著者
花辺 充広 金子 真也 メジアニ ヤーヤ ムバラク 尾辻 泰一 佐野 栄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.403, pp.83-88, 2006-12-01

InGaP/InGaAs/GaAs高電子移動度トランジスタに二重入れ子型回折格子ゲートと縦型共振器構造を導入したテラヘルツ帯プラズモン共鳴フォトミキサーを試作した。1.5μm帯の単光波連続光(CW)入力、4.0THzの差周波成分を有する二光波CW入力に対する光応答特性を測定した結果、それぞれ光励起二次元プラズモンによる自己共鳴発振、差周波成分による注入同期共鳴発振に相当する明瞭なピーク特性が得られた。さらに、1.5μm帯、70fsパルス光入力に対する電界応答を反射型電気光学サンプリング法により測定した。得られた放射スペクトルには、明瞭なプラズモン振動モードが確認できた。室温条件においてフォトミキサーからのテラヘルツ波放射の観測に成功した。
著者
花辺 充広 尾辻 泰一 メチアニ ヤーヤ ムバラク 佐野 栄一 浅野 種正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.137, pp.291-295, 2006-06-26

2重入れ子型回折格子ゲートを有するInGaP/InGaAs/GaAs高電子移動度トランジスタを対象に、光励起2次元プラズマ不安定性を発振源とするテラヘルツ(THz)電磁波放射を室温観測した。低電子濃度プラズモン領域で励起された光電子群は、近傍の高電子濃度プラズモン領域に注入されプラズマ不安定性を誘発する。結果、生じたプラズマ共鳴振動を源とするTHz波放射が得られる。プラズモン領域と素子裏面のITOミラー間に形成される縦型共振器構造の効用により、放射THz波には利得が与えられる。レーザ2光波励起を行なった場合、直流光励起電子により励起された4.5THz近傍の共鳴振動成分が、差周波励起された5.0THzの共鳴振動成分により増強される効果が確認された。THz帯における注入同期発振の可能性を示唆する結果である。
著者
半田 大幸 細野 洋平 津田 祐樹 MEZIANI Yahya Moubarak 末光 哲也 尾辻 泰一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.355, pp.45-50, 2007-11-20

2重回折格子ゲートを有する高電子移動度トランジスタ構造からなる2次元プラズモン共鳴型テラヘルツ電磁波放射デバイスを試作し,そのテラヘルツ帯電磁波放射特性を評価した.本素子は,2次元電子走行層内に凝集した電子集団のプラズマ振動量子(プラズモン)を電気的,光学的にコヒーレントに励起し,そのプラズマ振動を種として,2重回折格子型ゲートのアンテナ機構を介して空間放射可能なテラヘルツ電磁波を生成する.プラズモンの励起方法としては,直流バイアスもしくは直流光電流注入によるによる電気的不安定性励起,フォトミキシング励起,フェムト秒レーザ励起などの手法がある.本稿では,直流バイアスおよび直流光電流注入による自励発振モードでのテラヘルツ電磁波放射特性をフーリエ変換赤外分光計で計測した結果を中心に述べる.
著者
佐野 公一 村田 浩一 尾辻 泰一 明吉 智幸 清水 直文 佐野 栄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.559, pp.35-40, 2000-01-19

共鳴トンネルダイオード(RTD)と単一走行キャリアフォトダイオード(UTC-PD)を用いた80Gbit/s Dフリップフロップ回路について報告する。RTDとUTC-PD中のAC電流を考慮した回路設計手法が回路高速化の鍵である。RTDとUTC-PDをモノリシック集積するプロセスによる試作回路は、7.68mWの低消費電力で80Gbit/s D-FF動作を達成した。80Gbit/sのフリップフロップ動作は最高速である。
著者
尾辻 泰一 ヴィクトール リズィー 末光 眞希 末光 哲也 佐藤 昭 佐野 栄一 マキシム リズィー 吹留 博一 渡辺 隆之 ボーバンガ-トンベット ステファン 鷹林 将 高桑 雄二 吾郷 浩樹 河原 憲治 ドゥビノフ アレクサンダー ポポフ ヴィチェスラブ スヴィンツォフ ディミトリ ミティン ウラジミール シュール マイケル
出版者
東北大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2011

本研究は、グラフェンを利得媒質とする新規なテラヘルツ(THz)レーザーの創出に挑んだものである。第一に、光学励起したグラフェンの過渡応答におけるTHz帯誘導放出の室温観測に成功し、自ら発見したレーザー理論を実証した。第二に、グラフェン表面プラズモンポラリトンの巨大利得増強作用を理論発見し、独自の光ポンプ・近接場THzプローブ分光法により初めて実証に成功した。第三に、独自開発した高品質エピタキシャルグラフェン製膜技術とレーザー素子加工技術を用いて電流注入型グラフェンレーザー素子を試作評価し、100Kの低温下ながら、5.2THzの単一モード発振に初めて成功した。第四に、グラフェンTHzレーザー設計論を構築するとともに、より高利得化が可能な独自構造を理論実験両面から明らかにし、室温THzレーザー発振実現の見通しを得た。
著者
花辺 充広 尾辻 泰一 メチアニ ヤーヤ・ムバラク 佐野 栄一 浅野 種正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.138, pp.291-295, 2006-06-26

2重入れ子型回折格子ゲートを有するInGaP/InGaAs/GaAs高電子移動度トランジスタを対象に、光励起2次元プラズマ不安定性を発振源とするテラヘルツ(THz)電磁波放射を室温観測した。低電子濃度プラズモン領域で励起された光電子群は、近傍の高電子濃度プラズモン領域に注入されプラズマ不安定性を誘発する。結果、生じたプラズマ共鳴振動を源とするTHz波放射が得られる。プラズモン領域と素子裏面のITOミラー間に形成される縦型共振器構造の効用により、放射THz波には利得が与えられる。レーザ2光波励起を行なった場合、直流光励起電子により励起された4.5THz近傍の共鳴振動成分が、差周波励起された5.0THzの共鳴振動成分により増強される効果が確認された。THz帯における注入同期発振の可能性を示唆する結果である。
著者
窪田 健太郎 佐野 栄一 メチアニ ヤーヤ ムバラク 尾辻 泰一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.313, pp.41-46, 2009-11-22

光波と電波の中間周波数領域であるサブミリ波領域、いわゆるテラヘルツ波領域は、医療やセキュリティー検出器としての応用が期待されている。その際にコンパクト、チューナブル且つコヒーレントな固体テラヘルツデバイスが必要とされている。この要求を満たすために、半導体デバイスのテラヘルツギャップを克服するプラズモン共鳴を用いたテラヘルツエミッターが提案されている。実験による検証とともに、テラヘルツエミッターの物理的原理を解析するための方法も必要となってくる。ここでは、光パルス照射に伴うプラズモン共鳴を用いたデバイスの応答を、モンテカルロ法を用いて解析したので報告する。