著者
西應 浩司 材野 博司 松原 斎樹 藏澄 美仁 森田 孝夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.547, pp.169-176, 2001-09-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
23
被引用文献数
5 5

An experiment was done in one area with grid shaped street pattern and in another area with irregularly twisted street pattern. There were two ways to memorize forms in the experiment: a real walk and CG animation presented walk through a fixed pathway. After learning the course, the subject walked the pathway by themselves. Originally the subjects were 25 males and 15 females. The results were analysed based on gender difference-14 male and 14 female subjects. Analysing errors in the abstract distance and abstract angle errors on the cognitive maps, it was recognized that the drawn street lengths are shorter than the actual distances for both genders. Concerning a real walk through the irregularly twisted street the females' errors in the abstract angles were smaller than the males' errors. However both gender's found the irregularly twisted street more legible than the grid shaped one.
著者
クダイミ ムハマド スブヒ 材野 博司
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.533, pp.113-118, 2000-07-30 (Released:2017-02-03)
参考文献数
12

本稿は、京都と、城壁で囲まれたシリアの都市ダマスクスにおける、伝統的な都市空間パターンと、通りのシステムおよび土地利用について論じるものである。両都市の、通りの階層と、都市の土地利用および細街路と住戸の関係に焦点をあて、比較している。ダマスクスでの研究対象地域は、旧市街の中心であるウマイヤド・モスク周辺であり、京都は、中京区の二条城付近である。それぞれの都市は、異なる空間パターンを有しており、ダマスクスでは、通りが非幾何学的で、迷路のように入り組んだ性格を持つ、連続的な都市構造をしており、一方、京都では、幾何学的な格子状街路をもつ、ブロック状の構造をしている。本研究により、まず各々の都市空間の形態的パターンが異なりながらも、両都市で共通する四つの異なる通りのタイプが見られた。次に、土地利用調査によってダマスクスでは商業地域と住居地域の間において街路の階層と路地分布に相違が認められ、一方京都においては街区の大きさとその中の敷地の平均スケールと街路のヒエラルキーによって路地分布に相違が見られる。ダマスクスのマーケットであるスークの主要な単位は店舗であり、京都においては町家(店と住宅の両方の機能を併せ持つ)が勝っているが、このことも街路のヒエラルキーと路地分布に影響を及ぼしている。特にこのことは、両都市においてDタイプは住居のみという共通点を持ちながらBタイプとCタイプの街路において異なる土地利用がなされている面に現れている。
著者
西應 浩司 材野 博司 松原 斎樹
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 46
巻号頁・発行日
pp.126-127, 1999-10-15 (Released:2017-11-08)

An experiment was done in one grid shaped street and one irregularly twisted street. There were two ways to memorize forms in the experiment : a real walk through the pathway or a CG animation presented walk through the same pathway.After memorizing the course, the subject walked the pathway by himself. The subjects were 40(25 males and 15 females). As a result of analyzing the distance and angle errors on thecongnitive maps, it was recognized that the written lengths, concerning both gender, are smaller than the actual distances. Concerning a real walk through the irregularly twisted street, females angle errors which reference line and the line which each corner connected the starting point make were smallest.
著者
益岡 了 材野 博司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.1-10, 1997-11-30
被引用文献数
7

人間の移動における継起的体験と空間構造との関係に基づいたシークエンスの研究において, どのような行動変化を手がかりに, 実際の空間や景観の変化に伴った行動として認識するのかが問題となる。そこで本報告は, シークエンスにおける短時間の行動や視覚の認知の連続をより正確に把握するために, 心理学などの研究で用いられている特定の装置を改良し, 景観行動の実態を解明することを目的とする。調査の結果, 特定の空間の変化と行動, および生体反応とが対応した関係にあることが明らかになった。また全く同一の空間の歩行であっも, 往路と復路という歩行方向によって行動・反応に違いがあることが分かった。これらのことから, 実際に空間や景観を体験する歩行者の行動や認識を予想することにおいて, 空間を歩行方向に向けて断面図的に解析し, 継起的な歩行者の体験に基づく景観の分析を行う手法の有効性が確認できた。