著者
菅原 正則 松田 圭大 木幡 行宏 畑山 良二 川端 伸一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.I_274-I_282, 2023 (Released:2023-02-22)
参考文献数
17

ガラス発泡軽量材は廃ガラスを原料とするリサイクル軽量材である.寒冷地においてガラス発泡軽量材を地盤材料として使用する際は,凍上性や凍結融解抵抗性の確認が必要であるが,それらを検討した事例は非常に少ない.本研究は,ガラス発泡軽量材に対して凍上試験や熱伝導解析を行い寒冷地での適用性を検討したものである.軽量材は,非凍上性材料であり,凍結融解後のCBR値の低下もみられない良質な材料であった.また,粒子内に多くの間隙が存在することが確認され,その効果により一般的な砕石と比較して優位な熱的性質であることを示した.さらに,車道舗装の凍上抑制層や路盤に軽量材を用いたモデルを作成し,凍結深さの抑制効果を熱伝導解析によって明らかにした.
著者
竹内 康 木幡 行宏 関根 悦夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.45-53, 2012 (Released:2012-10-19)
参考文献数
22
被引用文献数
4 7

アスファルト舗装の多層弾性構造解析において,路床の弾性係数は重要な入力パラメータであり,1990年代以降には,室内実験によって輪荷重の作用を想定した路床材料のレジリエントモジュラスの測定が精力的に行われてきた.しかし,レジリエントモジュラスは応力状態に依存する非線形弾性係数であり,構造解析が複雑になるため,日本の舗装設計関連図書では設計事例が示されていないのが現状である.本研究では,既往のデータを再整理してレジリエントモジュラスの整理方法について検討するとともに,多層弾性構造解析において簡易にレジリエントモジュラスを用いる方法を提案した.
著者
木幡 行宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.618-627, 2006 (Released:2006-10-20)
参考文献数
25
被引用文献数
4 6

流動化処理土は,各種構造物の裏込めや地中構造物の埋戻しの際に適切な締固めができない場合に対して建設発生土を有効に利用するために開発されたものであり,締固めが不要で適度な流動性を持たせた泥状の土に固化材を適量に混合して固化効果を期待することが基本概念である.近年,社会的に再資源化が大きな時流となり,都市部で流動化処理土が広く利用されるようになってきた.本論文では,流動化処理土の実績と動向を概観し,埋戻し材として用いられる低強度の流動化処理土とシールドトンネルのインバート材に用いられる流動化処理土の力学特性を概説するとともに,靭性を改善して耐震性を向上させるために繊維質材料を流動化処理土に混合した繊維材混合流動化処理土の力学特性を述べる.また,今後の流動化処理土における課題について述べる.
著者
澁谷 啓 川口 貴之 鳥居 宣之 木幡 行宏 石川 達也 齋藤 雅彦 中村 努 加藤 正司
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,ジオシンセティックスを用いたL型排水盛土防水工を,補強土(テールアルメ)壁工法に適用し優れた効果を確認した.谷埋め盛土など背面側からの浸透水が懸念される箇所で有効に機能するものと思われる.排水機能が健全な状態では震度 6 強~7 強震動観測地区であっても被災を免れると考えられる.また,スラグおよびスラグ混合土を用いた土層の変位量が一般土を用いた場合より小さいこと,また,スラグ補強土壁の盛土造成時の締固め度 80~85%程度でも安全率が Fs=1.6 以上確保できた事実よりスラグ補強土壁が施工性に安全であると判断される.