著者
高 裕也 二宮 順一 森 信人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_175-I_180, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
9

現在気候実験3,000年(60年×50メンバ)および将来気候実験5,400年(60年×90メンバ)の大規模アンサンブル気候予測データ(d4PDF)を用いて,日本海沿岸における低頻度気象災害要因の一つである爆弾低気圧に対する気候変動の影響評価を実施した.現在気候および将来気候からの爆弾低気圧抽出結果から,発生個数にはほとんど将来変化はないが,最低中心気圧の強度は将来的に増加する傾向があることがわかった.また,日本沿岸域に被害を及ぼす可能性がある爆弾低気圧について解析した結果,全体に占める台風並みに発達する爆弾低気圧の割合が増加し,特に中心気圧の強度も増加する傾向を示した.
著者
桑江 朝比呂 三戸 勇吾 有川 太郎 石川 洋一 木所 英昭 澁谷 容子 志村 智也 清野 聡子 羽角 華奈子 茂木 博匡 山北 剛久 李 漢洙 金 洙列 久保田 真一 倉原 義之介 辻尾 大樹 二宮 順一 伴野 雅之 古市 尚基 安田 誠宏 森 信人 武若 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.1-17, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
67

今後の我が国の沿岸分野における気候変動対応で取り組むべき課題について,どのような内容に研究者が関心を抱いているのか検討された例はない.そこで,気候変動に関連する様々な学会に対してアンケートを実施した.その結果,「気温・海水温」,「生物多様性の減少」,「海面上昇」,「極端気象・気候」,「温室効果ガス」,「生態系サービスの劣化」,「台風・低気圧」,「水産物の減少」,「国土減少・海岸侵食」,そして,「漁業管理」が優先すべき課題の上位10キーワードとして選択された.すなわち,自然現象や人間活動への影響に関する課題解決の優先度が高く,緩和・適応策の優先度は低かった.これらのキーワードの選択理由について考察するとともに,我が国における現状と今後の課題や展望について,キーワードごとにとりまとめた.
著者
間瀬 肇 Tracey H. TOM 池本 藍 志村 智也 安田 誠宏 森 信人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_115-I_120, 2014 (Released:2014-10-01)
参考文献数
6

地球温暖化対策およびエネルギー安全保障の観点から,再生可能エネルギー利用のさらなる進展が必要である.風力エネルギーは風速の3乗に比例して増加するが,経済性の向上には風況の良い場所の選定が重要となる.経済性の目安としては,ハブ高さ80mにおいて年間平均風速が7m/s以上とされている.陸上においては,全国風況データ,500mメッシュで解析した風況マップや風配図が提供されているが,日本沿岸海域においては,詳細な風況・波浪マップはまだ提供されていない.本研究は,今後の洋上風力発電施設の設置場所選定に役に立つように日本沿岸海域の風況・波浪マップを作成し,風と波の概況を把握するものである.
著者
高 裕也 二宮 順一 森 信人
出版者
土木学会 = Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:18808751)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_175-I_180, 2018

現在気候実験3,000年(60年×50メンバ)および将来気候実験5,400年(60年×90メンバ)の大規模アンサンブル気候予測データ(d4PDF)を用いて,日本海沿岸における低頻度気象災害要因の一つである爆弾低気圧に対する気候変動の影響評価を実施した.現在気候および将来気候からの爆弾低気圧抽出結果から,発生個数にはほとんど将来変化はないが,最低中心気圧の強度は将来的に増加する傾向があることがわかった.また,日本沿岸域に被害を及ぼす可能性がある爆弾低気圧について解析した結果,全体に占める台風並みに発達する爆弾低気圧の割合が増加し,特に中心気圧の強度も増加する傾向を示した.
著者
澁谷 容子 中條 壮大 金 洙列 森 信人 間瀬 肇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_217-I_222, 2016 (Released:2016-11-15)
参考文献数
9

