著者
伊藤 友二 澤田 孝幸 今井 和明 木村 尚仁 酒井 士郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.235, pp.23-30, 2000-07-20

金属/n, p-GaN界面の電気的特性をI-V, C-V測定およびI-V-Tシミュレーションにより評価した。金属/n-GaN界面において報告されているショットキー障壁高さやリチャードソン定数のばらつき、障壁高さに対するI-V, C-V測定結果の差異、I-Vショルダーの出現は、障壁高さの不均一性の存在、すなわち、"パッチモデル"によって説明されることを示した。また、金属/GaN界面のフェルミ準位位置について、金属/n, p-GaNショットキー試料のI-V-T特性の測定から、n形およびp形ショットキー障壁高さの和、φ_<bn>+φ_<bp>、がGaNのバンドギャップに近い値となることを明らかにした。
著者
花辺 充広 金子 真也 メジアニ ヤーヤ ムバラク 尾辻 泰一 佐野 栄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.403, pp.83-88, 2006-12-01

InGaP/InGaAs/GaAs高電子移動度トランジスタに二重入れ子型回折格子ゲートと縦型共振器構造を導入したテラヘルツ帯プラズモン共鳴フォトミキサーを試作した。1.5μm帯の単光波連続光(CW)入力、4.0THzの差周波成分を有する二光波CW入力に対する光応答特性を測定した結果、それぞれ光励起二次元プラズモンによる自己共鳴発振、差周波成分による注入同期共鳴発振に相当する明瞭なピーク特性が得られた。さらに、1.5μm帯、70fsパルス光入力に対する電界応答を反射型電気光学サンプリング法により測定した。得られた放射スペクトルには、明瞭なプラズモン振動モードが確認できた。室温条件においてフォトミキサーからのテラヘルツ波放射の観測に成功した。
著者
神保 智子 石川 勝彦 伊藤 雅樹 津金 賢 田辺 義和 斎藤 由雄 富岡 秀起
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.96, no.18, pp.75-82, 1996-04-25
参考文献数
9
被引用文献数
1

ゲート酸化膜の絶縁耐圧に影饗を及ぼす有機物汚染の評価を行った。ゲート酸化-polySi成膿を窒素券囲気下で連続処理した場合、酸化膜の欠陥密度が低減することを確認した。非連続処理の場合に搬送・保管中のウェハ表面に吸着する成分を、大気圧質量分析計を用いた昇温脱離法で解析した。その結果、プラスチック製ウェハカセットケースからの脱ガスである有機物がpolySi成膜時に脱離せず、酸化膜とpolySi界面に残留し、これが欠陥密度増加を引き起こすと考えられる。
著者
岡島 亜希子 松井 龍之介 畑 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.303, pp.31-35, 2012-11-12

金属回折格子の表面近傍を相対論的速度まで加速させた電子ビームを走らせると電磁波放射が得られることは、スミス・パーセル(SP)効果として1950年代から知られている。Urata等が非線形的にSP放射が強まる(超放射)ことを報告して以来、様々な観点からSP超放射の研究が広くなされてきた。とりわけテラヘルツ(THz)自由電子レーザー(FEL)として知られるチューナブルかつテーブルトップ型のTHz放射源を実現するものとして期待されている。SP超放射を得るためには、電子ビームと誘起された表面波の相互作用による電子ビームのバンチ化か重要な役割を果たすとされている。我々は簡素化PIC-FDTD法を用いて、THzの高周波プレバンチ電子ビームによるSP超放射特性の数値解析に取り組んでいる。このモデルでは電子バンチがガウス分布関数で与えられる電荷密度分布を持った単一の粒子であると仮定し、電子バンチの運動を二次元平面に制限している。電子の加速エネルギーが同一であっても、電子ビームのプレバンチ周波数を変化させることによりチューナブルなTHz-SP超放射を得ることができる。我々の知見は、次世代のチューナブル、テーブルトップ型のTHz-SP-FELの開発に新たな道を切り拓くだろう。
著者
左文字 克哉 高木 康文 林田 圭司 大島 直樹 朴 康司 米津 宏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.95, no.37, pp.31-36, 1995-05-18

InP-on-Siヘテロエピタキシーの最大の問題点は格子不整合が8%と大きいことである。そこで、InP-on-Siとほぼ同じ格子不整合を有するInP-on-GaPにおいてInPエピ層の成長様式と貫通転位発生の関係をRHEEDとTEMを用いて調べた。その結果、InP層は1〜2MLで二次元成長から三次元成長へ移行した。また、貫通転位は3〜4MLで発生した。この結果は、貫通転位が三次元成長島の拡大または合体の過程で発生することを示唆する。したがって、エピ層の三次元化を抑制することで貫通転位の発生を低減できると考えられる。そこで、InP-on-Siに対して、格子緩和後も二次元成長を維持する歪短周期超格子(SSPS)を導入し、エピ層の三次元化を抑制することを試みた。その結果、エピ層は二次元的に成長し、貫通転位密度の明らかな低減がみられた。
著者
前澤 宏一 柴田 真吾 高岡 和央 森 雅之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.203, pp.19-23, 2010-09-06

