著者
竹内 康浩 西崎 恒男 高城 晋 馬淵 千之
出版者
社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.563-571, 1972 (Released:2011-03-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

Large amount of organic solvents is used in the processing industries and most of these industries are medium or small enterprises. Therefore, health of workers working there is liable to be disturbed by organic solvents. And as the workers exposed to organic solvents usually complain of indefinite oilments, recently health of workers exposed to organic solvents became to be studied endocrinologically and neurologically.Two workers exposed to organic solvents in a paints industry consulted us and complained of dizziness, headache, tinnitus, insomnia, slight fever, disturbance of appetite, decrease of body weight, cramp of lower extremities, etc. And in our clinical examination, hypofunction of diencephalon-hypohysis-adrenal cortex system, hypesthesia on one side, continuous slight fever, slight orthostatism, abnormal EEG etc. were found and diagnosed as diencephalon syndrome.Working conditions were investigated. This paints industry is medium enterprise but the work room where the two patients were working was small and ventilated not sufficiently. And it was found that the two worker were being exposed to toluene vapor of which concentration ranged from several hundred ppm to one thausand and several hundred ppm and to smaller concentration of other organic solvents. Therefore, it was thought that the disorders of these two patients were caused chiefly by exposure to toluene vapor.The two patients were detached from the work place and treated in our hospital, but disorders of them were not rapidly improved.In view of these serious health disorders of the two workers, we think it is very important that the toxicity of organic solvents should be still more studied especially concerning the effect to the endocrine and nervous systems, and that the working conditions in work place using organic solvents should be still more improved for prevention of organic solvent poisoning.
著者
田近 肇 片桐 直人 重本 達哉 大石 眞 竹内 康博
出版者
近畿大学
雑誌
科学研究費助成事業研究成果報告書 (2016)
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2017

研究成果の概要(和文):本研究では、イタリア、ドイツ、オーストリア及びフランスの4か国の墓地埋葬法制の全体像を明らかにし、それらの国々において①墓地を設置するのは原則として市町村であり、市町村は住民に対して墓地を提供する義務を負うものとされていること、②市町村が墓地を規律するに際し、宗教的少数派の信教の自由に配慮して一定の積極的施策が行われていることを明らかにした。③また、墓地の規律において、公衆衛生の確保、個人の信教の自由以外に、土壌・水質の保護といった環境利益、歴史的な文化財の保護といった文化的な利益、都市計画との適合性も考慮されていることを明らかにした。研究成果の概要(英文):Through this study, we analyzed cemetery laws in the European nations, such as Italy, Germany, Austria and France, and clarified (1) that cemeteries are usually managed by the local public entities and these entities have the legal duty to offer cemeteries to their residents in those nations and (2) that some accommodations are made in order to assure the religious freedom of religious minorities. We also clarified that, besides the religious freedom and the sanitary interests, some environmental interests, like protection of soil and water, some cultural interests, like protection of historical assets, and the coherence to the city plan are taken into consideration in regulating cemeteries.
著者
鈴木 崇文 岩見 真吾 竹内 康博
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.473-486, 2008
参考文献数
18

2005年9月中国で実施された家禽の鳥インフルエンザウイルスに対するワクチン接種政策を例に数理モデルを考える.解析の結果,大変興味深いことに,家禽へのワクチン接種率を上げることが,総感染個体数を増加させうることを発見した.つまり,感染個体数を減少させるための家禽に対するワクチン政策が,感染個体数の増加を引き起こしている.本論文では,こういった「ワクチン政策のパラドックス」について詳しく報告する.
著者
竹内 康浩
出版者
公益財団法人史学会
雑誌
史學雜誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.115, no.1, pp.三五-五三, 2006-01-20

