直後では誤差は小さく, 約20〜24秒にわたり誤差が増加した.その後, 徐々に誤差は減少していった.この時間的変化の特徴は, 視対象定位における誤差の時間的変化とよく類似したものであった.しかしながら, 定位した主観的正中面が偏位する方向は, 視覚的に定位した主観的正面と逆方向であった.これらの結果から, 視覚的定位に用いられる座標系と視覚を用いない身体座標系とが異なる可能性が示唆された.