周波数変調信号を用いたFMΔΣアナログ-デジタル(AD)変換器は,高分解能,高いダイナミックレンジが可能というΔΣAD変換器の利点に加えて,高周波動作が容易であるという利点もある.また,この方式は,入力信号をFM信号に変換することにより,容易にアナログ-デジタル変換が可能なため,様々なセンサ一応用が可能である.ここでは,コンデンサマイクロフォン白身を共振器の一部に用いて高周波のFM信号を生成することにより,音響信号を直接デジタル信号に変換できるMEMSデジタルマイクロフォンセンサの可能性について調べた.SU-8を用いた簡易MEMSマイクロフォンと個別デバイスによりプロトタイプデバイスを作製し,その原理動作を実証した.
著者
池田 浩也 サレ ファイズ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.29, pp.17-21, 2010-05-06
被引用文献数
2

シリコン基板上に作製可能な単電子冷却デバイスを提案し,その単電子トンネル動作について理論的評価を行った.その構造は,単電子箱と単電子ポンプを組み合わせた形をしており,半導体ドット内の電子を交流電圧により出し入れして,ドット内電子のエネルギーを低減する.この単電子ポンプ冷却デバイスの等価回路についてクーロンブロッケード条件を計算したところ,ドット内電子数をパラメータとしたハチの巣状の安定状態図(クーロンダイヤモンド)を形成することを見出した.境界線の三重点を囲むように交流電圧をかけたときのデバイス動作について,クーロンブロッケード現象のオーソドックス理論に基づくモンテカルロシミュレーションにより調べたところ,単電子ポンプ動作が実現できることがわかった.それと同時に,半導体ドット内に電子を1個ずつ転送し,複数個の電子を蓄積できることも明らかとなった.
著者
中田 大輔 アブドゥール ラーマン シャハリン ファズリ 白鳥 悠太 葛西 誠也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.437, pp.63-68, 2009-02-19
被引用文献数
2

ナノワイヤ3分岐接合デバイスは,低温から室温までの広い温度領域において特異な非線形特性を示し,論理回路や高周波回路への応用が期待されている.回路応用においては,メカニズムの理解と目的に応じた特性制御が必要である.本稿ではショットキーラップゲートを備えたGaAsナノワイヤ3分岐接合のデバイスの試作とその詳細評価を行い,ショットキーラップゲートやナノワイヤ長が非線形特性および動作速度に与える効果を調べ,非線形特性メカニズムや特性制御について検討を行った.
著者
橋本 修 平地 康剛 佐薙 稔 西野 有 下田 秀昭 天野 義久 川上 英一郎 花澤 理宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.548, pp.49-60, 2001-01-11

2000年の欧州マイクロ波会議の概要を報告する。本会議は30回目となり10月3日から5日までフランスのパリで開催された。今回もEuropean Microwave Week(10月2日から6日)、European Microwave Conferenceを核としGAASとEuropean Wirelessとの合計3つの会議を合体させて開催する方式で行われた。本論文は招待および一般論文の合計は328件であった。本報告では欧州マイクロ波会議での発表を(1)会議の概要、(2)アクティブ関係、(3)アンテナ関連、(4)CAD・解析、(5)ミリ波・光・センシング、(6)パッシブ関係、(7)通信・システム、(8)散乱・放射・環境電磁・人体影響に分けて紹介する。
著者
後藤 文孝 白井 克典 森口 幸久 市村 正也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.96, no.66, pp.33-38, 1996-05-23
参考文献数
13

CdSO_4とNa_2S_2O_3を含み、pH値を釣2.5にした溶液から、ネサガラス(In_2O_3)基板上に、電気化学的堆積(electrochemically deposition)法によりCdS薄膜を作製した。これを窒素、空気、酸素の各雰囲気において200〜500℃で30分間アニールした。He-Cdレーザを用いて77Kでフォトルミネッセンス測定を行うと、窒素雰囲気アニールの場合、アニール温度が高いほど、488nmのバンド始発光は弱くなり、より長波長側に欠陥準位を介した発光が現れた。しかし、空気、酸素雰囲気アニールの場合、アニール温度に関わらずバンド始発光が強く観測され、欠陥準位を介した発光の長波長側へのシフトはみられなかった。また、ピークの幅は、酸素雰囲気アニールの方が狭くなった。
著者
花辺 充広 尾辻 泰一 メチアニ ヤーヤ ムバラク 佐野 栄一 浅野 種正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.137, pp.291-295, 2006-06-26