地球温暖化による様々な沿岸外力の変化(海面上昇や波浪特性の変化,台風特性の変化など)に伴う様々な影響評価が行われている.本研究では,第二室戸台風を基準として台風の将来変化に伴う大阪湾を対象とした高潮災害の感度評価を行い,その再現期間を推定した.台風経路を変化させ,最悪経路の算出を行った後,最悪経路および台風強度の増加による高潮偏差と浸水範囲の算定を行った.さらに,確率台風モデルを用いて,最大クラス群の台風の再現期間を推定した.その結果,第二室戸台風が大阪港にとって最も危険な経路を通過した場合,第二室戸台風より高潮偏差が1.3 m高く,その経路の再現期間は21年であることが示された.また,最悪経路を通り,将来台風の強度が増大した場合,淀川流域以外で浸水し,さらに海面上昇が加わると,大阪市一帯も浸水する結果が得られた.
著者
竹原 幸生 江藤 剛治 鈴木 直弥 高野 保英 森 信人 水谷 夏樹 THORODDSEN Sigurdur T.
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

大気-海洋間の気体輸送現象に対するホワイトキャップの影響を明らかにするため,3台の高速ビデオカメラを用いた画像計測法により,風波界面近傍の流れ場計測技術を開発し,ホワイトキャップが生じている近傍の流れ場を明らかにした.さらに,気流と風波発達の関係も画像計測により明らかにした.また,砕波により生じた気泡の特性を画像計測により明らかにした.さらに,全球規模での大気-海洋間の気体輸送に対する砕波の影響も現地計測データや衛星データを用いて評価した.
著者
森 信人 高木 友典 間瀬 肇 安田 誠宏 島田 広昭
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_457-I_462, 2015

日本海沖では,稀に冬季を中心に急速に発達し台風並みの暴風雨をもたらす温帯低気圧が発生する.一方,太平洋沖では,夏季に台風が接近または上陸し,両者は沿岸部に大きな被害をもたらす.近年の研究により,波浪のスペクトル形状から最高波高<i>H</i><sub>max</sub>の頻度や期待値を求めるという方法が提案されている.しかし,実際の気象条件下で,どの程度の精度で推定可能かは不明である.そこで本研究では,ここ数年で特徴的な気象擾乱である,2012年4月に発生した日本海低気圧と同年9月に発生した台風1216号,および2014年10月に発生した台風1418号を対象に,スペクトル型波浪モデルを用いて有義波高<i>H</i><sub>1/3</sub>および最高波高<i>H</i><sub>max</sub>の推計を行った.
著者
森 信人 志村 智也 Mark HEMER Xiaolan WANG
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_115-I_120, 2017 (Released:2017-10-17)
参考文献数
13

気候変動による沿岸域への影響が懸念されており,2012年のIPCC第5次報告書(AR5)以降,波浪の将来変化予測についての成果が発表されている.しかし,平均波高についての将来予測結果が多く,年最大波や数年に一度の高波についての将来予測は少ない.本研究では,様々なアンサンブル予測結果を用いることにより,高波の将来変化を対象に放射強制力,親モデルとなるGCMおよび波浪モデル等による不確実性の評価を行った.さらに海域毎の高波の将来変化特性についても検討を行った.高波の将来変化の空間分布は平均波高の将来変化と類似するが,台風経路の将来変化が重要であることがわかった.
著者
間瀬 肇 安田 誠宏 池本 藍 Tracey H. A. TOM 森 信人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_1204-I_1208, 2012 (Released:2012-09-18)
参考文献数
3

洋上風力発電施設のオペレーション,タンカーの港への入港判断,フェリーの運航判断,マリンレジャーの計画等に利用可能な風と波浪の予測情報の予測・表示システムを開発した.予測情報は,リードタイム,予測期間,利用目的によって予測値の利用価値が決まる.洋上風力発電施設のオペレーション・アンド・メンテナンスの工程計画には1週間先,ケーソン据付等の港湾・海洋工事に対しては3~4日先,海水浴,サーフィン,ヨット等の海浜・海域利用では2~3日先の情報が必要であるので,それらに応じた予測情報を得られるようにしたシステム開発を行った.
著者
間瀬 肇 安田 誠宏 Tracey H. TOM 森 信人 中條 壮大
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_1451-I_1455, 2012 (Released:2012-11-15)
参考文献数
10

