著者
木村 悠
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2021-04-01

ナトリウム利尿ペプチドは不全心筋より分泌される抗心不全ホルモンとして知られているが、脂肪組織への作用は明らかではない。当施設の先行研究では、循環不全による組織低温環境やインスリン抵抗性をきたす重症心不全、さらには肥満・糖尿病などの病態に対して、このホルモンがこれまで知られていなかった治療効果(熱産生効果・インスリン抵抗性改善)をもたらす可能性がある。本研究は基礎研究と臨床研究の両面からアプローチし、心臓-脂肪連関という新たな病態概念の確立を目的とする。本研究成果は心不全治療の概念を変え、肥満治療という観点や心不全治療へのResponderを見出すことで新たな治療戦略を提示できるものと考える。
著者
木村 悠人 阿南 雅也 高橋 真 林 秀俊 新小田 幸一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.541-546, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
21

〔目的〕LCS患者の着座動作の運動学的特徴を明らかにすることであった.〔対象と方法〕LCS群24人と対照群18人とした.着座動作の動きを,デジタルビデオカメラを用いて撮影し,各体節および下肢関節の角度と角速度,身体重心(COM)を求めた.〔結果〕下方移動相では,LCS群は膝関節屈曲が有意に小さく,体幹傾斜および股関節角速度の加速と減速の切り替え頻度が高かった.後方移動相では,LCS群はCOMの後方移動と骨盤後傾が大きく,膝関節角速度の加速と減速の切り替え頻度が高かった.〔結語〕LCS群の着座動作において,下方移動相では体幹と下肢の協調性が低下しており,後方移動相ではCOMがより後方に変位するために,より大きな膝関節伸展筋力を必要とする戦略をとっていることが示唆された.