著者
小島 正美 川添 良幸 木村 正行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.263-264, 1996-09-04

インド仏教は、1200年近くに亘ってチベット文化の主流を形成し、チベット人固有の文化に大きな影響を及ぼしてきた.この間に蓄積されたチベット文献資料は、膨大な量の遣産として今日我々に残されている.これらの文献の一部は既に活字化されて再出版されており、その自動認識もインド原典、チベット訳文献、漢訳文献などの研究者の注目を集めている.活字版チベット文字認識において、誤認識の多くは類似文字間で起きている.この問題を解決するために、我々は文字認識の大分類にヒストグラムによる文字構造情報を適用し、次に本稿で提案する「差分重み付きユークリッド距離法」を用いて文字認識実験を行なった.本手法は、コンピュータにより類似文字を自動判別し、さらに類似文字同士がお互いに文字間の特徴を捉えて判別する.これらの認識システムを現在オブジェクト指向設計法でデザインしており、原理的にチベット類似文字以外の他の類似文字の認識にも適応可能である.本認識手法は、特に「含む含まれるパターン」による類似文字に対して有効であることを確認したので報告する.
著者
郭 軍 孫 寧 根元 義章 木村 正行 越後 宏 佐藤 利三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.835-842, 1993-04-25
被引用文献数
12

手書き文字認識の高精度化を妨げている大きな障害の一つに,筆記者それぞれの書き方による文字パターンの不規則な変形が挙げられる.手書き文字の個人差の影響を軽減するために,特徴量抽出やマッチング時にパターンをぼかす手法が提案されている.しかし,これらの手法は文字の変形が大きい場合,有効な手法となり得ず,限界があることは一般的に知られている.本論文では,手書き文字の個人差による変形を矯正し,高精度に認識する新しい手法として余弦整形変換を利用した手書き文字認識アルゴリズムを提案する.提案する余弦整形変換は,入力パターンに対し,余弦関数の部分的な非線形特徴を利用することによって,文字が上下左右のどちらかに偏っている場合に整形する機能と,最も情報量が集中している文字の中心部分を拡張する機能をもっている.提案アルゴリズムの有効性を検証するために,ETL9Bを用いて認識実験を行った.実験では,100次元程度の低次元特徴量を用い,約60万字について認識実験を行った.その結果,学習データセット(奇数セット)では93.24%,未学習データセット(偶数セット)では91.63%,平均で92.44%と高い認識率が得られた.余弦整形変換を使用しない場合に比べ,平均して5%以上認識率が高くなっていることおよび品質の悪いデータセットほど認識率の上昇度が大きいことから,提案する余弦整形変換は手書き文字認識において極めて有効であることがわかった.
著者
木村 正行
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.619-622, 1971-04-20 (Released:2008-04-17)
参考文献数
6
著者
馬場 伊美子 木村正行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.110, pp.183-190, 1994-12-16

文献[1]で提案された文字認識方式を検討する目的で、英字印刷文字認識の大分類実験を行った。実験その1では、ローマン体、ボールド体、イタリック体の各々の大文字と小文字をすべて異なる字種と見なした合計156字種を対象とし、標準パターンの作成に用いたデータを未知入力として、構造情報を活用する大分類実験を行った。その結果、大分類の段階で約95.5%の字種が真の候補1個に確定することが確かめられた。実験その2では、ローマン体の大文字と小文字を認識対象として、種々のプリントデータを未知入力とした。この場合には、標準パターンの作成を工夫すると、真の候補が大分類結果にほぼ100%含まれ、かつ平均候補数を殆ど1個とすることが可能であることが確認された。This paper concerns basically two experiments to examine the method of rough classification which is newly devised with the idea to use the structural information of a character[1]. The one is a rough classification based on the new method, using the same input data as that used to make standard patterns for the classiflcation, and the other is also a rough classification but uses input data other than that used in the former, taking an effect of noise on the classification into account. It has been illustrated from the result of these two experiments that the new method has a big possibility to make a breakthrough in making character recognition much faster.
著者
飯田 栄治 下平 博 木村 正行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.94, no.354, pp.51-60, 1994-11-18
被引用文献数
1 2

8パズル及び一回り大きくした15パズルについて、探索に基づいた解法がこれまでいくつか研究されている。通常、これらのパズルの探索による解法では、ゴール状態までの手数が少し長くなると容易には解けない。また、効率良い探索を行なうためにヒューリスティック関数を考案することも一般に難しい。そこで、今回は8パズルに対し、探索ではなく問題をいくつかの小問題に分割しそれらの各サブゴールに到達するための整列戦略に従って、状態遷移オペレータを次々に適用することにより高速に問題を解決する手法を提案する。また、いくつか例題に対し代表的な探索方法と比較実験を行なったのでその結果を報告する。