At present, a floating type wind farm project located offshore Kabashima Island in Nagasaki Prefecture, Japan, is being performed. The present paper examined the validity of wind and wave predictions by statistically comparing predicted values with measured data recorded at the project site. The wind and wave prediction system is an integration of individually developed GFS-WRF-SWAN and GFS-HAGPV-SWAN prediciton systems. Satisfactorily good agreement between prediction and observation was found when evaluationg the indicies of correlation coefficient, root mean square error, and Brier score. The prediction system is shown to be useful for obtaining vital offshore wind and wave information.
著者
森 信人 田中 遼 中條 壮大 安田 誠宏 間瀬 肇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_146-I_150, 2011

Since ship captured accidents have been frequently occurred around Japan, it is sometimes regarded as freak wave as a cause of these accidents. Generally effects of swell are not well considered for wind wave modeling and their contributions to wave height statistics are unknown. A series of the wind-wave experiments was carried out using a wind-wave tunnel and numerical experiments using spectral wave model were also conducted. The energy growth of pure windsea and swell-windsea fields are analyzed in detail. The swell effects on the wave statistics, such as kurtosis and skewness are investigated. The effects of swell enhace the extreme waves if the windsea energy is close to the swell.
著者
笹塲 育子 上田 智章 山森 信人 佐久間 春夫
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.3-17, 2016 (Released:2017-10-29)
参考文献数
32

今日, 競技力向上に必要不可欠な一側面として心理面の強化が世界的に認知されており, メンタルトレーニングはその代表的なアプローチの一つである. その効果については, 定性的・定量的両側面からの評価が望ましいが, 未だ多くがアスリートの主観的な報告に留まっており課題である. また, 世界レベルのエリートアスリートが体験している高強度なプレッシャーについて, 実験室と実際の競技現場では大きなギャップが生じていることに着目する必要がある. そこで本研究では, 実験室で習得されたメンタルスキルが実際の競技場面においてどのように応用され機能しているのかについて, パフォーマンス直前の集中状態を含めたメンタルトレーニングの効果を明らにすることを目的とした. 実験1では, エリートアスリート (個人採点競技種目オリンピック代表選手1名) を対象に実験室において20日間の呼吸法トレーニングを実施し, さらに競技場面への応用について検証した. 実験室場面および競技場面でのトレーニング効果は, 生理的指標, パフォーマンス指標, 内省報告の多面的な側面から検討を行った. さらに, 実験1の結果に基づいて実験2では, 類似した競技特性を持つ学生選手への適用を試みた. 結果, 生理的指標からはStress Eraser (SE) ポイントの増大および呼吸数の減少により呼吸法トレーニングの効果が実証された. 加えて, パフォーマンス指標からは呼吸法トレーニングの実施が競技成績の向上に役立ちパフォーマンス直前の適切な集中状態をつくりあげるセルフコントロールスキルの一つとして機能していたことが示唆された. 最後に, 内省報告からは, アスリートが主観的に感じていた呼吸法習得過程の困難さやトレーニング効果, また実験室場面と競技場面とのズレが, SEポイントや呼吸数などの生理的指標の結果と一致していたことなどが明らかとなった.
著者
中條 壮大 藤木 秀幸 金 洙列 森 信人 澁谷 容子 安田 誠宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_199-I_204, 2015
被引用文献数
1

