著者
李 進 原嶋 洋平 李 東根 森田 恒幸
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.181-192, 1995-05-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
17

環境政策の発展過程を経済発展とのかかわりのなかで解明することは,「持続可能な発展」を実現する為の政策決定の重要な基礎の一つとなる。これまで日本と韓国の環境政策全般の発展過程について,比較分析した例は見当たらない。ここでは,日本と韓国の環境政策の発展過程を比較分析して,その共通点及び相違点を明らかにした。まず,歴史的事実の検証の結果,時間差はあるものの,日本と韓国の環境政策は,共通の性質を有する事象を,概ね同じ順序で経験していることが分かった。そして,経済指標の検証による考察の結果も,この定性的な分析の結果に反するものではなかった。とりわけ,燃料の低硫黄化対策と乗用車排出ガス規制強化が,同じ発展段階で実施されていることは注目すべきである。しかしながら,日本と韓国の環境政策の発展過程には,4つの相違点があることも明らかとしている。日本の場合と違って,韓国の環境行政は,公害規制,快適性(アメニティ)の追求,地球環境保全という3つの政策課題を同時に抱えている。この相違点は,今後の韓国の環境政策を考えるうえで,とりわけ重要なものである。
著者
李 進海 朝戸 佳世 酒井 健史 井上 明日圭 田崎 知江美 志賀 俊彦 樋野 尚一 矢野 智洋 岸本 和也 野﨑 祐史 西坂 文章 赤木 將男 船内 正憲 松村 到
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.305-309, 2014-12-30 (Released:2015-02-28)
参考文献数
13

RAを発症し,サラゾスルファピリジンに抵抗性を示したため,エタネルセプトが投与され,3ケ月後から発熱,皮疹,口内炎が出現し,ループス腎炎を伴うSLEを発症した症例(35歳,女性)を経験した.抗TNF-α製剤の投与によってSLEを発症したとする報告が散見されるが,本例のようにループス腎炎を伴う例は少ない.以上,抗TNF-α製剤による治療経過中は抗核抗体やSLEの素因の有無に留意する必要性が示唆された.
著者
重田 崇至 梅田 正博 吉武 賢 高橋 英哲 澁谷 恭之 古森 孝英 井堂 信二郎 長谷川 巧実 李 進彰
出版者
Japanese Stomatological Society
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-7, 2012 (Released:2012-03-08)
参考文献数
33

It has been recommended recently that patients receiving anticoagulant therapy should undergo dental extraction without discontinuation of anticoagulant drugs in consideration of the risk of thromboembolism, but the frequency of hemorrhagic complications has not been well documented. A retrospective study of 282 patients who underwent dental extraction under continuous warfarin therapy was performed.Twenty-two of the 282 patients (8.9%) showed postoperative hemorrhages: 14 of 168 (8.3%) in those receiving administration of warfarin alone, and 11 of 114 (9.6%) in those receiving administration of both warfarin and antiplatelet drugs. Most of the hemorrhages occurred within 2 days after the extraction. The rate of postoperative hemorrhage was 5.7% in those with prothrombin time International Normalized Ratio (PT-INR) of 1.49 or lower, 12.5% in those with PT-INR of 1.5-1.99, 12.8% in those with PT-INR of 2.0-2.99, and 16.7% in those with PT-INR of 3.0 or higher, although there was no significant difference between PT-INR and frequency of postoperative hemorrhage. All patients showing postoperative hemorrhage were treated successfully by local procedures such as suturing or application of cellulose oxide gauze. These findings suggest that dental extraction can be safely done without discontinuation of warfarin therapy.
著者
李 進才 趙 習コウ 松井 鋳一郎
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.372-379, 2001-05-15
被引用文献数
7 5

遮光率60%の温室で育てたSlc. Estella JewelとCym. Sazanamiを10月21日に直射日光(最大日射0.61kW・m^<-2>)にさらし, また, 両植物種を5月から10月まで遮光率30%(強光区), 60%(対照区)および90%(弱光区)で栽培し, 葉中の抗酸化酵素活性と色素含量の変化について調べた.1. CAM植物のCattleyaの抗酸化酵素活性はC_3植物のCymbidiumに比べて著しく低く, 前者は昼間, 後者は夜の始まりで高まる傾向がみられた.直射光処理により, CattleyaのSOD活性は著しく低下したが, APX活性はわずかに, CAT活性は著しく増加した.これに対して, CymbidiumのSODとCAT活性は顕著に, APX活性はわずかに減少した.2. 強光下の栽培1か月後, CattleyaのSODとCAT活性は著しく低下し, その後実験終了時まで対照区より低かったが, CATは活性が回復する傾向を示した.CymbidiumではSODとAPX活性は3か月まで低下を続け, CAT活性は実験終了時でも低かった.一方, 弱光下ではCattleyaのSODを除き, 両植物種の3酵素活性は対照区の植物に比べ遮光栽培中高い活性を維持した.3. 葉中のクロロフィル含量は両植物種ともに遮光率が低い区ほど少なく, さらにこれら3酵素活性と高い相関関係を示した.強光区のCattleyaではクロロフィルa/b比とβ-カロテン含量が遮光栽培1か月後著しく低下したが, 3か月後対照区と同等に回復した.Cymbidiumでは強光によるそれらの低下は少なかった.弱光栽培1か月後, クロロフィルとβ-カロテン含量の増加はCymbidiumでは著しく, Cattleyaでは少なかった.その後はいずれも対照区との差が縮まった.以上の結果から, CattleyaはCymbidiumより強光への積極的適応性を有するが, 両植物種とも強光への順化が一般に困難で, 弱光への順化は相対的に容易であると考えられる.