2重入れ子型回折格子ゲートを有するInGaP/InGaAs/GaAs高電子移動度トランジスタを対象に、光励起2次元プラズマ不安定性を発振源とするテラヘルツ(THz)電磁波放射を室温観測した。低電子濃度プラズモン領域で励起された光電子群は、近傍の高電子濃度プラズモン領域に注入されプラズマ不安定性を誘発する。結果、生じたプラズマ共鳴振動を源とするTHz波放射が得られる。プラズモン領域と素子裏面のITOミラー間に形成される縦型共振器構造の効用により、放射THz波には利得が与えられる。レーザ2光波励起を行なった場合、直流光励起電子により励起された4.5THz近傍の共鳴振動成分が、差周波励起された5.0THzの共鳴振動成分により増強される効果が確認された。THz帯における注入同期発振の可能性を示唆する結果である。
著者
半田 大幸 細野 洋平 津田 祐樹 MEZIANI Yahya Moubarak 末光 哲也 尾辻 泰一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.355, pp.45-50, 2007-11-20

2重回折格子ゲートを有する高電子移動度トランジスタ構造からなる2次元プラズモン共鳴型テラヘルツ電磁波放射デバイスを試作し,そのテラヘルツ帯電磁波放射特性を評価した.本素子は,2次元電子走行層内に凝集した電子集団のプラズマ振動量子(プラズモン)を電気的,光学的にコヒーレントに励起し,そのプラズマ振動を種として,2重回折格子型ゲートのアンテナ機構を介して空間放射可能なテラヘルツ電磁波を生成する.プラズモンの励起方法としては,直流バイアスもしくは直流光電流注入によるによる電気的不安定性励起,フォトミキシング励起,フェムト秒レーザ励起などの手法がある.本稿では,直流バイアスおよび直流光電流注入による自励発振モードでのテラヘルツ電磁波放射特性をフーリエ変換赤外分光計で計測した結果を中心に述べる.
著者
原 明人 竹井 美智子 吉野 健一 竹内 文代 佐々木 伸夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.3, pp.1-6, 2004-04-09

ガラス基板上に550℃のプロセス温度で金属ゲート電極を有する自己整合ダブルゲート多結晶シリコン(poly-Si)薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。結晶化には半導体励起固体(DPSS)連続発振(CW)レーザによるCLC技術を利用した。本TFTの電流駆動能力は、トツプゲート型のエキシマレーザ結晶化poly-Si TFTの電流駆動能力の8-9倍を有する。さらに、単結晶の(100) SIMOX-TFTよりも大きい。また、89mV/decと小さいS値が得られた。これらの特性は、ガラス基板上への高性能回路の形成を導くものである。
著者
小野島 紀夫 笠松 章史 広瀬 信光 三村 高志 松井 敏明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.355, pp.1-5, 2007-11-20
参考文献数
3

本研究ではミリ波帯動作する超高速シリコン系デバイスの開発に向けて、サブ100nmゲート長SiGe/Si高電子移動度トランジスタ(HEMT)の作製を行っている。これまでにゲート長60nmのデバイスでは電流利得遮断周波数70GHzを達成している。今回、触媒化学気相堆積法(Cat-CVD)により形成したシリコン窒化膜(SiN)を用いた絶縁ゲートHEMTを作製評価した。Schottkyゲート構造のデバイスと比較して、ゲートリーク電流の抑制による大きなゲート電圧スイングを実現し、優れたデバイス静特性が得られた。しかし、高周波デバイス特性では絶縁ゲートHEMTの方がSchottkyゲートHEMTよりも劣っていることが明らかになった。容量-電圧測定から絶縁ゲートHEMT構造の電気的特性を調べた結果、電流輸送チャネルが2種類存在することが分かった。1つはSiGe/Si埋め込みチャネルで、もう1つはSiN/Si表面チャネルである。絶縁ゲートSiGe/Si HEMTの高周波デバイス特性をさらに向上するためにはエピタキシャル構造やデバイスデザインの検討が必要である。
著者
藤農 佑樹 瀬戸 大樹 武部 正英 為頭 美斗子 ポール ナラヤン チャンドラ 飯山 宏一 高宮 三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.110, pp.7-12, 2005-06-03
参考文献数
5

