- 著者
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上田 昌宏
山田 諒
串畑 太郎
永田 実沙
栗尾 和佐子
安原 智久
曽根 知道
- 出版者
- 一般社団法人 日本薬学教育学会
- 雑誌
- 薬学教育 (ISSN:24324124)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, pp.2020-028, 2020 (Released:2020-10-31)
- 参考文献数
- 10
学習方略の適切な設定は,効果的な教育を行う上で必須であるが,方略を比較,検証した研究は少ない.今回,防災に対する意識を涵養するため,シミュレーション(HUG)と講演を組み合わせた学習プログラムをデザインしたが,学習環境の制限により,方略の順序が異なる2クラスでの実施となった.本研究では,順序違いが学習効果に及ぼす影響を検証した.プログラム前後に防災に関するアンケート調査を実施し,Fisherの正確確率検定を行った.その結果,HUG先行群では,災害現場での行動に自信を持ち,上位年次での災害研修への参加意欲につながることが示され,講演先行群では,災害支援への意欲が向上することが示唆された.どちらの方略でも,受講者が災害医療を考えるきっかけとなり,被災地の様子をイメージできることが示された.1回の測定だが,学習効果に違いが出たことから,学習目標に合わせた方略をデザインし,教育を行う必要があることが示唆された.