Suigongxu is a bronze vessel that has appeared in the research literature as of late and which many scholars believe dates back to the middle of the Western Zhou period. The vessel contains a long inscription of about 100 characters, the content of which has been rendered as unique. In particular, two aspects of the inscription stand out. One is the appearance of a mythological character Yu禹; the other, the use of the term tianxia天下(the world). Neither terms have appeared in the available source materials on the period to date and therefore have been lauded as new insights into Western Zhou thought and culture. However, we do not know the circumstances surrounding the archeological discovery of the vessel, and both its construct and inscription differ greatly from what has been identified to date as "Western Zhou" style bronzeware and prose. Based on such doubts, the author of the present article discusses the content of the vessel's inscription and comes to the conclusion that great caution should be taken in assuming that at face value the vessel will shed new light on the period in question. What has to be debated first is whether it is a genuine Western Zhou period bronze artifact or not.
著者
鈴木 崇文 岩見 真吾 竹内 康博
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.473-486, 2008-09-25 (Released:2017-04-08)
参考文献数
18

2005年9月中国で実施された家禽の鳥インフルエンザウイルスに対するワクチン接種政策を例に数理モデルを考える.解析の結果,大変興味深いことに,家禽へのワクチン接種率を上げることが,総感染個体数を増加させうることを発見した.つまり,感染個体数を減少させるための家禽に対するワクチン政策が,感染個体数の増加を引き起こしている.本論文では,こういった「ワクチン政策のパラドックス」について詳しく報告する.
著者
竹内 康浩
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.115, no.1, pp.35-53, 2006

Suigongxu is a bronze vessel that has appeared in the research literature as of late and which many scholars believe dates back to the middle of the Western Zhou period. The vessel contains a long inscription of about 100 characters, the content of which has been rendered as unique. In particular, two aspects of the inscription stand out. One is the appearance of a mythological character Yu禹; the other, the use of the term tianxia天下(the world). Neither terms have appeared in the available source materials on the period to date and therefore have been lauded as new insights into Western Zhou thought and culture. However, we do not know the circumstances surrounding the archeological discovery of the vessel, and both its construct and inscription differ greatly from what has been identified to date as "Western Zhou" style bronzeware and prose. Based on such doubts, the author of the present article discusses the content of the vessel's inscription and comes to the conclusion that great caution should be taken in assuming that at face value the vessel will shed new light on the period in question. What has to be debated first is whether it is a genuine Western Zhou period bronze artifact or not.
著者
竹内 康二 園山 繁樹
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.88-100, 2007 (Released:2017-06-28)
被引用文献数
4

これまで様々な自己管理スキルを発達障害児者の問題に適用した研究が行われてきたものの、自己管理の方略を体系的に整理することは十分にはなされていない。そこで本論文では、様々な自己管理スキルを応用行動分析学的観点から体系的に整理し、自己管理を計画、実施、評価、分析、支援するための新たな枠組みとして「自己管理スキル支援システム」を提案することを目的とした。「自己管理スキル支援システム」は、(1)「標的行動の定義」、「弁別刺激の整備」、「自己記録」からなる手続きの段階、(2)「目標やルールの設定」と「自己評価」からなる手続きの段階、(3)「強化子(または弱化子)の選択・準備」と「自己確立操作」、「自己強化(自己弱化)」からなる手続きの段階の3つの段階から構成されるものであり、また競合行動への介入にも焦点を当てるところに特徴がある。この「自己管理スキル支援システム」の利点を「支援付き自己管理」の観点から考察した。
著者
小井田 久実 園山 繁樹 竹内 康二
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.120-130, 2004-06-30

PECS(The Picture Exchange Communication System)は、自閉性障害児や発達障害児に対して、自分から始発する機能的なコミュニケーション行動を比較的短期間で教える訓練方法であり、FrostとBondyにより開発された。PECSは拡大・代替コミュニケーションの領域で確立され、その理論的背景には応用行動分析学の原理が組み込まれている。PECSトレーニングマニュアルの初版が1994年に、改訂版が2002年に出版された。PECSでは最初に、欲しい物を表す絵カードを聞き手に手渡して、欲しい物の実物を受け取ることから教え、最終的には、絵カードを用いて文を作ることや、要求行動の一部として色や形などの属性の理解と表現を促すこと、簡単な質問に答えることなどを教える。PECSは、叙述言語行動としての機能よりも先に要求言語行動としての機能を発達させることを強調する。本論文では、PECSの特徴、その具体的手続き、PECSによるコミュニケーション訓練の効果、今後の課題について述べた。
著者
田島 恵莉香 富永 大志 高橋 遼 吉村 久仁子 服部 潤 竹内 康雄
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.599-604, 2019 (Released:2019-10-30)
参考文献数
19

