著者
李 龍 若宮 翔子 角谷 和俊
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.36-52, 2012-06-29

都市を特徴付けることは,人々が日々の生活や様々な活動の中で行っている情報処理過程の一部であり,都市での意思決定を行う際に重要となる.従来は,物理的な構造形態に基づく都市の機能や都市に対する人々の意識といった都市の外観に基づく特徴付けが行われていたが,実際に都市で生活する人々の活動を支援するためには,人々のライフスタイルを中心とした特徴付けが重要となる.都市における人々の活動は多様であり容易に把握することは困難であるが,近年のソーシャル・ネットワーク(SNS)の発達とスマートフォンの普及により,多くのユーザが実空間における活動や感情を自らの居場所の位置情報とともに自発的に発信するようになり,実世界の物理的空間と密接に関連した位置ベースSNSを通して,都市における群衆のライフスタイルを把握することが可能になっている.本研究では,位置ベースSNSに蓄積されている大量のユーザの時空間ライフログを用いて都市空間における群衆行動をモニタリングし,都市の地域特徴を抽出する手法を提案する.具体的には,Twitterに投稿されているジオタグ付きTweetsを用いてモニタリングした群衆行動をベクトル化し,地域と群衆行動特徴によって構成した行列を分析することで,特徴的な行動パターンとそれに対応する都市を抽出する手法を提案する.実験では,Twitterから取得した大量のジオタグ付きTweetsを用いて群衆行動を分析し抽出した地域特徴の意味付けを行うために,Yahoo! ロコが提供している店舗や施設のジャンルを調査した結果について示す.Characterizing urban space is critical to understand the space and conduct decision-makings in our daily urban lives and activities. Conventional methods have attempted to characterize urban space using urban functionalities based on physical configuration and people's conscious mind to the space. However, in order to support residents' activities in urban space, it is essential to extract characteristics focusing on crowd's urban lifestyles. However, it is a non-trivial work to monitor crowd activities and lifestyles in large-scale regions. In order to solve this problem, we can exploit current crowd's power on behalf of the proliferation of smartphones as well as the recent development of location-based social networks, where massive users voluntarily share their lifelogs and thoughts together with their whereabouts. Therefore, we can easily monitor crowd behavior through such location-based social networks. In this work, we propose a method to characterize urban space in terms of crowd behavior by utilizing enormous number of users' spatio-temporal lifelogs archived over social networks. Specifically, we derive latent classes of urban characteristics in terms of crowd behavioral patterns and relevant urban areas which are extracted using geo-tagged Tweets over Twitter.
著者
李 龍 若宮 翔子 角谷 和俊
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.36-52, 2012-06-29

都市を特徴付けることは,人々が日々の生活や様々な活動の中で行っている情報処理過程の一部であり,都市での意思決定を行う際に重要となる.従来は,物理的な構造形態に基づく都市の機能や都市に対する人々の意識といった都市の外観に基づく特徴付けが行われていたが,実際に都市で生活する人々の活動を支援するためには,人々のライフスタイルを中心とした特徴付けが重要となる.都市における人々の活動は多様であり容易に把握することは困難であるが,近年のソーシャル・ネットワーク(SNS)の発達とスマートフォンの普及により,多くのユーザが実空間における活動や感情を自らの居場所の位置情報とともに自発的に発信するようになり,実世界の物理的空間と密接に関連した位置ベースSNSを通して,都市における群衆のライフスタイルを把握することが可能になっている.本研究では,位置ベースSNSに蓄積されている大量のユーザの時空間ライフログを用いて都市空間における群衆行動をモニタリングし,都市の地域特徴を抽出する手法を提案する.具体的には,Twitterに投稿されているジオタグ付きTweetsを用いてモニタリングした群衆行動をベクトル化し,地域と群衆行動特徴によって構成した行列を分析することで,特徴的な行動パターンとそれに対応する都市を抽出する手法を提案する.実験では,Twitterから取得した大量のジオタグ付きTweetsを用いて群衆行動を分析し抽出した地域特徴の意味付けを行うために,Yahoo! ロコが提供している店舗や施設のジャンルを調査した結果について示す.
著者
若宮 翔子 李 龍 角谷 和俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.159-176, 2013-06-28

