著者
半田 大幸 細野 洋平 津田 祐樹 MEZIANI Yahya Moubarak 末光 哲也 尾辻 泰一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.355, pp.45-50, 2007-11-20

2重回折格子ゲートを有する高電子移動度トランジスタ構造からなる2次元プラズモン共鳴型テラヘルツ電磁波放射デバイスを試作し,そのテラヘルツ帯電磁波放射特性を評価した.本素子は,2次元電子走行層内に凝集した電子集団のプラズマ振動量子(プラズモン)を電気的,光学的にコヒーレントに励起し,そのプラズマ振動を種として,2重回折格子型ゲートのアンテナ機構を介して空間放射可能なテラヘルツ電磁波を生成する.プラズモンの励起方法としては,直流バイアスもしくは直流光電流注入によるによる電気的不安定性励起,フォトミキシング励起,フェムト秒レーザ励起などの手法がある.本稿では,直流バイアスおよび直流光電流注入による自励発振モードでのテラヘルツ電磁波放射特性をフーリエ変換赤外分光計で計測した結果を中心に述べる.
著者
塩島 謙次 牧村 隆司 小杉 敏彦 末光 哲也 重川 直輝 廣木 正伸 横山 春喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.521, pp.41-44, 2006-01-12

SiC基板上0.15μmデュアルゲートAlGaN/GaNHEMTミキサーを作製し、DC、及び変調特性を評価した。T字0.15×300μmゲートデバイスは最大相互コンダクタンス40mS, オン耐圧30V以上、オフ耐圧86Vを示した。電源電圧30V、ローカル周波数10GHzにおいて、最大RF出力17dBm, 変換利得7.5dBの特性を示した。ローカル周波数が2GHzから10GHzに増加しても、最大RF出力、及び変換利得の低下はそれぞれ2dB、2.6dBに抑えたれた。これらの結果はゲート長短縮による周波数特性の改善で、AlGaN/GaNデュアルゲートHEMTがX帯までの応用を実現できることを示唆するものである。
著者
尾辻 泰一 ヴィクトール リズィー 末光 眞希 末光 哲也 佐藤 昭 佐野 栄一 マキシム リズィー 吹留 博一 渡辺 隆之 ボーバンガ-トンベット ステファン 鷹林 将 高桑 雄二 吾郷 浩樹 河原 憲治 ドゥビノフ アレクサンダー ポポフ ヴィチェスラブ スヴィンツォフ ディミトリ ミティン ウラジミール シュール マイケル
出版者
東北大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2011

本研究は、グラフェンを利得媒質とする新規なテラヘルツ(THz)レーザーの創出に挑んだものである。第一に、光学励起したグラフェンの過渡応答におけるTHz帯誘導放出の室温観測に成功し、自ら発見したレーザー理論を実証した。第二に、グラフェン表面プラズモンポラリトンの巨大利得増強作用を理論発見し、独自の光ポンプ・近接場THzプローブ分光法により初めて実証に成功した。第三に、独自開発した高品質エピタキシャルグラフェン製膜技術とレーザー素子加工技術を用いて電流注入型グラフェンレーザー素子を試作評価し、100Kの低温下ながら、5.2THzの単一モード発振に初めて成功した。第四に、グラフェンTHzレーザー設計論を構築するとともに、より高利得化が可能な独自構造を理論実験両面から明らかにし、室温THzレーザー発振実現の見通しを得た。