著者
鈴木 雄 日野 智
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.690-696, 2015-10-25 (Released:2015-11-05)
参考文献数
9

本研究では,地方都市中心市街地にある駐車場の無料時間について取り扱った.駐車開始からの駐車無料時間の長さによる中心市街地への訪問行動や,中心市街地での滞在特性について分析を行っている.分析のため,中心市街地の訪問者に対しての意識調査と,追跡調査を実施した.追跡調査の結果,駐車無料時間が30分から45分に延長されても,滞在時間や訪問店舗数が増えない結果となった.これは,駐車無料時間が延長されたことの周知不足と,駐車無料時間が15分しか延長されていないことが原因と考えられる.意識調査の結果,駐車場選択における駐車無料時間の効用値が最も高くなった.また,駐車無料時間が60分に拡大されると大幅に訪問意識が増える結果となった.これらのことから,中心市街地への訪問回数や滞在時間を増加させるためには,駐車無料時間延長の周知を増やすとともに,駐車無料時間の60分への延長を検討することが望ましいと考えられる.
著者
日野 智 岸 邦宏 佐藤 馨一 千葉 博正
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.827-834, 2000-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

整備新幹線である東北新幹線盛岡-新青森間が開通した後、並行在来線である東北本線盛岡-青森間は第三セクターとへ経営が移管される。しかし、同区間は北海道と本州とを結ぶ鉄道貨物列車の主要経路であるため、第三セクター化後の鉄道貨物輸送存続が懸念されている。そこで、本研究は鉄道貨物の必要性を示し、代替経路や代替機関による輸送についても検討する。結果として、東北本線経由の鉄道貨物輸送は大きな役割を果たしており、鉄道貨物を存続させた方が関係主体合計の負担は少ないことが明らかとなった。
著者
鈴木 雄 保坂 亜沙希 日野 智
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_731-I_742, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
18
被引用文献数
4 4

本研究は,秋田県横手市増田町狙半内の買い物送迎バスを対象とした.狙半内の買い物送迎バスは,狙半内共助運営体と地域のスーパーマーケットとの協定により運行されている.スーパーマーケットが自社バスと運転手を提供し,狙半内地区とスーパー間を無料で送迎している.停留所や運行時間などは狙半内共助運営体との協議により決められ,1便平均で15人程度乗車している.限界集落に対し,地域の商店が送迎バスを運行する事例は他にみられない.本研究では,買い物送迎バスを利用することによるQOLの向上効果と,「普段の会話が増えた」や「趣味の時間が増えた」などの買い物における多様な価値の達成についての分析を行った.その結果,買い物送迎バスの利用者は「運行日が楽しみ」や「普段の会話が増えた」など生活の質の向上がみられた.
著者
日野 智 岸 滋 岸 邦宏 浅見 均 佐藤 馨一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.495-503, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
14

近年、北海道と本州間の鉄道輸送網において、事故・災害による不通が多発している。鉄道輸送網の不通は旅客だけではなく、物資輸送にも多大な影響を与えている。本研究は鉄道貨物輸送における代替経路探索モデルを構築し、津軽海峡線貨物列車脱線事故と有珠山噴火災害に適用したものである。本研究で構築したモデルは時刻を考慮しているため、便毎に経路を探索することができる。そのため、運行頻度や発着時刻等を含めた代替経路の評価が可能である。また、現実に採用されている列車待機を代替経路の一つとして、表現できる。モデルを事故・災害事例へと適用した結果、フェリー航路が代替輸送に有用であることが明らかにされた。すなわち、今後はフェリーも鉄道貨物輸送における代替経路として考慮すべきといえる。
著者
浅見 均 日野 智 佐藤 馨一
出版者
JAPAN SECTION OF THE REGIONAL SCIENCE ASSOCIATION INTERNATIONAL
雑誌
地域学研究 (ISSN:02876256)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.337-351, 2002-10-30 (Released:2008-10-10)
参考文献数
25

On Japanese inter-regional railway, there are several networks. Shinkansen and existing lines (AC/DC/no electrification) have no inter-operability. We can regard that inter-operability is very important factor to evaluate quality or redundancy of inter-regional railway network.In this study, I analyzed concerning historical process of inter-operability in Japanese inter-regional railway network, and some example of making inter-operability and link stop with no alternative routes. Through this analysis, I can define current problems of inter-regional railway network in Japan.On ordinary condition, it is possible to increase social benefit by making inter-operability between Shinkansen to existing line. Yamagata Shinkansen project and Akita Shinkansen project are successful example.On situation of link stop, there are some risks to increase social losses. If that link has no alternative route, all trains cannot be operated. Even if that link has some alternative routes, many trains cannot be operated too. Because there are a large number of trains, slot of alternative route is not enough. 81days stop of San-yo Shinkansen is typical example there is no alternative routes.Those benefits or losses can be evaluated by quantitative method. But index of making inter-operability is next challenging.I trust that this study can provide some valuable knowledge to discuss development policy of inter-regional railway network, especially concerning making inter-operability between Shinkansen to existing line.