比較的高緯度に位置する東京湾では,大きな高潮災害の観測例が少ない.しかし,極低頻度とはいえ高リスクの都市災害に備える必要性から,過去約80年の観測資料から推定される高潮ハザードポテンシャルの定性的評価を行った.東京湾近傍を通過した過去の台風資料から,危険高潮イベントを引き起こすであろう台風特性の変化シナリオを推定した.それらを既往の台風経路上に換装し,非線形長波方程式モデルによる予測計算を実施した.その結果,過去データにもとづく東京における高潮ポテンシャルは最大で約1.8 m程度と見積もられた.また,吹き寄せや湾水振動の作用が強い北進の経路は、東京湾にとって危険性が高いことを示した.特に危険な経路においては,台風接近時の湾口方向の吹き寄せ,および通過後の外力の解放と風向の急変が湾内での振動を卓越させていることを示した.
著者
久保 慎也 二宮 順一 森 信人 馬場 康之 水谷 英朗 久保 輝広 内山 雄介 渡部 靖憲 山田 朋人 大塚 淳一 猿渡 亜由未
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_487-I_492, 2016

台風イベント時の水温躍層の破壊・再形成のプロセスに着目して,観測データの解析を行うことでプロセスの経過について検討した.水温躍層は水域内の流動に大きな影響を与え,水質問題が生じる要因にもなるため,詳細な現象の把握が求められている.そこで本研究では,台風イベント時の観測データからブラント・バイサラ振動数およびリチャードソン数を算出し,成層の安定性を評価した.その結果,密度成層期には,まず高波浪により成層の安定が崩され強風により更に不安定さが促進されるという仮説を得た.また,混合期は成層が不安定で,台風接近前からシア流の不安定が生じていて混合が生じていることがわかった.これらの結果を踏まえて,更にTS図を作成し混合期の水塊の特性を評価した.
著者
森 信人 鈴木 崇之 木原 直人
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
no.53, pp.425-432, 2009

沿岸域における台風時の強風時の表層近くの強混合鉛直混合を対象に着目し,現地観測と数値計算を実施した。両者の解析結果から台風接近時に顕著な水温の低下が観測され,極浅海で生じる低温水が沖に輸送されて沿岸部の水温を低下される。海面での海面粗度やTKEフラックスを波浪のスペクトルから与えることにより,台風最接近時の水温低下が再現されている。Since major driving forces of vertical mixing processes are wind and wind wave mixing, the boundary condition of turbulent kinetic energy flux at the ocean face is formulated as cubic of friction velocity by Craig-Banner relation. It is not well verified in general conditions including wave conditions and shallow water environment. This study estimates effects of wave conditions on vertical mixing processes at the ocean upper layers in the stormy condition. The field observation was conducted during typhoon Melor in 2009. The observed water temperature distributions indicate importance of wind and wave induced mixing in the nearshore. The numerical results show that the wave induced vertical turbulent flux significantly influences on the water temperature and the current, respectively.
著者
岩部 紫織 森 信人 中條 壮大 安田 誠宏 間瀬 肇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_1465-I_1470, 2016

観測資料にもとづき,過去に観測された高潮イベントから特定地点の高潮偏差の長期評価を行うことは難しい.この為,サンプル数を確保するための手法と,精度の高い高潮偏差を求める統計モデルの開発が求められている.本研究では,確率台風モデルとニューラルネットワークを用いて,三大湾を対象とした気候変動を考慮した高潮の長期評価を行った.まずニューラルネットワークを用いて,台風情報のみから最大高潮偏差を予測するモデルの構築を行い,その精度検証を行った.ついで,台風の将来変化を考慮した高潮偏差の将来予測を行い,高潮偏差の出現確率分布及び再現期間の将来変化を推定した.
著者
間瀬 肇 森 信人 竹見 哲也 安田 誠宏 河合 弘泰 黒岩 正光
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,温暖化シナリオにもとづく気候変動予測結果をもとに,将来の台風災害,高波の予測災害,高潮災害について定量的な予測方法を確立することを試みた.日本周辺の高波・高潮予測に際しては,適切な台風イベントの抽出とその評価,そして高波・高潮の数値予測が重要となる.このため, 地球温暖化予測結果の下,将来の台風の予測を行った.ついで力学的・統計手法に基づく高波・高潮数値予測モデルを用い,温暖化に伴う高波・高潮災害の予測と評価を行い,将来気候における日本周辺の高波・高潮の顕著な増加を明らかにした