カフェイン過量摂取の報告は本邦でも年々増加傾向にある. 本稿ではカフェインの大量服用から急性カフェイン中毒に至ったが, 急性期に血液透析を施行し, 良好な経過をたどった症例を経験したので報告する. 症例は基礎疾患のない32歳女性, 市販の眠気予防薬にてカフェイン24gを自殺目的で摂取後, 嘔吐, 振戦を認め, 当院へ受診となった. 来院時患者は興奮状態であり, 頻脈, 頻呼吸, 振戦, 発汗, 筋緊張の亢進を認めた. 心拍数は142回/分で二段脈を認めた. カフェイン致死量を超える24gを摂取しており, 難治性不整脈の出現が危惧されたため, 血液透析を施行したところ, 速やかに臨床症状は改善し, カフェイン血中濃度も著明に低下した. 致死量を内服した急性カフェイン中毒の症例に対して, 血液透析は有効な治療手段の一つであると考えられる.
著者
竹内 康浩
出版者
北海道教育大学
雑誌
釧路論集 : 北海道教育大学釧路分校研究報告 (ISSN:02878216)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.87-93, 2003-11-30

先に私は『「正史」はいかに書かれてきたか』を著わし、中国の歴史書の成立とその編纂の伝統について若干の考察を試みた。そこにおける問題意識は、中国歴代王朝において執念とでも言うべき情熱を以て行われた正史編纂事業の持つ意味と、正史を編纂するに当たって設けられたさまざまな基準、とを中心とした。しかしそれら以外にもまだ問題がある。即ち、過去に実在しなかったものを実在したかのように記しながら、しかしそれを書いた人物が「捏造」意識を全く持たなかったであろう書き換えが、実は歴史書の中には極めて多数存在するのである。実際には存在しなかった人物が活躍し、実際には存在しなかった地名が各地に散在することとなっても、編纂者はそれを程遠として意識せず、それどころかむしろ細心の配慮を以て書き換えを励行したのである。その書き換えは、編纂者の個人的主観によるものではない。中国に古くから存在する「避諱」という習慣に基づくものである。「避諱」は単なる習慣というレベルを越えて、「同時代の常識による無意識的な表現様式」として、著作を始めあらゆる表現行為に対して影響を与えている。従来は、歴史書編纂という行為について、まさにその「歴史」に関わるという特別な営みの面を余りにも重視してきたのではないであろうか。歴史書編纂という行為に対しても、表現行為一般の中における位置づけを正当に与える必要があり、そのために、過去における「無意識的な表現様式」の部分にも光を当てねばならない、と考えるものである。まさにその問題提起として、本稿は、「避諱」という習慣を取り上げて検討を加えるものであり、まず、その問題意識と方法論とを提示するものである。
著者
佐々木 かすみ 竹内 康二 野呂 文行
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.49-59, 2008

