著者
桑江 朝比呂 三戸 勇吾 有川 太郎 石川 洋一 木所 英昭 澁谷 容子 志村 智也 清野 聡子 羽角 華奈子 茂木 博匡 山北 剛久 李 漢洙 金 洙列 久保田 真一 倉原 義之介 辻尾 大樹 二宮 順一 伴野 雅之 古市 尚基 安田 誠宏 森 信人 武若 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.1-17, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
67

今後の我が国の沿岸分野における気候変動対応で取り組むべき課題について,どのような内容に研究者が関心を抱いているのか検討された例はない.そこで,気候変動に関連する様々な学会に対してアンケートを実施した.その結果,「気温・海水温」,「生物多様性の減少」,「海面上昇」,「極端気象・気候」,「温室効果ガス」,「生態系サービスの劣化」,「台風・低気圧」,「水産物の減少」,「国土減少・海岸侵食」,そして,「漁業管理」が優先すべき課題の上位10キーワードとして選択された.すなわち,自然現象や人間活動への影響に関する課題解決の優先度が高く,緩和・適応策の優先度は低かった.これらのキーワードの選択理由について考察するとともに,我が国における現状と今後の課題や展望について,キーワードごとにとりまとめた.
著者
木所 英昭 安木 茂 志村 健 加藤 修
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-6, 2005-03 (Released:2011-03-05)

日本海で漁獲されるマアジTrachurus japonicusの多くは東シナ海で生まれ、対馬海峡を通って日本海に来遊する。本研究はその移入経路を明らかにする目的で行った。調査は、加入前のマアジの分布、および対馬暖流との関係を調べるために3隻の調査船によって中層トロールネットを用いて2002年5月下旬~6月上旬に実施した。中層トロール試験では、実施した48回の曳網中、42回の曳網(最大474個体、平均38.2個体)でマアジを採集した。各調査点で採集したマアジの平均尾叉長は28.3~54.2mm(平均40.2mm)であり、これまでの飼育個体の成長記録を基に4月から5月上旬に生まれたと判断した。沿岸分枝流域で加入前のマアジを多く採集したが、沖合分枝流域ではほとんど採集できなかった。この結果は多くのマアジは加入前に対馬暖流の沿岸分枝から日本海に来遊することを示している。