著者
成尾 太希 Sertthin Chinnapat 春山 真一郎 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.131, pp.157-162, 2009-07-09
被引用文献数
1

高齢化社会に向けて,自律支援用ロボットや自動走行する屋内用小型車が発達し,その適切な行動のために屋内における位置測定システムが必要とされている.従来の屋内測位システムとして,慣性センサを用いてGPSを補完する慣性航法や,無線LAN,RFIDを利用したローカル測位等があるが,精度,応答速度,設置性等の問題がある.そこで,従来の測位システムの代替技術として可視光通信による屋内測位システムが検討されている.可視光通信を用いた測位システムは,地下街やビルの中,地下鉄のホームなどのGPSの電波が届かない場所,更には人体や精密機器に影響を及ぼす可能性があるとして無線技術の使用を禁じられている病院などの区域でも利用できる等の利点がある.よって,本論文では、可視光通信を用いて、複数のLED光源の光電力差を加速度センサ等の慣性センサを加えず,受信機単体で位置を測定するシステムとアウテージ確率を低くするUniform Resizing方式について提案し,計算機シミュレーションによりその特性評価と有効性を示す.
著者
春山 真一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.1284-1291, 2003-12-01
参考文献数
33
被引用文献数
81

人間の目に見える可視光を用いた通信の技術的可能性や様々な応用について紹介する.従来の無線通信では,どこから信号が到来し,どこへ信号が飛んでいくかということを知るのはほとんど不可能であるが,目で見える可視光で通信を行うと,送信側は光を放つことでデータを送っているということを示すことができ,また,受信側は,データの送信元の有無や位置を確認することができる.また可視光通信の例として,照明器具を送信機として用いる場合,照明用の大電力をそのまま通信に使えば高速な通信を行うことができる.また照明以外にも広く使われている可視光素子(例えばLEDインジケータや広告ディスプレイなど)の光を変調させることで,ユビキタスネットワークの無線通信の一手段として利用することができる.また,交通信号機や車のヘッドライト,テールランプなどの可視光を変調させる方法を用いたITSへの応用も将来重要になってくるであろう.
著者
河野 隆二 春山 真一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1112-1119, 2001-07-01
参考文献数
26
被引用文献数
24

異なる技術標準や多様な応用の無線システムが混在する状況が今後も続くものと予想され, この状況の問題点を解決し, 究極の無線通信へ近づくブレイクスルーとして, ソフトウェア無線(Software Defined Radio, Software Reconfigurable Radio)が期待されている。本論文では, 環境や応用目的に応じてソフトウェアの変更により通信システム機能を適応できるソフトウェア無線の必要性, 有効性を明確にし, 最近の国内外における研究開発動向を取りまとめるとともに, 実現において克服すべき問題とそのための要素技術を紹介する。 無線通信工学, ソフトウェア工学などの広範な学術領域にまたがる技術の粋を結集して達成できる新たな融合領域であり, 学術的な意義とともに産業界における新システム, サービスの創出へ寄与することが期待される。
著者
山中 大 春山 真一郎 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.302, pp.97-102, 2007-10-25

可視光通信コンソーシアム(VLCC)にて可視光IDシステムの標準化が進行している。また、空間的分離によるノイズ削減、複数情報の同時受信といった利点からイメージセンサが可視光通信における受信機として使用されることが期待されている。可視光IDシステムの通信方式として、変調方式はサブキャリア4PPM(Pulse Position Modulation)、データレートは4.8kbps、サブキャリア周波数は28.8kHzが考えられているが、これに適したイメージセンサは存在していない。そこで私達は、可視光IDシステムの情報を受信するために最適なイメージセンサチップの構成を提案し、実装を行った。今後は設計したイメージセンサチップの評価、更なる改良をしていく予定である。
著者
北野 尚吾 春山 真一郎 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.649, pp.1-6, 2005-01-28
被引用文献数
3

交通事故の削減を目標とするITS(Intelligent Transport Systems)において, ACC(Adaptive Cruise Control)システムの開発が進んでいる.現在, LEDを用いた可視光通信の研究が行われており, さらに次世代ヘッドライト光源としてLEDヘッドライトの研究開発が進められている点に着目をする.本稿ではLEDヘッドライトを用いた車車間通信及び測距システムシステムを提案する.まず, LEDヘッドライトを用いた車車間通信を提案し, 次に測距システムを提案する.このシステムにおける特性を評価し, 車車間通信及び測距システムとして利用することが可能であることを示し, 次世代の車車間通信及び測距システムとして期待できると考えられる.
著者
小幡 実緒 春山 真一郎 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.441-446, 2007-03-01

位置情報を取得する手段としてGPS受信機内蔵携帯電話や携帯電話の基地局情報を利用した測位方法が一般的に用いられている.しかし,屋内や地下街などGPS衛星あるいは基地局からの電波が届かない場所での使用は,電波の遮蔽・捕捉衛星の減少などの要因により大きな誤差を生じるのが実状である.そこで,本稿では屋内環境においても利用可能な高精度な位置サービスを実現するために,6軸センサに可視光IDシステムを組合せることで位置の推定を行うことを提案する.LED照明器具から伝送される可視光IDシステムのID情報を取得することに加えて,6軸センサによって検出される受信端末の傾きデータを利用することで,高精度な位置サービスを提供する.本稿では数値解析により,受信機FOVについて検討すると共に,提案の有用性について述べる.