著者
樋口 亮太 土屋 博紀 安田 秀喜 幸田 圭史 鈴木 正人 山崎 将人 手塚 徹 小杉 千弘 平野 敦史 植村 修一郎
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.647-653, 2010
被引用文献数
2

近年,画像診断の進歩により膵腫瘍が偶然に発見される機会が増加している.今回,我々は術前診断しえたものの嚢胞成分の悪性を否定できず縮小手術を行った膵内副脾の1例を経験したので報告する.症例は55歳の女性で,急性虫垂炎のため行った腹部CTで膵尾部に径約3 cm大のcysticな領域を伴う充実性腫瘤を認めた.EUSで腫瘤の充実性領域は脾臓と同程度のエコー像を呈し膵内副脾を疑った.腫瘤はSPIO MRIで脾と同様の信号低下を,99mTc-スズコロイドシンチグラフィーで集積増加を示した.膵内副脾と診断したが,cysticな成分もあり悪性が完全に否定できないことを説明したところ,外科治療を希望され手術となった.膵尾部背側に3 cm大の軟らかい赤褐色腫瘍を認め,脾温存膵尾部切除術を行い術中ゲフリールにて膵内副脾を確認した.経過は良好で術後16日目に退院した.術前診断しえた膵内副脾の報告は少なく貴重な症例と思われ若干の文献学的考察を加え報告する.
著者
小杉 千弘 安田 秀喜 幸田 圭史 鈴木 正人 山崎 将人 手塚 徹 樋口 亮太 平野 敦史 植村 修一郎 土屋 博紀
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.632-639, 2009-06-01
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

鼠径ヘルニア根治手術は若い外科医が基本手技を鍛錬する場であり,外科手術の入門編として位置していた.現在,初期研修医制度が実施され,外科系診療科志望でない研修医も外科をローテーションするカリキュラムが組まれている.今回,我々は鼠径ヘルニア根治術を初期研修医に執刀させる是非を検討する.方法:2005年4月から2007年12月に根治手術を施行した139例を対象とした.134例にmesh plug法が,5例にPROLENE hernia system法が行われた.初期研修医執刀例は72例(R群),外科医執刀例は67例(S群)だった.R群とS群において,患者背景,術中,術後因子を検討した.結果:患者背景においてR群とS群で有意差はなかった.術中因子として手術時間においてR群:S群に有意差を認めた(88.0分:64.2分,p<0.001).術後因子は,入院期間(3.8±2.1日:4.9±8.3日,p=0.14),合併症(9.8%:6.6%,p=0.64)に統計学的に有意差はなかったが,再発はR群7例(9.7%),S群1例(1.5%)で有意にR群において高かった(p=0.04).考察:入院期間,合併症には有意差はなく,再発率は初期研修医術者が外科医と比較し有意に高かったが,助手として外科専門医が指導することで,再発率が抑えられる.よって,現在の研修医制度において外科系研修カリキュラムの手術執刀についての指導指診作成が望まれる.
著者
牧 隆史 鈴木 正人
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2012-SE-175, no.22, pp.1-8, 2012-03-08

複数製品の開発に用いられたソースコード上のコンパイルスイッチを解析することにより製品群の持つフィーチャーを抽出し、フィーチャーモデルをリバースエンジニアリング的に適用することを試みた。さらに、デザインパターンの適用によるリファクタリングの方向性についても検討した。
著者
鈴木 正人
出版者
岐阜工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成16年度には,手法の提案と試算を,平成17年度にはその手法の適用を行なった.時間的集中度については,都市化の進んでいる都市と進んでいない都市との比較という観点から県庁所在地の人口密度の上位10都市(東京特別区および大阪,横浜,など)と下位10都市(佐賀,長野,静岡など)の計20都市を対象とし,各都市における地上気象観測所の1976〜2003年の8月の時間降水量を抽出した.一雨(降水量が観測されてから降水量が0mmになるまで)を全て抜き出し,一雨総雨量,一雨中の時間最大降水量,降雨の継続時間,時間的集中度,のそれぞれについて,経年変化を線形と仮定し,得られた線形トレンドの有意性検定により,経年変化の有無とその程度を調べた.その結果,経年変化が5%または1%有意と検定されたのは,時間最大降水量の増加傾向として東京,横浜,さいたま,千葉,鳥取の5地点,継続時間の増加傾向として大阪,総雨量の増加傾向として福岡,であった.すなわち,人口密度の上位10都市のうち4都市で時間降水量が年々大きくなっていることが示された.しかし,本研究の主眼である雨の降り方を表す時間的集中度については,有意な経年変化は認められなかった.また,空間分布ついては東京および岐阜のアメダス観測点の8月の時間降水量を用いて,降雨が空間的にばらついている程度の経年変化を求めたが,経年変化は減少傾向(空間的に集中傾向)ではあったものの有意とはならなかった.なお,降雨の時空間分布を検証するのに従来より用いられているDAD解析におけるDA関係と,レーダーアメダスを用いた本研究で提案した手法を比較したところ,両者は同様の傾向を示すことが分かった.