著者
漆原 尚巳 杉山 大典 佐藤 泉美 橋本 梓 岩上 将夫 米倉 寛
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

医療分野におけるICTの急速な進展により、近年大規模健康情報データベースの疫学的研究への利用が可能になったが、データベースに含まれるデータは、評価したい事象を必ずしもそのまま示すものではない。そのため、各々の研究で評価すべき項目である重要なアウトカム(疾病診断や診療内容、医薬品の使用など)は、診療報酬請求上用いられる単一又は複数のコードなどを組み合わせて規定されており、この定義をアウトカム定義という。本研究では各々の研究で用いられたアウトカム定義に関する情報を蓄積し、研究者間および利害関係者にて共有し研究の透明性を高めるためのレポジトリを構築し、恒常的な運営に繋げることを狙いとする。
著者
早川 郁代 徳野 治 橋本 誠 中屋 雄介 籔本 義人 高岡 裕 前田 英一 河野 誠司 西郷 勝康 杉山 大典 杉本 健 南 博信
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.547-551, 2012 (Released:2012-09-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

輸血後感染症検査の施行については適切な検査時期と検査項目を踏まえて実施することが重要である.本院では検査実施率を向上させるため,診療科へ検査実施時期を通知する具体的手段として,輸血同意書取得時の患者へのアナウンス,輸血患者リストの活用,電子カルテ画面を用いての輸血後感染症検査を通知する方法(輸血後感染症検査通知システム)を順次実施した. これらの方法の有効性を検証するため,本院において2008年1月から2011年9月迄に同種血輸血を受けた患者6,647人を対象に,輸血後感染症検査実施状況について,患者カルテの検査情報を後向きに調査した.1期:輸血患者リスト送付前,2期:輸血患者リスト送付後,3期:輸血後感染症検査通知システム導入後の各期間における肝炎検査(HBV,HCV)実施率の平均は21.6%,22.2%,39.7%,肝炎+HIV検査実施率の平均は7.0%,8.2%,31.2%であり,1期・2期と比較して3期で有意に向上した. 輸血後感染症検査実施率の向上において,輸血後感染症検査通知システムの継続した有効性が認められた.