今日の都市における交通ネットワークの複雑化や人々の活動領域の拡大などにより,都市空間での近接感は単に地理的な距離だけでなく移動時間や訪れる頻度によって歪んでおり,あらゆる場所間の近接関係を直感的に測ることが困難である.そのため,ユーザの目的ごとに距離や時間などの観点から都市空間での近接性の歪みを考慮して近接したところを容易に探せるようにする必要がある.本研究では,経験的・社会的な観点から生じる空間の歪みによる都市地域の複雑な近接関係を抽出するために,位置ベースSNSを通した群衆の移動経験に基づく地域間の近接性分析手法を提案する.具体的には,都市空間での膨大な群衆のライフログが簡単に得られるTwitterを用いて実空間における群衆の移動経験を観察し,市区町村を単位とした地域間の近接性を測定し,都市空間における地域クラスタ間の空間的な歪みを分析する.実験では,Twitterにおける群衆のライフログと社会調査の一環として地域間の移動量を集計したパーソントリップOD量データを用いて群衆の移動経験を抽出し,移動距離,移動時間,移動量の観点で測定した地域クラスタ間の近接性を比較する.また,日常生活における規則的な移動に関する調査結果であるパーソントリップOD量データと比べ,Twitterのデータを用いた群衆の移動経験では,より多様な目的の移動経験を中心とした地域クラスタ間の近接性を観察することが可能であることを示す.Due to the growing complexity of urban areas by sophisticated transportation network and dramatically expanding area of human activities, urban areas are conceptually distorted in terms of moving time and familiarity, consequently making it difficult to intuitively comprehend the overall distortion of urban areas. Hence, it is critical to support user's urban exploration considering the dynamic nature of the urban areas. In this work, in order to figure out and utilize the distortion of urban space, we propose a method to analyze urban proximity based on location-based social networks. In particular, we observe crowd movements through Twitter, which can provide lots of crowd's daily moving activity logs, for the purpose of deriving the distorted urban image as an index map. In the experiment, we examine the availability of Twitter as a source to observe crowd movements to analyze distortion of urban space, in comparison to person trip OD (Origin-Destination) data, which is a social survey to investigate people's movements between urban areas. Finally, we will show the significant benefit of Twitter utilization for crowd movement observation, particularly reflecting on a variety of human activities which cannot be easily acquired with the conventional social investigations.
著者
李 龍太 恒川 篤史
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.737-740, 1999-03-30
被引用文献数
3 4

都市内に残っている民有樹林地を保全していくためには,地権者の協力が不可欠である。したがって,樹林地保全制度の効率的な運営のためには,各保全制度に対する地権者の意識を把握することが重要であると考えられる。本研究では,練馬区に樹林を提供している土地所有者を対象に,アンケート調査により意識傾向を調べた。その結果,相続税の納付と樹林地の管理がかなり負担になっており,「市民緑地」制度における相続税の減免幅とその契約期間の長さについて不満を持っていることが分かった。この結果から,今後相続税の評価減の拡大など制度を改善し,樹林の買取り要請に対する財源確保プログラムを樹立する必要があると考えられた。
著者
若宮 翔子 李 龍 角谷 和俊
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.159-176, 2013-06-28

今日の都市における交通ネットワークの複雑化や人々の活動領域の拡大などにより,都市空間での近接感は単に地理的な距離だけでなく移動時間や訪れる頻度によって歪んでおり,あらゆる場所間の近接関係を直感的に測ることが困難である.そのため,ユーザの目的ごとに距離や時間などの観点から都市空間での近接性の歪みを考慮して近接したところを容易に探せるようにする必要がある.本研究では,経験的・社会的な観点から生じる空間の歪みによる都市地域の複雑な近接関係を抽出するために,位置ベースSNSを通した群衆の移動経験に基づく地域間の近接性分析手法を提案する.具体的には,都市空間での膨大な群衆のライフログが簡単に得られるTwitterを用いて実空間における群衆の移動経験を観察し,市区町村を単位とした地域間の近接性を測定し,都市空間における地域クラスタ間の空間的な歪みを分析する.実験では,Twitterにおける群衆のライフログと社会調査の一環として地域間の移動量を集計したパーソントリップOD量データを用いて群衆の移動経験を抽出し,移動距離,移動時間,移動量の観点で測定した地域クラスタ間の近接性を比較する.また,日常生活における規則的な移動に関する調査結果であるパーソントリップOD量データと比べ,Twitterのデータを用いた群衆の移動経験では,より多様な目的の移動経験を中心とした地域クラスタ間の近接性を観察することが可能であることを示す.
著者
北山 大輔 李 龍 角谷 和俊
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.35, pp.1-8, 2010-11-05

ある目的地への行き方を調べるなど旅行の計画を立てる時に,デフォルメ地図は頻繁に利用される.しかしながらデフォルメ地図は過剰な編集や誤った編集によって,ユーザに誤解や誤情報を与えることがある.そのため,地図の信憑性を分析し,デフォルメを評価する手法が必要となる.デフォルメ地図の種類によって,許容される編集と許容されない編集があると考えられる.例えば,道案内をするための地図であれば,参考として書かれている周辺のオブジェクトの位置関係は誤っていても許容されるが,経路上のオブジェクトの位置関係は正確でなければならない.このように,デフォルメの評価はデフォルメの種類ごとに異なると考えられる.そこで本研究では,デフォルメ地図に記載されているオブジェクトの空間的な配置の特性と,表示されているオブジェクト間の意味的な関係に基づきデフォルメ地図を分析する手法を提案する.