著者
杉浦 藤虎 伊藤 和晃
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ロボカップへの参加は問題解決能力の育成や,高度な技術力の習得に効果が高いことが知られている。一方,世界大会はコミュニケーション力やプレゼンテーション力を高められる貴重な機会でもある。ロボカップで好成績を残すようになると,出前授業としてロボットのデモンストレーション依頼が増えてきた。しかし,ロボカップに参加する学生は社交的で派手な学生は少ない。そこで,校外において学生自ら開発したロボットを積極的にアピールする機会を提供し,リーダーシップの取れる人材育成の試みを行った。アンケート調査の結果,ロボカップ世界大会出場および出前授業の経験が学生自身の積極性に関する意識改革に大きく寄与したことが示された。
著者
杉浦 藤虎 伊藤 和晃
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

ロボコン経験者向けに特化した,自律移動型サッカーロボットの設計と研究開発を基本とした低価格な創造性開発実験セットを構築した.その上で,ロボットおよびシステムの性能評価と実験に参加した学生の創造力の向上の度合いを定量的に評価した.システムの性能は,ロボカップジャパンオープン2006年3位,2007年準優勝,ロボカップ世界大会2006年決勝トーナメント進出ベスト12,同2007年ベスト8の成績から判断して十分に高いと考えられる.創造性開発実験の4つのテーマとして行った内容を以下に示す.1.画像・通信に関して,2台のカメラによるグローバルビジョンシステムとした.画像処理の認識・検索処理の際,全画面でなく,マシンやボール周辺のみの部分解析を行うとともに,高性能無線機の導入により処理の高速化を図った.2.電子回路に関して,処理能力向上のため,ロボットに搭載したCPUを16ビットマイコンに変更した.ホイールの空転を防ぐための加速度センサを追加し,さらにキック力を容易に制御するためトリガーデバイスをリレーからFETに変更した.受信回路における誤り訂正回路,電磁ソレノイド用充電回路などを設計,作製した.3.戦略プログラムの作成に関しては,観測ノイズを低減するためのカルマンフィルタや動力学ソフトを導入した.またパスプレーに対応する協調動作,シミュレーションなどのプログラムを開発した.4.ロボット製作に関しては,メカナムホイールを使用したキーパー専用ロボット,全方向移動ホイール,ドリブル機構,キック機構,およびボール速度測定装置などを作製,改良した.以上の作製を通して実験に参加した学生の創造力や技術能力を定量的に評価した.その結果,サッカーロボットを用いた実験に参加する前と比較して,参加者の創造力,思考方法や問題解決能力は,顕著に向上することなどが示された.
著者
杉浦 藤虎 伊藤 和晃
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ロボカップサッカー競技ロボットの作製と開発を段階的かつ継続的な負荷と捉え,より高い課題を学生に課すことで創造性育成教育を行い,その効果をアンケート調査により検証した。その結果,ロボカップ参加学生の問題解決能力や思考方法などの顕著な向上を確認した。一方,世界大会に参加する上で必要な英語運用能力は学生自身が十分でないことを認識した結果となった。今後も学生の興味を引きつける教材・課題を通して,創造性や英語コミュニケーション能力の向上が期待される継続的な機会と環境を学生に提示することが有効であることが示された。