化合物半導体MIS構造デバイスを実現するため、我々はこれまでにGaAsについては酸窒化が良好な絶縁膜/半導体界面形成の手段となることを明らかにした。しかし、従来のプロセスでは窒素プラズマによるレジストアッシングの問題からプラズマ処理時間が制限され、充分な窒化を行うことが困難であった。本研究では、レジストアッシング問題を回避するために、通常のレジストの代わりにAl膜を使用するプロセスを考案し、その新プロセスによりGaAs-MISFETを試作した。
著者
橋詰 保 堀 祐臣 赤澤 正道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.154, pp.17-20, 2012-07-19

AlInN/GaN界面のバンドオフセットと、界面スペーサ層が電子密度分布に与える影響について評価した。角度分解XPS評価により、価電子帯のオフセットが約0.2eV、伝導帯オフセットが0.9eV程度であることが明らかになった。これらの値は、両性欠陥モデルに基づくフェルミ準位安定化エネルギーの計算から求めた値とよく一致した。表面モフォロジーの改善に効果のあるAl_<0.38>Ga_<0.62>Nスペーサ層は、Al_<0.82>In_<0.18>N/Al_<0.38>Ga_<0.62>N界面のポテンシャル井戸と分極による界面電荷により電子蓄積が生じることを明らかにした。これを抑制するためAl_<0.45>Ga_<0.55>Nスペーサ層を提案し、MOS構造のC-V評価により、AlInN/Al_<0.45>Ga_<0.55>N界面に電子蓄積が生じにくいことを示した。
著者
高木 康文 横関 弥樹博 辻 琢人 左文字 克哉 大島 直樹 朴 康司 米津 宏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.95, no.387, pp.73-78, 1995-11-24

初期成長機構を制御することにより、エピタキシャル層を貫通する結晶欠陥の発生を抑制することを試みた。GaAs基板上の(InAs)_1(GaAs)_1歪短周期超格子(Strained Short-Period Superlattice:SSPS)の成長において、原子状水素照射下で成長することで、格子不整合歪に起因して生じる3次元成長を抑制することを試みた。原子状水素が基盤表面に付着する成長温度350℃の成長において3次元成長の抑制効果が顕著に現れた。その結果、3次元成長に起因した貫通転位の発生を抑制することができた。また、Si基盤上のGaPの成長において、MBE法で成長した場合、高密度のV字型の積層欠陥(Stacking Fault:S.F.)がGaP-Si堺面より発生していた。このS.F.の発生はMEE法で成長することで抑制することができた。
著者
高木 康文 左文字 克哉 岩城 和彦 大島 直樹 朴 康司 米津 宏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.95, no.37, pp.25-29, 1995-05-18

GaP(100)just基板上にMBE法により(GaAs)_1(GaP)_3歪短周期超格子を成長し、RHEED、TEMおよびXRDを用いて格子緩和過程を調べた。その結果、(GaAs)_1(GaP)_3 SSPS層は2次元的に成長し、格子不整合はヘテロ界面にミスフィト転位が導入されることによって緩和されることが明らかになった。また、成長層の膜厚が500nmのとき格子緩和率は約50%であり、格子緩和は徐々に進行することも分かった。
著者
浜野 哲子 ヴィクタ ルベッキ 水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.98, no.518, pp.7-12, 1999-01-21
被引用文献数
3

高性能なサブミリ波帯回路の構成に際し, 微小な3次元導波管などの回路素子が不可欠である.しかし, そのような回路素子を通常の機械加工で製作するのは, 技術的に困難であると共に非常に製作コストが高い.マイクロマシニング技術では, フォトリソグラフ技術を用いるため微細加工が可能であり, また並列加工によって低コストでの大量生産が可能である.本研究では, フォトレジストとしてUV硬化レジンを加工し, 2.5THz帯・640GHz帯の導波路用バックショート及び640GHz帯ダイクロイック板を試作した.このレジンは10:1以上のアスペクト比の加工が可能であるので, サブミリ波帯回路素子の製作に広く応用できると思われる.
著者
山崎 崇 大見 俊一郎 盛田 伸也 大理 洋征龍 室田 淳一 櫻庭 政夫 尾身 博雄 酒井 徹志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.152, pp.13-16, 2004-06-23

極薄SOI層と素子間分離領域の形成を一体化する新技術として開発を進めているSBSI (Separation by Bonding Si Islands)プロセスで形成されるSOI層について、その層厚の均一性向上を検討した。主要プロセスであるSiGe層の選択エッチング技術に関して、CVD法で形成したSiGe/i-Si(non-doped-Si)積層試料を用い、SiGeとSiのエッチング選択比およびエッチング後の表面ラフネスを調べた結果、エッチングに使用する弗酸と硝酸の混合液における硝酸比を低下することでエッチングの選択比、表面ラフネスを共に向上できることが分かった。更に、改良された混合比のエッチング条件でSBSIプロセスを検証し、形成されるSOI層の層厚均一性が向上することを示した。