著者
有薗 育生 邵 俊 太田 宏
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.145-150, 1992-08-15

近年, 古川・太田・加瀬は計数規準型逐次抜取検査の検査履歴が最短格子経路で表される点に着目して, これに基づく計数規準型逐次抜取検査の新しい設計法を提案している.この設計法によれば, 従来の逐次確率比検定に基づくWaldの設計法による計数規準型遂次抜取検査方式の生産者危険と消費者危険が指定値を近似的に満足するものであるのに対して, 両者の危険を確実に指定値以下におさえる検査方式が得られるばかりでなく, 任意の不良率についての検査特性も厳密に算出できるといった特徴がある.本研究では, この最短格子経路に基づく計数規準型逐次抜取検査方式の設計法の特徴を利用して, これまで規定されていなかった計数選別型逐次抜取検査の設計法を新たに提案し, その有効性について考察する.
著者
友廣 亮介 有薗 育生 竹本 康彦
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.519-529, 2014 (Released:2014-03-05)
参考文献数
15

従来,ロット品質はロット中の不適合品数や不適合品率といった計数特性に基づき評価されてきた.一方,不適合品率などの従来の計数特性に基づく品質評価基準に代わる新しい品質評価基準として,計量特性に基づく“品質損失”の概念がTaguchiにより提案された.これを受けて,Arizono et al.は品質損失に関する品質保証の観点にたった新しい計量規準型一回抜取検査を提案している.ところで,検査に要するサンプル数に関して,一回抜取検査でのサンプル・サイズからの削減を目的として,一回抜取検査に代わる繰返グループ抜取検査が考案され,近年でも盛んに研究成果が報告されている.この点に鑑み,本研究では,Arizono et al.による品質損失に関する品質を保証する新しい計量抜取検査の実用性の拡張を考慮して,品質損失に基づく計量規準型繰返グループ抜取検査の設計問題について考察する.
著者
有薗 育生 竹本 康彦
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

生産技術の向上から精密な製造が可能となった近年では,規格値を満たさない不適合品が製造される割合,不適合品率は極めて小さい環境が現実のものとなってきた.ただし,これに対応してより高度な解析技術を組込んだ品質管理システムの設計・開発が急務であった.本研究では,適合・不適合とする従来の品質評価と比べ緻密な評価を与える品質基準を採用して従来の解析技術の高度化を図り,ハイクオリティ環境下での次世代品質管理システムの土台となる方法の確立を実現した.