著者
畠山 里沙 杉田 克生 大上 順一 杉田 克生 スギタ カツオ Sugita Katsuo 大上 順一 オオウエ ジュンイチ Oue Junichi 下山 一郎 シモヤマ イチロウ Shimoyama Ichiro
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.287-289, 2007-02

認知神経学の観点から,外国語として日本語を学習するイタリア人が,ひらがな・ローマ字を見てから発語するまでの読字反応時間を解析した。外国語の学習効果を客観的に評価していくためにこの検査は有用であると考えられる。We performed a test of "Hiragana" and "Romaji" reading-reaction time to Italian university students who learn Japanese. This test is simple and regarded as a useful method to evaluate their acquisition of foreign language objectively.
著者
鳥居 深雪 杉田 克生
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.160, pp.124-133, 2013-02-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第160集『発達障害児における脳機能解析』杉田克生 編"Analysis of Brain Function in Children with Developmental Disorders" Report on Research Projects No.160学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、高機能広汎性発達障害等の発達障害の一群は、状態像が多様である。DSM-Ⅳに基づく診断名が、必ずしも子どもの状態を的確に示していない。そこで、認知機能の視点から子どもたちの困難さを検討した。実行機能(executive functions)は、意志決定や抽象的思考、合目的的な活動を円滑に進めるためのさまざまな高次機能を包括的にとらえる概念である。LD、ADHD、高機能広汎性発達障害等では、実行機能に障害が認められることが指摘されている。LD、ADHD、高機能広汎性発達障害等の診断を受けた4人の男児(小学校4~5年生)について、実行機能の構成要素の一つであるワーキングメモリの状態を分析した結果、不注意の症状があると、ワーキングメモリの状態は安定しないこと、読字障害の症状があると有意味と無意味でワーキングメモリに差が出ることが判明した。
著者
大熊 真由美 杉田 克生
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. I, 教育科学編 (ISSN:13427407)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.181-192, 2000-02-29

千葉県内の養護教諭76名を対象に,てんかん児の学校生活における現状と対処法についてのアンケート調査を実施した。てんかん発作の発生場所,てんかんのイメージ,てんかん治療薬の副作用,保護者との連携,級友への報告,学校生活での配慮,発作の前兆・誘因,医師との連携についての現状を調査し,現在学校現場ではてんかんについてどのように扱われているのか把握し,てんかん児がよりよく学校生活を送れる為に養護教諭としてどのように配慮していけばよいのか検討した。1) てんかん発作を見た経験については約9割が「ある」と回答し,具体的な場所は「授業中」が約8割と多かったが,その他の回答も多く,てんかん発作は時と場所を選ばず起こり得ることが分かった。2) てんかんという病名のイメージは「不安」約3割,「特になし」約3割であり,社会的に残っているてんかんという病名に対する偏見は今回の調査ではほとんどみられなかった。3) てんかん治療薬の副作用については学校現場では「眠気」が約7割であった。またその他の副作用も少数ではあるがみられ,治療薬により様々な副作用が出現することが分かった。4) 保護者からてんかんであることの報告を受けた経験については「ある」と約9割が回答し,その後の配慮としては「発作時への処置をあらかじめ知ることで心構えができる」と約9割が回答した。逆に報告されずに困った経験としては約4割が「ある」とし,その具体的内容として「学校行事や授業中に発作が起こり大騒ぎになった」と約8割が回答した。てんかんらしいと思われる子供で保護者からの報告がないという経験については「ある」と約7割が回答した。またその理由として「変な目で見られ差別または特別扱いされるのではと過剰防衛的になっていると思われる」が約6割であった。5) 級友への報告については「話す」約4割,「話さない」約5割,「話す・話さない両方」約1割となった。これについてはてんかんの状態,年齢等によって回答は変わると思われた。6) てんかん児の学習傾向については特別な傾向はみられなかった。また,学校行事や運動への参加については「配慮しながら普通にしてよい」が約8割であった。さらに,宿泊行事については約5割が「全員参加させる」とし,その際の注意点として「薬の服用を確認してけいれん発作時の頓服薬を持参させる」が約7割であり,今回の調査ではてんかん児に対し,学校行事への過剰な制限はしていないと思われた。7) てんかん発作の前兆については約8割が何らかの変調を感じていた。また子供の異常に気づいた際の対処として約6割が何らかの対処を行っており,具体的対処法は「担任に連絡して保健室で体ませる」が約6割であった。てんかん児の普段の健康管理については約3割が何らかの指導を行っており,その具体的内容としては誘因と考えられる行動についてできるだけ排除させようとしていることがうかがえた。8) てんかん児の対応についての医師との連携については「とっている」約3割,「とっていない」約4割、「とっていないがとりたい」約3割であった。具体的にどのようなことで連携を図りたいとしているかについては「生活全般」,「発作時の対応」が約7割で多く,養護教諭が積極的にてんかんに対しての知識を深めていこうとする姿勢がうかがえた。