著者
木内 敬太
出版者
一般社団法人 日本支援対話学会
雑誌
支援対話研究 (ISSN:21882177)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.15-29, 2016 (Released:2018-01-26)
参考文献数
52

近年、成人の発達障害者の支援においては、高等教育、職域ともに、これまでの障害者を見守り、支えるという支援だけでなく、障害者の個性を活かし、活動能力を高めるための積極的な関わりが、支援を行う専門家と、教職員や管理監督者などの非専門家の双方に求められるようになってきている。そこで、クライアントの強みに目を向け、活動能力を高めることに焦点を当てた対話的支援法であり、障害者と関わる非専門家の研修にも応用できる、コーチングへの期待が高まっている。すでに欧米では、発達障害者に対するコーチングの実践と研究が進んでいる。本稿では、ADHD、自閉症スペクトラム障害、学習障害、境界性知的機能を取り上げ、障害の特徴と大学や職場での困難について記述するとともに、各障害に対するコーチングの有効性と日本における発達障害者へのコーチングに関する今後の課題について論じた。発達障害者が他の人々と同等に自立した生活を送れるようにするためには、コーチングにより、修業、日常生活、就職、就労の一貫した支援を行うことが重要である。我が国においてそのような体制を確立するためには、発達障害者へのコーチングの有用性と必要性についての啓発、実践家の養成、発達障害者へのコーチングの効果研究、非専門家のコーチング技能習得の有効性の研究を進める必要がある。
著者
大津 耕陽 西田 勇樹 木内 敬太 林 勇吾
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.285-300, 2022-11-25 (Released:2022-11-25)
参考文献数
21

Although many chatbot applications have been proposed to support mental health care, the effective interaction design for chatbots to assist positive thinking for problem-solving without relying on the content of individual consultation is not clear. In this paper, we developed a chatbot application that can perform conversation tasks based on the Miracle Question, a method of the solution-focused approach. Then we validated that solution-focused interactive task on chatbot helps improve well-being index and active behavior. As a result, the results did not confirm that the proposed conversation task significantly improved the scores on each scale. However, when compared to existing tasks for behavior activation support, the proposed task tended to have a positive effect on improving well-being scores. Our finding has implications for the methodology and difficulties in supporting personal problem-solving based on minimal design.
著者
木内 敬太 青木 安輝 岸 克昌 矢口 明子 山本 立樹
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 = Japanese journal of brief psychotherapy (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.4-16, 2015

本研究では,解決志向アプローチ(SFA)によって促進し得る,職場の肯定的な相互作用を測定するための心理尺度,二層性解決志向コミュニケーション尺度(BSIS:Bi-1evel Solution-focused Interaction Scale)を開発し,その信頼性と妥当性を検討した。第1研究では,SFAの実践家85名を対象に自由記述式の質問紙調査を実施し,質問項目を作成した。第2研究では,SFAの実践家と製造業企業の従業員を対象に質問紙調査を行い(n=536),尺度構成を行った。第3研究では,別の製造業企業の従業員を対象に質問紙調査を行い(n=211),尺度の信頼性と妥当性を検討した。本研究によりBSISの信頼性と妥当性が確認された。今後本尺度によって職域におけるSFAの研究と実践が促進されることが期待される。
著者
木内 敬太
出版者
一般社団法人 日本支援対話学会
雑誌
支援対話研究 (ISSN:21882177)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.15-29, 2016

近年、成人の発達障害者の支援においては、高等教育、職域ともに、これまでの障害者を見守り、支えるという支援だけでなく、障害者の個性を活かし、活動能力を高めるための積極的な関わりが、支援を行う専門家と、教職員や管理監督者などの非専門家の双方に求められるようになってきている。そこで、クライアントの強みに目を向け、活動能力を高めることに焦点を当てた対話的支援法であり、障害者と関わる非専門家の研修にも応用できる、コーチングへの期待が高まっている。すでに欧米では、発達障害者に対するコーチングの実践と研究が進んでいる。本稿では、ADHD、自閉症スペクトラム障害、学習障害、境界性知的機能を取り上げ、障害の特徴と大学や職場での困難について記述するとともに、各障害に対するコーチングの有効性と日本における発達障害者へのコーチングに関する今後の課題について論じた。発達障害者が他の人々と同等に自立した生活を送れるようにするためには、コーチングにより、修業、日常生活、就職、就労の一貫した支援を行うことが重要である。我が国においてそのような体制を確立するためには、発達障害者へのコーチングの有用性と必要性についての啓発、実践家の養成、発達障害者へのコーチングの効果研究、非専門家のコーチング技能習得の有効性の研究を進める必要がある。