本研究は(1)演奏スキルの形成、(2)家庭における自己練習、(3)演奏発表から構成されるピアノ指導プログラムを自閉性障害児2名に実施し、その効果を各事例に即して検討することを目的とした。(1)ピアノスキルの形成は、楽譜・鍵盤へのプロンプトの配置による「系列指導」、音楽の随伴プロンプトによる「リズム指導」を行った。その結果、系列は速やかに学習し、リズムの学習は2名で異なった獲得経過を示した。(2)家庭における自己練習は、自己記録および録音により演奏そのものが強化子となり練習が維持された。(3)演奏発表は参加児の社会的強化機会だけではなく、参加児に対する周囲の評価が高まる可能性が示唆された。自閉性障害児においてピアノ演奏が余暇として定着するためには、演奏技術の習得、家庭練習における技術の習熟、発表会での社会的強化の経験を含む包括的なピアノ演奏指導の有効性が検証された。
著者
竹内 康雄 田阪 茂樹 梶田 隆章
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究では、まず脱気された純水中からの極微量ラドン分離方法に関して研究を進めた。脱気水中のラドンを安定して効率よく分離するために、中空糸膜モジュールを採用した。市販されている中空糸膜モジュールを本研究用に特注で加工をし、アクリル製の円筒容器に収めてラドン検出器下部に連結した。他の水中ラドン分離手段として、異なる中空糸モジュールのマウント方法や、空気用ポンプを用いる方法も試みたが、いずれも効果的ではなかった。次に、本研究で試作された700L脱気水用ラドン検出器を用いて各種特性試験を行った。700L脱気水用ラドン検出器の水中ラドンに対する校正定数は、14.6±2.1(count/day)/(mBq/m^3)が得られた。これまでスーパーカミオカンデで使用されていた70Lラドン検出器の脱気水に対する校正定数は0.3(count/day)/(mBq/m^3)程度であったので、約40倍程度感度が向上したことになる。また、バックグラウンドレベルを考慮すると、700L脱気水用ラドン検出器の水中ラドンに対する検出限界は0.7mBq/m^3に相当する。これらの成果は論文にまとめてNIM A誌に投稿し、受理された。(2002年10月現在)一連の成果を論文にまとめた後、700L脱気水用ラドン検出器の性能をさらに向上させるため、ウラン238の含有量を約1/50に削減した新しい低バックグラウンドのPINフォトダイオードを試作した。また、検出容器内の電場を最適化することにより、空気中ラドンに対する検出効率を約2倍向上させた。今後は、電場の最適化をした容器と新低バックグラウンドフォトダイオードを用いたラドン検出器を構築し、特性および検出限界について研究を進めていく予定である。
著者
西澤 辰男 寺田 剛 藪 雅行 小梁川 雅 竹内 康
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.22-00309, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
25

FWD試験によってコンクリート舗装の荷重支持性能を評価するための逆解析法において,重錘落下によるFWD荷重の動的効果が構造評価に及ぼす影響について調べた.土木研究所円形走行路にコンクリート舗装を建設し,49kN換算輪数520万輪を走行させながら定期的にFWD試験を行った.このFWD試験結果を静的逆解析法と本研究で新たに開発した動的逆解析法によって解析し,劣化Stage,層弾性係数,曲げ応力を求めた.中央部の劣化Stageはほぼ同様の評価となった.目地部においては動的逆解析法による方がやや厳しい判定となったが,劣化が進んだ場合はほぼ同様であった.曲げ応力については,動的逆解析法による方がやや大きな値となった.層弾性係数についてはばらつきが大きく両者に明確な相関は得られなかった.
著者
竹内 康剛 山本 英樹
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.571-574, 2013 (Released:2014-04-03)
参考文献数
8
被引用文献数
3

Background: We experienced 2 cases of axillary artery injuries complicating proximal humeral fracture. Preoperative CT images were evaluated retrospectively in patients with proximal humeral fractures who underwent surgery in our hospital. The purpose of this study is to evaluate the association between the medial displacement of the humeral shaft and axillary artery injuries.Methods: A total of 27 patients with proximal humeral fractures who underwent open reduction and internal fixation between April 2010 and March 2012 were included in this study. There were 11 men and 16 women with a mean age of 63.0 years (24 to 92 years). We retrospectively evaluated preoperative CT images, and the distance between the medially displaced humeral shaft and the axillary artery was assessed.Results: Axillary artery injury was observed in 2 patients. The distance between the medially displaced shaft and the axillary artery showed a significant difference between the group with axillary artery injury (injury group: Group I) and the group without axillary artery injury (non-injury group: Group NI).Discussion: We consider that there is a risk of axillary artery injuries at the time of injury or reduction when patients have remarkable medial displacement of the shaft in a proximal humeral fracture, regardless of the AO classification, and therefore require adequate attention. We suggest that patients with remarkable medial displacement of the shaft in a proximal humeral fracture undergo preoperative CT angiography or doppler ultrasound to evaluate the risk of axillary artery injury.